鈴童の遊び
一日十句以上を千句詠む

(第5回)


季語 作句日
塩辛の姿見ぬまま残暑かな 残暑 12.8.24.
かなかなの鳴く音も聞かぬ日暮れかな かなかな・蜩 12.8.24.
秋の蠅茶色の目玉ざらざらと 秋の蠅 12.8.24.
葉隠れに忍び音漏らす秋茗荷 秋茗荷 12.8.24.
地に伏して忍び咲きゐる秋茗荷 秋茗荷 12.8.24.
一日の命果てたり茗荷花 茗荷花 12.8.24.
砂時計残り少なし蝉しぐれ 蝉しぐれ 12.8.24.
猛暑日の絶叫なりや蝉時雨 猛暑日・蝉しぐれ 12.8.24.
クーラーの唸り圧する蝉時雨 蝉しぐれ 12.8.24.
10 蝉しぐれ何千匹の嫁探し 蝉しぐれ 12.8.24.
11 捕虫網持つ子は見えず蝉しぐれ 蝉しぐれ 12.8.25.
12 バス待つ間ベンチで浴びる蝉しぐれ 蝉しぐれ 12.8.25.
13 木漏れ日や森を圧する蝉時雨 蝉しぐれ 12.8.25.
14 神域の森閑として蝉しぐれ 蝉しぐれ 12.8.25.
15 里山の人気なき道蝉しぐれ 蝉しぐれ 12.8.25.
16 ベランダに仰向けに墜ち蝉逝けり 12.8.25.
17 ジイと鳴き飛び立つ蝉と逝く蝉と 12.8.25.
18 木漏れ日に赤撓(しな)らせる水引草 水引草 12.8.25.
19 逆光に赤ちらちらと水引草 水引草 12.8.25.
20 逆光に赤い花穂揺る水引草 水引草 12.8.25.
21 かなかなの声に見上ぐる夕木立 かなかな・蜩 12.8.26.
22 蜩(ひぐらし)や西日に富士のシルエット かなかな・蜩 12.8.26.
23 かなかなや無住の寺の夕間暮れ かなかな・蜩 12.8.26.
24 蜩の啼く夕空に薄い月 かなかな・蜩 12.8.26.
25 蜩の啼いて聞こゆる寺の鐘 かなかな・蜩 12.8.26.
26 蜩や相槌打てり寺の鐘 かなかな・蜩 12.8.26.
27 蜩に相槌を打つ寺の鐘 かなかな・蜩 12.8.26.
28 蜩や入相の鐘促せり かなかな・蜩 12.8.26.
29 なみなみとガラスの酒器や新生姜 新生姜 12.8.26.
30 酒の友みそあればよし新生姜 新生姜 12.8.26.
31 味噌もよし酢漬けも旨し新生姜 新生姜 12.8.27.
32 名物は墓地と生姜の谷中かな 新生姜 12.8.27.
33 散水に濡れて飛び出す蜥蜴の子 蜥蜴 12.8.27.
34 新蕎麦の墨書貼られしカウンター 新蕎麦 12.8.27.
35 散水の腕に秋の蚊とまりをり 秋の蚊 12.8.27.
36 猛暑忌み部屋に籠れる無精ひげ 猛暑 12.8.27.
37 猛暑日や為す術もなく部屋籠り 猛暑 12.8.27.
38 根岸の里子規を偲んで新豆腐 新豆腐 12.8.27.
39 獺祭(だっさい)忌小鉢の豆腐笹の雪 獺祭忌・子規忌 12.8.27.
40 子規の忌や根岸の里の笹の雪 獺祭忌・子規忌 12.8.27.
41 朝の庭仕事促す法師蝉 法師蝉 12.8.28.
42 庭の朝仕事促す法師蝉 法師蝉 12.8.28.
43 蔓掴み邪険に剥がせ藪枯らし 藪枯らし 12.8.28.
44 藪枯らし手繰れば「おう」と伸びにけり 藪枯らし 12.8.28.
45 三日ぶり庭見渡せば藪からし 藪枯らし 12.8.28.
46 はびこりてげに憎たらし藪枯らし 藪枯らし 12.8.28.
47 根競べ抜けど生えくる藪からし 藪枯らし 12.8.28.
48 草じらみ付けて道草下校の子 草虱・藪虱 12.8.28.
49 紅浮かべ愛くるしくも櫻蓼 櫻蓼 12.8.28.
50 ちろちろと残暑の庭に蜆舞ふ 残暑 12.8.28.
51 路地よぎる揚羽の影や晩夏光 晩夏光 12.8.29.
52 人影の絶へし残暑の白芙蓉 残暑・芙蓉 12.8.29.
53 聞きようで筑紫恋しと法師蝉 法師蝉 12.8.29.
54 はたはたの緑を乗せて緑の葉 はたはた・飛蝗(ばった) 12.8.29.
55 猛暑日の記録を立てて八月尽 八月尽 12.8.29.
56 蟷螂も百万匹の斧ならば 蟷螂(かまきり) 12.8.29.
57 百万の蟷螂の斧いかに 蟷螂(かまきり) 12.8.29.
58 百万の蟷螂上ぐる斧の意思 蟷螂(かまきり) 12.8.29.
59 秋の蚊と言ふには猛し残暑かな 秋の蚊 12.8.29.
60 秋の蚊の猛り刺しくる残暑かな 秋の蚊 12.8.29.
61 屋外機唸り続ける残暑かな 残暑 12.8.30.
62 けふもまた綿雲浮かぶ残暑かな 残暑 12.8.30.
63 青春てふ切符で孫と夏の旅 12.8.30.
64 青春てふ切符を持ちて夏の旅 12.8.30.
65 孫鉄と青春切符で夏の旅 12.8.30.
66 孫鉄と鈍行の旅晩夏光 晩夏光 12.8.30.
67 散水の腕に秋の蚊五六匹 秋の蚊 12.8.30.
68 フルートがジャズ風に吹く里神楽(春耕11月号課題詠) 里神楽 12.8.30.
69 フルートと太鼓のコラボ里神楽(春耕11月号課題詠) 里神楽 12.8.30.
70 笛方にフルートがいる里神楽(春耕11月号課題詠) 里神楽 12.8.30.
71 お神楽のテープも古くなりにけり(春耕11月号課題詠) 神楽 12.8.31.
72 カセットのテープ擦り減る里神楽(春耕11月号課題詠) 里神楽 12.8.31.
73 アルバムに残るだけなり里神楽(春耕11月号課題詠) 里神楽 12.8.31.
74 歌舞伎町ネオンの空に円い月 12.8.31.
75 盂蘭盆や目高の墓は木の根方 盂蘭盆・目高 秋・夏 12.8.31.
76 樹木葬庭の根方の目高たち 目高 12.8.31.
77 茗荷咲く埋む目高の精霊か 茗荷の花 12.8.31.
78 果てもなく続く宇宙の木下闇 木下闇 12.8.31.
79 谷渡る途切れとぎれの里神楽 里神楽 12.8.31.
80 胎座こそ辛味育むとうがらし 唐辛子 12.8.31.
81 獅子唐や続けて辛きときもあり 獅子唐 12.9.1.
82 フルートの若者交る神楽笛 神楽 12.9.1.
83 蛍袋なかかさこそと恋の文 蛍袋 12.9.1.
84 かなかなの鳴いて西日の木立かな かなかな・蜩 12.9.1.
85 秋の蚊のなほ猛々し残暑かな 秋の蚊 12.9.1.
86 秘められし恋素晴らしき紫苑かな 紫苑 12.9.1.
87 爽籟のひと吹き欲しき高麗の社 爽籟 12.9.1.
88 古社の名は高麗神社なり木槿咲く 木槿 12.9.1.
89 邪気払ふ将軍標や白木槿 木槿 12.9.1.
90 出世橋渡りて秋の高麗神社 12.9.1.
91 川辺には菊芋の花高麗の里 菊芋 12.9.2.
92 よき歴史秘めたる高麗や鰯雲 鰯雲 12.9.2.
93 交流の歴史の里や高麗の秋 12.9.2.
94 大らかな交流の里高麗の秋 12.9.2.
95 富士噴火近しともいふ大夕立 夕立 12.9.2.
96 旱変じ雷雨轟く厄日かな 厄日(関東大震災日) 12.9.2.
97 雷雨来て残暑を払ふ厄日かな 厄日 12.9.2.
98 夕間暮れ刻々霞むをみなへし 女郎花 12.9.2.
99 花の名を香で思ひ出す藤袴 藤袴 12.9.2.
100 枝もぎで無花果食ひし日の記憶 無花果 12.9.2.
101 どれ残す迷いつ間引き抜菜汁 抜菜汁 12.9.3.
102 土砂降りの三度で猛暑終へ秋に 12.9.3.
103 雨雲を引き裂いてゆく秋の雷 秋の雷 12.9.3.
104 雨雲を引き裂く音や秋の雷 秋の雷 12.9.3.
105 衝撃波残して去れり秋の雷 秋の雷 12.9.3.
106 毬栗(いがぐり)の青々として高麗の里 毬栗 12.9.3.
107 朝顔の花数かぞへ朝餉かな 朝顔 12.9.3.
108 ぱらぱらと露降りかかる庭の朝 12.9.3.
109 おはようの声朝顔の花越しに 朝顔 12.9.3.
110 朝顔やラピスラズリの短き間 朝顔 12.9.3.
111 朝顔やラピスラズリで咲く時間 朝顔 12.9.4.
112 獺の絶滅哀し獺祭忌 獺祭忌 12.9.4.
113 歳時記を伏せて九月の入道雲 九月・入道雲 秋・夏 12.9.4.
114 朝顔や散歩の人を微笑ますせ 朝顔 12.9.4.
115 花が花追いかけて咲く百日紅 百日紅 12.9.4.
116 庭隅に微かな匂ひ藤袴 藤袴 12.9.4.
117 ごきぶりやフェイントかけて駆け抜けり ごきぶり 12.9.4.
118 剪定で息吹き返す秋茄子 秋茄子 12.9.4.
119 二文字は判じ物なり韮の花 韮の花(別名:二文字) 12.9.4.
120 揺るがずに揚羽を止めし韮の花 揚羽長・韮の花 12.9.4.
121 青柿の落柿の無念人にこそ 青柿 12.9.5.
122 青柿の青いままなり道の上 青柿 12.9.5.
123 小鼓の乾きし響き韮の花 韮の花 12.9.5.
124 韮の花そよりともせず咲きにけり 韮の花 12.9.5.
125 一畝の境界めきし韮の花 韮の花 12.9.5.
126 土起こしする畝隣韮の花 韮の花 12.9.5.
127 残照に白帯まぶし韮の花 韮の花 12.9.5.
128 雑草と丈くらべする韮の花 韮の花 12.9.5.
129 地に描く飛行機雲や韮の花 韮の花 12.9.5.
130 赤い実を緑霞に浮かせ雉隠 雉隠(別名:アスパラ) 12.9.5.
131 赤い実に緑の霞む雉隠 雉隠(別名:アスパラ) 12.9.6.
132 朝顔や日ごとに花の数増へり 朝顔 12.9.6.
133 朝顔や半日のため咲き揃ひ 朝顔 12.9.6.
134 朝顔に揚羽が一羽止まりけり 朝顔 12.9.6.
135 朝顔や空に残月朧なり 朝顔 12.9.6.
136 白粉の花残照に咲き出せり 白粉花 12.9.6.
137 午後三時白粉花の咲き初めり 白粉花 12.9.6.
138 鬼灯の灯もともりたる夕間暮れ 鬼灯 12.9.6.
139 白露の一つ朝日に光りけり 白露 12.9.6.
140 アロエの葉露留まりて転がらず 12.9.6.
141 露載せて咲く朝顔もありぬべし 12.9.7.
142 朝の庭転がり落ちる露ひとつ 12.9.7.
143 滑り止めあるがごとくに露不動 12.9.7.
144 草も木も露載せてゐる朝の庭 12.9.7.
145 人肌といふもほのぼの温め酒 温め酒 12.9.7.
146 人肌でほのぼのと飲む温め酒 温め酒 12.9.7.
147 人肌の目安うれしや温め酒 温め酒 12.9.7.
148 人肌で飲むこそよけれ温め酒 温め酒 12.9.7.
149 人肌の物差し楽し温め酒 温め酒 12.9.7.
150 人肌と徳利撫でつ温め酒 温め酒 12.9.7.
151 人肌の烏賊徳利や温め酒 温め酒 12.9.8.
152 登高や皺一つ無き瀬戸の凪 登高 12.9.8.
153 江戸城址天守台越ゆ秋茜 秋茜 12.9.8.
154 とんぼうや尾先で川面叩きゆく とんぼう 12.9.8.
155 とんぼうや尾先で水を吸ふごとし とんぼう 12.9.8.
156 有楽町高架を過ぎる秋茜 秋茜 12.9.8.
157 ガード下秋風抜ける床几酒 秋風 12.9.8.
158 芋虫を吾も一匹飼ひゐるを 芋虫 12.9.8.
159 芋虫を愛でる佳人もゐたりけり 芋虫 12.9.8.
160 芋虫や護身の刺青禍々(まがまが)し 芋虫 12.9.8.
161 鉢植えの観察記録鳳仙花 鳳仙花 12.9.9.
162 白露や悔し涙の数かとも 白露 12.9.9.
163 秋風や墓地の卒塔婆かたことと 秋風 12.9.9.
164 卒塔婆をかたこと鳴らす秋の風 秋風 12.9.9.
165 卒塔婆のかたりことりと秋の風 秋風 12.9.9.
166 麦藁や塩辛追ひし夢の果て 麦藁とんぼ・塩辛とんぼ 12.9.9.
167 ひっそりと鳴ひて飛び去る秋の蝉 秋の蝉 12.9.9.
168 生き遅れ死にも遅れし秋の蝉 秋の蝉 12.9.9.
169 一鳴きでさり気無く去る秋の蝉 秋の蝉 12.9.9.
170 野葡萄の実のてんでんに色違へ 野葡萄 12.9.9.
171 背に腹を替へられぬころ蝗(いなご)とり 12.9.10.
172 疎開では全校生が蝗とり 12.9.10.
173 鳥の餌人が横取る蝗とり 12.9.10.
174 稲雀蝗も消へし稲田かな 稲雀・蝗・稲田 12.9.10.
175 農薬を浴びて艶増す秋茄子 秋茄子 12.9.10.
176 洗へども消へぬ汚染の秋野菜 12.9.10.
177 原発禍堆肥底つく秋の畑 12.9.10.
178 爪紅(つまべに)と呼ばれし昔鳳仙花 鳳仙花 12.9.10.
179 鳳仙花つまくれなゐと呼ばれしも 鳳仙花 12.9.10.
180 高き丈やや傾けて紫苑咲く 紫苑 12.9.10.
181 朝顔の一気咲きなり五十輪 朝顔 12.9.11.
182 処暑といふ節目なきまま秋半ば 処暑 12.9.11.
183 女から男は生まれ男郎花 男郎花 12.9.11.
184 登高や幕府城址の天守台 登高 12.9.11.
185 登高や小富士から見る瀬戸の海 登高 12.9.11.
186 登高や標高柱の脇に立ち 登高 12.9.11.
187 恋人の胸の高きに登りけり 登高 12.9.11.
188 富士見ゆる山の高きに登りけり 登高 12.9.11.
189 仁徳にあやかり高きに登りけり 登高 12.9.11.
190 子も減りて息も絶へ絶へ秋祭 秋祭 12.9.11.
191 韮の花大根蒔きを見守れり 韮の花 12.9.12.
192 破れ垣にカルメンかともカンナ咲く カンナ 12.9.12.
193 女郎花ひもにはあらじ男郎花 女郎花、男郎花 12.9.12.
194 畑起こしうれしきものは秋の風 秋の風 12.9.12.
195 秋風に汗拭はれつ畑作業 秋風 12.9.12.
196 耳鳴りか虫の集きか老いの秋 12.9.12.
197 秋暑し富士冠雪の初便り 秋暑し 12.9.12.
198 ごま塩のごとき雪載せ九月富士 九月 12.9.12.
199 気温二度初冠雪の九月富士 九月 12.9.12.
200 富士山頂白髪に似たる秋の雪 12.9.12.
201 ごま塩のごとき初雪富士九月 九月 12.9.13.
202 逆さ富士湖面を揺らす風は秋 12.9.13.
203 初冠雪富士に白髪の五六筋 12.9.13.
204 処暑の富士初冠雪の姿見せ 処暑 12.9.13.
205 金蛇の池に身浸す残暑かな 残暑 12.9.13.
206 秋めきて姫蔓蕎麦も二番花 秋めく 12.9.13.
207 秋めくや茗荷の根方差す西日 秋めく 12.9.13.
208 寝屋の窓夜風そよろと涼新た 涼新た 12.9.13.
209 大根蒔くマルチの穴に三粒ずつ 大根蒔き 12.9.13.
210 冷房止め窓を開ければ処暑の風 処暑 12.9.13.
211 窓開けて部屋に呼び込む処暑の風 処暑 12.9.14.
212 温くてもさらりと頬に処暑の風 処暑 12.9.14.
213 鍬の手を休めて見上ぐ処暑の雲 処暑 12.9.14.
214 常温の酒注文し涼新た 涼新た 12.9.14.
215 中秋や月に一献盃上げて 中秋 12.9.14.
216 中秋や月だしにして酒旨し 中秋 12.9.14.
217 火ばさみで毬(いが)こじ開けつ栗拾ひ 栗拾い 12.9.14.
218 秋の虹どこにと問へば消へ去りぬ 秋の虹 12.9.14.
219 くくるくと鳩鳴く小屋や秋夕焼け 秋夕焼け 12.9.14.
220 木造のアパート染めて秋夕焼け 秋夕焼け 12.9.14.
221 お題目唱へる家や秋夕焼け 秋夕焼け 12.9.15.
222 シルエットとなりて来る人秋夕焼け 秋夕焼け 12.9.15.
223 種を蒔き水遣り終へて秋の昼 秋の昼 12.9.15.
224 団栗を拾ひつ可笑し党首選 団栗 12.9.15.
225 茄子紺の色艶やかに秋茄子 秋茄子 12.9.15.
226 入道雲まだ帰らずにゐる九月 九月 12.9.15.
227 芋の葉の露ころがるや蛇笏の忌 芋の葉・露・蛇笏忌 12.9.15.
228 生きるか死かそれが問題鬼城の忌 鬼城忌 12.9.15.
229 ルビー玉口いっぱいに石榴かな 石榴 12.9.15.
230 口を裂く石榴の憤怒想ふべし 石榴 12.9.15.
231 朱に染まる石榴の奥の富士黒々 石榴 12.9.16.
232 残照に石榴口裂き富士を噛む 石榴 12.9.16.
233 秋信濃親父の里の五平餅 12.9.16.
234 新聞の文字を追ひつつ胡桃割る 胡桃割 12.9.16.
235 無患子の実の名を訊かれ字で教へ 無患子 12.9.16.
236 虫瘤のひょうひょうと鳴るひょんの笛 瓢(ひょん)の笛 12.9.16.
237 残照に枸杞の実の紅透けにけり 枸杞 12.9.16.
238 野茨の実の艶やかに棘の奥 野茨の実 12.9.16.
239 山茱萸のえぐみ懐かし二つ三つ 山茱萸 12.9.16.
240 朝顔や花縦横に五十輪 朝顔 12.9.16.
241 爺婆の蔓延(はびこ)る街や敬老日 敬老の日 12.9.17.
242 敬老日蔓延る爺の一人なり 敬老の日 12.9.17.
243 藪枯らし蔓延る庭や敬老日 敬老の日 12.9.17.
244 蓑虫や風の吹くまま過ごす日々 蓑虫 12.9.17.
245 船酔ひもせずに蓑虫揺れにけり 蓑虫 12.9.17.
246 蓑虫に父よと鳴かす俳の耳 蓑虫 12.9.17.
247 蚯蚓鳴き蓑虫も鳴く草の庵 蓑虫・蚯蚓 12.9.17.
248 蓑虫の揺るるをよけて庭に水 蓑虫 12.9.17.
249 憎っくきと心掻き立て菜虫とる 菜虫 12.9.17.
250 味噌つけて新生姜食ふ膳眩し 生姜 12.9.17.
251 白木槿句会の帰途はやや萎れ 白木槿 12.9.18.
252 白木槿白一色の並木なり 白木槿 12.9.18.
253 柿なれど熟柿好きな子嫌いな子 熟柿 12.9.18.
254 庭柿やもがれぬままに熟しけり 12.9.18.
255 実のすべてもぐ人なしに木守柿 木守柿 12.9.18.
256 秋めくも三十度なり温度計 秋めく 12.9.18.
257 秋の風吹き抜ける空入道雲 秋の風 12.9.18.
258 居座りし入道雲や秋の風 入道雲・秋の風 夏・秋 12.9.18.
259 水遣りの畑で見上ぐる野分雲 野分雲 12.9.18.
260 十個ほども柿転がりし野分あと 柿・野分あと 12.9.18.
261 手づかみで秋刀魚食ふ子の逞しき 秋刀魚 12.9.19.
262 にぎりならさんまいわしに秋のさば 秋刀魚・鰯・秋鯖 12.9.19.
263 鮨食ふて秋の気配の街を行く 秋の気配 12.9.19.
264 鰯雲刺しの鰯につみれ汁 鰯雲・鰯 12.9.19.
265 秋の雷まつり太鼓と重なれり 秋の雷 12.9.19.
266 秋彼岸親父お袋弟妹よ 秋彼岸 12.9.19.
267 秋の暮一句呟く山頭火 秋の暮 12.9.19.
268 秋蝶に旅路の果ての後幾ばく 秋蝶 12.9.19.
269 山道にさざめく気配秋の声 秋の声 12.9.19.
270 秋の雷濡れそぼち行く山頭火 秋の雷 12.9.19.
271 秋の雷濡れ鼠なり山頭火 秋の雷 12.9.20.
272 秋の雨墨染そぼち山頭火 秋の雨 12.9.20.
273 秋雨の一草庵や山頭火 秋の雨 12.9.20.
274 歩ひても急げどかつこう山頭火
*1936.の句 
あるけばかつこういそげばかつこう 
の対句として詠む
郭公 12.9.20.
275 盛り上がる雲の峰ゆく山頭火
*1940.10月死去直前の句 
もりもり盛りあがる雲へあゆむ 
の対句として詠む
入道雲 12.9.20.
276 濁り水澄み行く流れ秋茜
*山頭火が死の直前、松山一草庵前の桶又川を詠んだ句 濁れる水の流れつつ澄む 
の対句として詠む
秋茜 12.9.20.
277 巾着田死人花観に人々々
(12.9.19.見ごろは9月末から)
曼珠沙華・死人花・彼岸花 12.9.20.
278 花野原むすびが逃げて雲笑ふ 花野 12.9.20.
279 花野原むすびころころ雲笑ふ 花野 12.9.20.
280 GPSで道確かめる秋遍路 秋遍路 12.9.20.
281 接待の麦茶を二杯秋遍路 秋遍路 12.9.21.
282 井月と山頭火ゆく稲田道 稲田 12.9.21.
283 しょんべんを放ち飛び去る法師蝉 法師蝉 12.9.21.
284 法師蝉見上ぐる面にしょんべんぞな 法師蝉 12.9.21.
285 法師蝉放尿と言ふ最後っぺ 法師蝉 12.9.21.
286 秋雨に走る野鼠濡れ鼠 秋雨 12.9.21.
287 脳天に雨一滴秋の雷 秋の雷 12.9.21.
288 惰眠こそおらがのものと秋の猫 12.9.21.
289 人と虫殺し殺さる畑の秋 12.9.21.
290 笑むごとくそよと白萩揺れにけり 白萩 12.9.21.
291 定型でしばし磨かん秋の雷 秋の雷 12.9.22.
292 新涼やサフランモドキ咲きにけり 新涼 12.9.22.
293 秋めく朝サフランモドキ一輪咲く 秋めく 12.9.22.
294 ようやくに秋冷の朝21度 秋冷 12.9.22.
295 秋冷や夜来の雨の置き土産 秋冷 12.9.22.
296 ありがたや秋冷の朝ようやくに 秋冷 12.9.22.
297 ロウズ吹くジャズフルートや涼新た 涼新た・新涼 12.9.22.
298 秋澄みてジャズフルートの音軽く 秋澄む 12.9.22.
299 月並み句脱せずにゐて秋めけり 秋めく 12.9.22.
300 好き嫌ひ詠みきる鷹女秋澄めり 秋澄む 12.9.22.
301 曼珠沙華乳房の疼く俳女たち 曼珠沙華 12.9.23.
302 曼珠沙華乳房疼かす鷹女かな 曼珠沙華 12.9.23.
303 曼珠沙華乳房疼くと鷹女の句 曼珠沙華 12.9.23.
304 猛々し夏決別の秋雨降る 秋雨 12.9.23.
305 猛々し季替り告げる秋の雨 秋の雨 12.9.23.
306 強弱をつけて降り継ぐ秋時雨 秋時雨 12.9.23.
307 ジャズ・オブ・ゴッド エリントン聴く秋黴雨(あきついり)
秋黴雨 12.9.23.
308 蓑虫や雨に伸び切る命綱 蓑虫 12.9.23.
309 繋がれし犬吠えれどもカンナ見ず カンナ 12.9.23.
310 野良猫に鹿十(しかと)されたり鰯雲 鰯雲 12.9.23.
311 くわりんの実拾ふ人なく転がれり 花梨 12.9.24.
312 かぼす垂らし芋焼酎のハイボール かぼす 12.9.24.
313 西日浴び庭ざわめけり葉鶏頭 葉鶏頭 12.9.24.
314 山道に視線の合いし濃竜胆 濃竜胆 12.9.24.
315 宙に揺る吊舟草の紅ぼかし 吊舟草 12.9.24.
316 岩角の窪みに揺るる黄釣舟 黄釣舟 12.9.24.
317 秋空や入道雲もまだをるぞ 秋空 12.9.24.
318 駄洒落から糸瓜と書き「へちま」なり 糸瓜 12.9.24.
319 屁理屈で糸瓜と書き訓みへちま 糸瓜 12.9.24.
320 糸瓜と書いてへちまと読む駄洒落
(「いとうり」が訛り「とうり」「と」は「へとちの間」で「へちま」の駄洒落)
糸瓜 12.9.24.
321 企みの話弾むや曼珠沙華 曼珠沙華 12.9.25.
322 (い)とうりの「と」へとちの間へちまなり 糸瓜 12.9.25.
323 おみならは馬肥ゆる避けダイエット 馬肥ゆる 12.9.25.
324 秋の空写生で詠めぬ季語のずれ 秋空 12.9.25.
325 日馬富士馬肥ゆる秋横綱に 馬肥ゆる 12.9.25.
326 稲架(はさ)掛けて絵になる景色千枚田 稲架(はさ) 12.9.25.
327 秋思など言ってはをれぬ日中日韓 秋思 12.9.25.
328 無花果のやや隠微なるおちょぼ口 無花果 12.9.25.
329 烏瓜夕日と競ひ悪びれず 烏瓜 12.9.25.
330 近寄れば紅褪せてゐる赤まんま 赤まんま 12.9.25.
331 蒲の絮ついと飛び立ち風まかせ 蒲の絮(わた) 12.9.26.
332 道の端に並ぶ白花玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
333 道の端の花群れ白く玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
334 登校の児ら行く道や玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
335 風過ぎて花群れ揺るる玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
336 登校の児ら過ぎ行くや玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
337 道の端の花列長き玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
338 駆けて行く登校の児や玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
339 低気圧近づく空や玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
340 去年より花列延ばす玉すだれ 玉すだれ 12.9.26.
341 雨雲の暗き道の端玉すだれ 玉すだれ 12.9.27.
342 道の端に玉すだれ咲く通学路 玉すだれ 12.9.27.
343 古利根の川面に暗き野分雲 野分 12.9.27.
344 参道の長きに沿いて曼珠沙華 曼珠沙華 12.9.27.
345 どの墓も供花生き生きと秋彼岸 秋彼岸 12.9.27.
346 風船葛ふわりと風に揺らぎけり 風船葛 12.9.27.
347 緋衣に足止めて見る縷紅草 縷紅草 12.9.27.
348 猛々し秋の河原の荒地瓜 12.9.27.
349 どの花も懺悔のポーズ秋海棠 秋海棠 12.9.27.
350 朽舟の舫ふ古利根野分雲 野分 12.9.27.
351 芋虫のこともな気なる野分あと 野分 12.9.28.
352 芋虫の葉に泰然と野分あと 野分 12.9.28.
353 どの畑も農夫きびきび野分あと 野分 12.9.28.
354 風の道不思議な悪さ野分あと 野分 12.9.28.
355 野分去り不思議を残す風の跡 野分 12.9.28.
356 気を付け!が大の苦手と吾亦紅 吾亦紅 12.9.28.
357 風止まり直立不動吾亦紅 吾亦紅 12.9.28.
358 間引菜を食はぬ用心農薬禍 間引菜 12.9.28.
359 艶やかに赤きを空に鷹の爪 鷹の爪 12.9.28.
360 鷹の爪笊に並べど矜持あり 鷹の爪 12.9.28.
361 軒先に夕日呼び込む鷹の爪 鷹の爪 12.9.29.
362 吊るされて艶失はぬ鷹の爪 鷹の爪 12.9.29.
363 紫蘇の実や摘む爪先の黒ずみぬ 紫蘇の実 12.9.29.
364 咎もなく命絶たれし抜き菜かな 抜き菜 12.9.29.
365 母の剥く丸ごとの梨懐かしき 12.9.29.
366 皮のまま食へぬが惜しや水蜜桃 水蜜桃 12.9.29.
367 蛇笏忌やガラス器で飲むひやおろし 蛇笏忌 12.9.29.
368 白萩の地に踏み場なき野分あと 白萩 12.9.29.
369 数珠玉や真珠もどきに子らの首 数珠玉 12.9.29.
370 萍(うきくさ)や足の踏み場もなき緑 萍(うきくさ) 12.9.29.
371 野分去り便追も来た鳩も来た 野分 12.9.30.
372 便追(びんずい)が落ち葉をつつく野分あと 野分 12.9.30.
373 芋の葉の威風堂々風のあと 芋の葉 12.9.30.
374 大き葉に露を残せし芋嵐 芋嵐 12.9.30.
375 芋嵐去りて伏すもの見当たらず 芋嵐 12.9.30.
376 野分去り雨戸開ければひんやりと 野分 12.9.30.
377 芋の葉の露定まらず転がれり 芋の葉 12.9.30.
378 芋の露大きが一つ定まれり 芋の露 12.9.30.
379 動くたび銀光放つ芋の露 芋の露 12.9.30.
380 球面に歪む景色や芋の露 芋の露 12.9.30.
381 露に脚取られて泳ぐ小さき虫 12.10.1.
382. 畑土に尾をつんつんと秋茜 秋茜 12.10.1.
383 あら零余子(むかご)しばし眺めて立ち去りぬ 零余子 12.10.1.
384 枝揺らし花振りこぼす萩と風 12.10.1.
385 白萩の花大揺れの鏡獅子 白萩 12.10.1.
386 大芒パンパスグラスさやぎけり 大芒 12.10.1.
387 老残のすだれ髪揺る破芭蕉 破芭蕉 12.10.1.
388 芋の露球面の吾ひょっとこに 芋の露 12.10.1.
389 新涼や季の移りゆく路地の朝 新涼 12.10.1.
390 雁渡るなれど鵞鳥は地の留鳥 雁渡る 12.10.1.
391 鴨渡るなれど家鴨は地の留鳥 鴨渡る 12.10.2.
392 池の水澄みて魚影の留まれり 水澄む 12.10.2.
393 池の水澄みて魚影の粛とせり 水澄む 12.10.2.
394 庭隅に一輪咲けり彼岸花 彼岸花 12.10.2.
395 稲の花見たこともなく飯を食ふ 稲の花 12.10.2.
396 稲の香を雀とともに嗅ぎにけり 稲の香 12.10.2.
397 稲の香や草の名残を留めけり 稲の香 12.10.2.
398 控へめに慎みて咲く稲の花 稲の花 12.10.2.
399 ことことと厨の気配秋めけり 秋めく 12.10.2.
400 路地で聞く厨の気配秋めけり 秋めく 12.10.2.
401 新生姜辛味爽やか夕の酒 新生姜 12.10.3.
402 白萩の花敷きつめて野分過ぐ 白萩 12.10.3.
403 白萩の花散り敷きて野分去る 白萩 12.10.3.
404 択一の作業残酷菜を間引く 間引菜 12.10.3.
405 択一の作業おぞまし菜を間引く 間引菜 12.10.3.
406 択一の作業悩まし菜の間引き 間引菜 12.10.3.
407 指先で息の根止める菜の間引き 間引菜 12.10.3.
408 命とはかくも儚き菜の間引き 間引菜 12.10.3.
409 抛られてたちまち萎へる間引かれ菜 間引菜 12.10.3.
410 糸よりも細き根哀れ菜を間引く 間引菜 12.10.3.
411 引き抜かれたちまち萎へる貝割れ菜 貝割菜 12.10.4.
412 作業衣に白く塩吹く残暑の農 残暑 12.10.4.
413 作業衣の白い塩あと残暑の農 残暑 12.10.4.
414 ずぶ濡れの鼠が走る野分かな 野分 12.10.4.
415 乳房詠む俳女の佳句や秋たけり 12.10.4.
416 大相撲乳房豊かに勝ち名乗り 相撲 12.10.4.
417 隠嚢(ふぐり)では詠むに詠まれずちちろ鳴く ちちろ 12.10.4.
418 鴉来てごみ散らしをり獺祭忌 獺祭忌 12.10.4.
419 朝の路地厨の気配秋めけり 秋めく 12.10.4.
420 金竜の舞ふありがたき菊供養
(浅草寺で10,18.菊供養の日に金竜の舞が奉納される。)
菊供養 12.10.4.
421 秋の畑尾を振る鳥に腰伸ばし 12.10.5.
422 小走りに尾を上げ下げて黄鶺鴒 鶺鴒 12.10.5.
423 尾を叩き虫おどかすや黄鶺鴒 鶺鴒 12.10.5.
424 何追ふや尾を上げ下げつ黄鶺鴒 鶺鴒 12.10.5.
425 遊歩道毬を散りばむ虚栗(みなしぐり) 虚栗 12.10.5.
426 どの毬(いが)も口を開けをり虚栗 虚栗 12.10.5.
427 幼子の指さし逃げる栗の毬 12.10.5.
428 かちかちと火挟み鳴らし栗拾ふ 栗拾 12.10.5.
429 犬の仔の後ずさりする栗の毬 毬栗 12.10.5.
430 味噌もよし甘酢漬けよし新生姜 新生姜 12.10.5.
431 この宵は谷中生姜でひやおろし 生姜 12.10.6.
432 捨子花死人幽霊曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.6.
433 白肌の紅のぼかしや新生姜 新生姜 12.10.6.
434 別名に忌名ずらりと曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.6.
435 巾着田染めて人呼ぶ曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.6.
436 曼珠沙華墓地の供花には加わらず 曼珠沙華 12.10.6.
437 異相異端忌み名の多き曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.6.
438 さやさやと音あるごとく芒揺る 12.10.6.
439 揺るる穂に矢筈芒の葉もさやぐ 12.10.6.
440 草叢に混じりて咲けり藤袴 藤袴 12.10.6.
441 川の辺に刈り残したる藤袴 藤袴 12.10.7.
442 冷酒のしみじみ旨し寒露かな 寒露 12.10.7.
443 菊の香やiPSでノーベル賞 12.10.7.
444 爽やかやノーベル賞のニュース聞く 爽やか 12.10.7.
445 秋澄みてノーベル賞の報届く 秋澄む 12.10.7.
446 秋澄みてノーベル賞の晴れの報 秋澄む 12.10.7.
447 初氷貼ったとニュース寒露の日 寒露 12.10.7.
448 肌寒や長袖のシャツ着け洗顔 肌寒 12.10.7.
449 夢で吠え撥ねし布団の夜寒かな 夜寒 12.10.7.
450 長き夜の三回も起つ厠かな 長き夜 12.10.7.
451 秋澄みて吾頭髪の薄きを知る 秋澄む 12.10.8.
452 芋虫を不気味と思ふなぜなのか 芋虫 12.10.8.
453 芋虫やふてぶてしさが不気味なり 芋虫 12.10.8.
454 芋虫の餅肌ぐにゃり手固まる 芋虫 12.10.8.
455 芋虫を愛ずる昔の姫もゐて 芋虫 12.10.8.
456 秋入日小紫の実艶めけり 秋入日 12.10.8.
457 艶やかに秋の入日の小紫 秋入日 12.10.8.
458 コスモスの揺れて倒れてまた起きぬ コスモス 12.10.8.
459 夕日浴び炎掻き立つ曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.8.
460 締め切りの尻に火のつく曼珠沙華 曼珠沙華 12.10.8.
461 白粉の花目覚め初む午後三時 白粉花 12.10.9.
462 夕日受け白粉花の目覚めかな 白粉花 12.10.9.
463 紅萼の瞳もつぶら常山木(くさぎ)の実 常山木、臭木 12.10.9.
464 小鳥呼ぶ円らな瞳常山木の実 常山木、臭木 12.10.9.
465 火に油注ぎて燃ゆる彼岸花 彼岸花 12.10.9.
466 野遊びの児らの声冴え秋澄めり 秋澄む 12.10.9.
467 秋茗荷地に散るごとく咲きにけり 秋茗荷 12.10.9.
468 花付けし苞引き抜くや茗荷畑 茗荷の花 12.10.9.
469 竹笊に並べて清し秋茗荷 秋茗荷 12.10.9.
470 土割りて様子見するや秋茗荷 秋茗荷 12.10.9.
471 紫蘇の実を穂に爪立てて摘みにけり 紫蘇の身 12.10.10.
472 秋澄みて走るドクターノーベル賞 秋澄む 12.10.10.
473 地を割りて儚げに咲く秋茗荷 秋茗荷 12.10.10.
474 秋うらら回る地球に棲みをりて 秋うらら 12.10.10.
475 秋うらら地球は回る吾もまた 秋うらら 12.10.10.
476 野良仕事見守るごとく鱗雲 鰯雲 12.10.10.
477 天人も畑起こしせり鰯雲 鰯雲 12.10.10.
478 天人の鋤き起こしたる鱗雲 鱗雲 12.10.10.
479 天上も畑起こしなり鰯雲 鰯雲 12.10.10.
480 花の波打ち寄せ返す秋桜 秋桜 12.10.10.
481 花浮かせたゆとふ浪か秋桜 秋桜 12.10.11.
482 群れ蝶の地に舞い降りぬ秋茗荷 秋茗荷 12.10.11.
483 頼りなく揺れつ逞し秋桜 秋桜 12.10.11.
484 きちきちと鳴いて飛び去る命あり きちきちばった 12.10.11.
485 きちきちと鳴いて飛び去る影一つ きちきちばった 12.10.11.
486 白粉の花三抱へも咲く農の庭 白粉花 12.10.11.
487 人の足止めさせて咲く草牡丹 草牡丹 12.10.11.
488 貴船菊人の足止め犬もまた 貴船菊 12.10.11.
489 色を食む菊膾の黄鮮やかに 菊膾 12.10.11.
490 見上ぐれば見下ろしてゐる鰯雲 鰯雲 12.10.11.
491 天空の肋骨かとも鯖の雲 鰯雲 12.10.12.
492 白い畝広々と雲秋入日 秋入日 12.10.12.
493 池の面過る水鳥いわし雲 鰯雲 12.10.12.
494 池の面犇めく鯉や鰯雲 鰯雲 12.10.12.
495 鰯雲見上ぐる吾に人もまた 鰯雲 12.10.12.
496 夕間暮れ屈みて写す茗荷の花 茗荷の花 12.10.12.
497 闇迫る釣瓶落しの山の道 釣瓶落し 12.10.12.
498 畑仕事釣瓶落としでやり残し 釣瓶落し 12.10.12.
499 広々と畝を刻みて秋の雲 秋の雲 12.10.12.
500 赤い羽根集金に来る町内会 赤い羽根 12.10.12.
501 午後三時早や夕暮れる秋の雨 秋の雨 12.10.13.
502 ゐのこづちそんなに好いてくれるなよ ゐのこづち 12.10.13.
503 足腰の弱りし散歩ゐのこづち ゐのこづち 12.10.13.
504 不思議なり背中まで付くゐのこづち ゐのこづち 12.10.13.
505 ゐのこづち付けて車内の笑み誘ふ ゐのこづち 12.10.13.
506 気がつけば裾を緑にゐのこづち ゐのこづち 12.10.13.
507 喪服着た男女の裾の草虱 草虱 12.10.13.
508 歩速落ち他人より多い草虱 草虱 12.10.13.
509 草じらみ若い二人の腰まわり 草虱 12.10.13.
510 中国からはるばると来て新蕎麦に 新蕎麦 12.10.13.
511 メードインチャイナも加へ新蕎麦に 新蕎麦 12.10.14.
512 新蕎麦や中国産の粉仕立て 新蕎麦 12.10.14.
513 新蕎麦にかぎると食みし中国産 新蕎麦 12.10.14.
514 電子機器新蕎麦までも中国製 新蕎麦 12.10.14.
515 秋耕の畑見まわれば早や雑草 秋耕 12.10.14.
516 猫じゃらし遊んでくれる猫もゐず 猫じゃらし 12.10.14.
517 破芭蕉(やればせう)老残の葉をかさこそと 破芭蕉 12.10.14.
518 長身の故に目立つや破芭蕉 破芭蕉 12.10.14.
519 秋蒔きの畑に広がる中国菜 秋蒔き 12.10.14.
520 無患子の種を擦れば黒光り 無患子 12.10.14.
521 木道を転げかけたりななかまど ななかまど 12.10.15.
522 山々に衣擦れの音龍田姫 龍田姫 12.10.15.
523 莢蒾(がまずみ)と読むは難し実は赤し 莢蒾(がまずみ) 12.10.15.
524 橙はもがねば枝で歳を越し 12.10.15.
525 文旦の皮の内側温きかな 文旦 12.10.15.
526 檸檬一つ手のひらに載せ清々し 檸檬 12.10.15.
527 気付かずにゐたこと気づく万年青の実 万年青の実 12.10.15.
528 種茄子然と残りし大茄子 種茄子 12.10.15.
529 空染める夕日の下の草紅葉 草紅葉 12.10.15.
530 空染める夕日に和すや草紅葉 草紅葉 12.10.15.
531 茨の実つい触れんとしおおいたた 茨の実 12.10.16.
532 鈴懸の実を見上ぐれば大樹なり 鈴懸の実 12.10.16.
533 秋晴や午後は長袖半そでに 秋晴 12.10.16.
534 秋澄みて汚れの目立つバスの窓 秋澄む 12.10.16.
535 堀割の水面皺寄す秋の風 秋の風 12.10.16.
536 豚汁の大鍋据えて鰯雲 鰯雲 12.10.16.
537 豚汁の大鍋の湯気秋高し 秋高し 12.10.16.
538 大鍋の湯気で始まる芋煮会 芋煮会 12.10.16.
539 赤い羽根領収書なり町内会 赤い羽根 12.10.16.
540 紫の皮戸惑いつ通草(あけび)剥く 通草(あけび) 12.10.16.
541 ごく薄き沙のかかりたる秋の天 秋天 12.10.17.
542 大根の最後の間引き一株に 間引き菜 12.10.17.
543 育てよと一株残す間引きかな 間引き菜 12.10.17.
544 一株に成長託す間引きかな 間引き菜 12.10.17.
545 かりんの実転がり落ちて拾はれず 花梨、かりん 12.10.17.
546 花梨哀れ拾う人なく朽ちにけり 花梨 12.10.17.
547 フォークより被りつきたし富有柿 12.10.17.
548 青蜜柑そろそろ黄色手を出そか 青蜜柑 12.10.17.
549 庭の木に小雀(こがら)寄れども雀来ず 小雀(こがら) 12.10.17.
550 残照の庭に添水(そふづ)の音響く 添水、鹿威し 12.10.17.
551 肉感の二文字浮かぶ鶏頭花 鶏頭花 12.10.18.
552 墓地の供花鶏頭独り艶めきぬ 鶏頭 12.10.18.
553 群れ咲いて白粉花の赤白黄 白粉花 12.10.18.
554 音もなく浪立ち寄せる秋桜 秋桜 12.10.18.
555 したたかさ桜に優る秋桜 秋桜 12.10.18.
556 銀河バス夢乗せてゆく賢治の忌
(東村山市のバスお宅の酒店の親父が夢実現、12年夏から路線バスの認可を受け、JR国分寺駅北口まで1路線の運行開始。宮沢賢治忌1933.9.21.)
賢治忌 12.10.18.
557 露草の凛とした青散歩犬 露草・蛍草 12.10.18.
558 露草の青凛として散歩犬 露草 12.10.18.
559 意図せぬに露草庭を彩れり 露草 12.10.18.
560 露草の勝手に咲けり庭の隅 露草 12.10.18.
561 朝露を纏いてこその蛍草 蛍草・露草 12.10.19.
562 長袖で庭に立つ朝蛍草 蛍草 12.10.19.
563 折れ曲がり伏しても凛と蛍草 蛍草 12.10.19.
564 津波跡イーハトーブの二度の秋 12.10.19.
565 雀斑(そばかす)を浮かべて庭の時鳥草 時鳥草(ほととぎす) 12.10.19.
566 秋うらら姫蔓蕎麦は二度の花期 秋うらら 12.10.19.
567 秋うらら姫蔓蕎麦の球形花 秋うらら 12.10.19.
568 吹く風にそれぞれ揺れる黄釣舟 黄釣舟 12.10.19.
569 釣舟草法螺貝の名もさもあらん 釣舟草 12.10.19.
570 釣舟草距と言ふ花の尻尾あり 釣舟草 12.10.19.
571 ゆらゆらと揺れて誘ふや釣舟草 釣舟草 12.10.20.
572 命綱ありて揺らゆら釣舟草 釣舟草 12.10.20.
573 法螺貝に確かに似たり釣舟草 釣舟草 12.10.20.
574 法螺貝を吹けば揺るるや釣舟草 釣舟草 12.10.20.
575 檜扇や実ぞ射干玉(ぬばたま)の黒光り 檜扇 12.10.20.
576 犬升麻白い花穂揺る暮の秋 暮の秋 12.10.20.
577 夕霞む犬升麻の穂秋暮るる 秋の暮 12.10.20.
578 白内障手術した友秋澄むと 秋澄む 12.10.20.
579 射干玉(ぬばたま)の黒光り増す秋気かな 秋気 12.10.20.
580
コスモスの花摘みながら下校の児 コスモス 12.10.20.
581 秋の川泡立草の金の花穂 秋の川 12.10.21.
582 秋の川黄の帯となる泡立草 秋の川 12.10.21.
583 木道をくの字くの字に秋の雲 秋の雲 12.10.21.
584 秋の野や花穂の撓みし犬升麻 秋の野 12.10.21.
585 酒こぼし花瓶の菊で拭いをり 12.10.21.
586 秋の池鵞鳥と家鴨ややこしき 秋の池 12.10.21.
587 池の面に花を濡らして秋海棠 秋海棠 12.10.21.
588 池の面に花濡らしゐる秋海棠 秋海棠 12.10.21.
589 綿帽子冠る富士見つ紅葉狩 紅葉狩 12.10.21.
590 秋夕焼切り絵のごとく富士立てり 秋夕焼 12.10.21.
591 露草や青紫が飛びた気に 露草 12.10.22.
592 蓑虫の父よと鳴けど母呼ばず 蓑虫 12.10.22.
593 間引菜にされて売らるる印度の児 間引菜 12.10.22.
594 うそ寒ややったと言わす取調べ うそ寒 12.10.22.
595 秋の川こころ急くやに流れけり 秋の川 12.10.22.
596 石たたきドラムブラシの名手かな 石たたき、鶺鴒 12.10.22.
597 庭園の一角飾る木賊かな 木賊(とくさ) 12.10.22.
598 木賊刈る園丁の鎌さくさくと 木賊 12.10.22.
599 秋冷や暖房ボタンちょっと押し 秋冷 12.10.22.
600
木の実拾ふ園児の声の嬉々として 木の実 12.10.22.
601 口裂けて赤い歯を剥く石榴かな 石榴 12.10.23.
602 茱萸の実をふふめば連れも次々と 茱萸 12.10.23.
603 廃村の藪の茱萸の実たわわなり 茱萸 12.10.23.
604 野葡萄や色取り揃へ食はせもの 野葡萄 12.10.23.
605 野葡萄や鳥も横向く食はせもの 野葡萄 12.10.23.
606 肉厚きマダム然たる鶏頭花 鶏頭花 12.10.23.
607 暮れなずむ木道辿り秋惜しむ 秋惜しむ 12.10.23.
608 木道に膝つき接写秋惜しむ 秋惜しむ 12.10.23.
609 木道に散る葉手に受け秋惜しむ 秋惜しむ 12.10.23.
610 雨戸閉めつ夜寒の月を見上げけり 夜寒 12.10.23.
611 エアコンの暖房試す夜寒かな 夜寒 12.10.24.
612 行く秋を膝痛の出てうべなへり 行く秋 12.10.24.
613 健気なり深紅絶やさぬ秋の薔薇 12.10.24.
614 秋の朝夜来の雨を拭ふ風 秋の朝 12.10.24.
615 秋冷の洗顔の水やや温し 秋冷 12.10.24.
616 秋風の頬撫ぜてゆく畑仕事 秋風 12.10.24.
617 秋風を身に纏ひつつ野良仕事 秋風 12.10.24.
618 秋の風ことりことりと戸を鳴らす 秋の風 12.10.24.
619 大き葉を吹き飛ばさんと芋嵐 芋嵐 12.10.24.
620 大き葉の首振り耐へる芋嵐 芋嵐 12.10.24.
621 窪の露揺れても落ちぬ芋嵐 芋嵐 12.10.25.
622 池の水澄みて魚影の動かざる 水澄む 12.10.25.
623 片口に菊を浮かべて独り酒 12.10.25.
624 新蕎麦や表示小さく中国産 新蕎麦 12.10.25.
625 人が人貶めるとは秋寂し 12.10.25.
626 書を閉じて寝に行く耳に鉦叩 鉦叩 12.10.25.
627 秋雨や終日暗き日となれり 秋雨 12.10.25.
628 秋霖と書きて眺むる窓の外 秋霖 12.10.25.
629 秋霖やときに音立つ降りとなり 秋霖 12.10.25.
630 桜紅葉他に範しめすごとく染む 桜紅葉 12.10.25.
631 草の絮バスの車内をゆらゆらと 草の絮 12.10.26.
632 迷ひつつ択一で間引く子大根 間引菜 12.10.26.
633 黄金に染まる汚染田泡立草 背高泡立草 12.10.26.
634 汚染田を黄金一色泡立草 背高泡立草 12.10.26.
635 汚染田を黄金に染めし泡立草 背高泡立草 12.10.26.
636 汚染田の黄金悲し泡立草 背高泡立草 12.10.26.
637 汚染田を覆ふ黄金の泡立草 背高泡立草 12.10.26.
638 草の花ただ色々にいろいろに 草の花 12.10.26.
639 落葉食み弾けば丸く団子虫 落葉 12.10.26.
640 廃線路自ずと知らす鉄道草 鉄道草 12.10.26.
641 廃線路鉄道草に導かれ 鉄道草 12.10.27.
642 廃線路辿るを助け鉄道草 鉄道草 12.10.27.
643 鴉やめ湯にどっぷりと夜寒かな 夜寒 12.10.27.
644 しみじみと湯船に浸る夜寒かな 夜寒 12.10.27.
645 枯れ草に姿くらまし杜鵑草 杜鵑草(ほととぎす) 12.10.27.
646 立ち枯れて香り立ち初む藤袴 藤袴 12.10.27.
647 枯れてこそ芳香いずる藤袴 藤袴 12.10.27.
648 葉も茎も枯れて馨し藤袴 藤袴 12.10.27.
649 末枯(うらが)れてほのと香るや藤袴 藤袴 12.10.27.
650 もそもそともやし頭の藤袴 藤袴 12.10.27.
651 茫然ともやし頭の藤袴 藤袴 12.10.28.
652 供花筒に藤袴挿す墓のあり 藤袴 12.10.28.
653 陽光のす枯れて寂し藤袴 藤袴 12.10.28.
654 撫子やジズアピンクと習ひ初む 撫子 12.10.28.
655 釣鐘人参魔法をかけて鳴らしたし 釣鐘人参 12.10.28.
656 竜胆とけふまた意表を突く出逢い 竜胆 12.10.28.
657 笹竜胆花弁に斑ありお洒落なり 竜胆 12.10.28.
658 余命想ひ辿る山路の笹竜胆 竜胆 12.10.28.
659 昂然と天を仰ぎて咲く竜胆 竜胆 12.10.28.
660 廃村の午後の日差しに笹竜胆 竜胆 12.10.28.
661 急く山道なれど足止む蔓竜胆 竜胆 12.10.29.
662 ほのとせし香こそ愛でらる藤袴 藤袴 12.10.29.
663 目立たねど好かるる人や藤袴 藤袴 12.10.29.
664 花びらを持たぬ花なり吾亦紅 吾亦紅 12.10.29.
665 お辞儀したままで日を浴ぶ吾亦紅 吾亦紅 12.10.29.
666 夜長に読む古事記の神々いとをかし 夜長 12.10.29.
667 秋の夜も古事記の神の名も長し 秋の夜 12.10.29.
668 肌寒や木々静々と濡らす雨 肌寒 12.10.29.
669 肌寒のこころも寒く外は雨 肌寒 12.10.29.
670 肌寒やセーター着ても落着かず 肌寒 12.10.29.
671 葉の陰に柿の色づき始めたり 12.10.30.
672 葉隠れに柿の灯火の増えにけり 12.10.30.
673 野葡萄の色てんでんに競ひをり 野葡萄 12.10.30.
674 貴船菊菊の名を持つ異端花 貴船菊、秀明菊 12.10.30.
675 貴船菊名も花弁も擬(もどき)とは
キク科キク属ではなくキンポウゲ科イチリンソウ属。花弁に見えるのは、萼片。
貴船菊 12.10.30.
676 貴船菊名も花弁も擬(もどき)なり 貴船菊 12.10.30.
677 久々に茶を立ててゐる秋の午後 12.10.30.
678 近頃は遊び心の案山子かな 案山子 12.10.30.
679 人気なき稲田に響く鳥威 鳥威 12.10.30.
680 CDのきらりきらりと鳥威 鳥威 12.10.30.
681 新酒まず冷でやり次温酒で 新酒、温酒 12.10.31.
682 汚染田の泡立草や秋の蜂 秋の蜂 12.10.31.
683 妻黒の翅ささくれて十月尽 十月尽 12.10.31.
684 ざりがにを釣る児らの声秋茜 秋茜 12.10.31.
685 舫はれし朽舟のあり秋惜む 秋惜む 12.10.31.
686 古利根に舫ふ朽舟秋惜しむ 秋惜む 12.10.31.
687 羽根布団被りて温し十月尽 十月尽 12.10.31.
688 紅葉且つ散る神の池静もれり 紅葉且つ散る 12.10.31.
689 残菊や花弁欠けしもの目立つ 残菊 12.10.31.
690 葉と競ふ錦木の実の朱や眩し 錦木 12.10.31.
691 山道や姥捨てならぬ紅葉狩 紅葉狩 12.11.1.
692 ロープウエイ雑木紅葉の切通し 雑木紅葉 12.11.1.
693 赤き球寄りて玉なす実蔓 実蔓、美男蔓 12.11.1.
694 ルビーの玉ひと固まりに実蔓 実蔓、美男蔓 12.11.1.
695 藁塚の影伸ばしゆく入日かな 藁塚 12.11.1.
696 池の水底まで澄みて冬近し 冬近し 12.11.1.
697 鰯だって空泳ぎたく御座候 鰯雲 12.11.1.
698 紅葉狩り五七五の迷路ゆく 紅葉狩り 12.11.1.
699 池の面を背で割る鯉や十月尽 十月尽 12.11.1.
700 幼逝の弟妹恋し秋茜 秋茜 12.11.1.
701 唐辛子艶失はず干されけり 唐辛子 12.11.2.
702 物寂し冬に入りたる十一月 十一月 12.11.2.
703 根深汁啜ればすでに季の替り 根深汁 12.11.2.
704 人気なき朽家の庭の大芒 12.11.2.
705 ちゃんちゃんこ早や着て通る散歩犬 ちゃんちゃんこ 12.11.2.
706 花八手愛でられずとも逞しく 花八手 12.11.2.
707 紋白の交尾見守り十月尽 十月尽 12.11.2.
708 無防備に交尾の蝶や鰯雲 鰯雲 12.11.2.
709 身を曝し命の交尾秋の蝶 秋の蝶 12.11.2.
710 汚染田や稲に代わりし泡立草 泡立草 12.11.2.
711 秋深く冬もちらちら十一月 秋深し、冬、十一月 秋、冬 12.11.3.
712 菜畑に十一月の蝶舞へり 十一月 12.11.3.
713 焚火などもってのほかといふ時代 焚火 12.11.3.
714 神木も落葉はだめと切らる枝 落葉 12.11.3.
715 焼藷はレンジでチンの時代なり 焼藷 12.11.3.
716 きょうからは冬晴と呼ぶ十一月 冬晴 12.11.3.
717 寒鴉枝一つ降り品定め 寒鴉 12.11.3.
718 点け初めの暖房温し達磨の忌 達磨忌 12.11.3.
719 冬晴や尼僧の部屋の三面鏡 冬晴 12.11.3.
720 寒暁の警策響く座禅堂 寒暁 12.11.3.
721 剃り跡の青き尼僧の足袋白し 足袋 12.11.4.
722 堂守の作務衣の尼僧落葉焚く 落葉焚き 12.11.4.
723 門跡の頭剃り上げぐ冬隣 冬隣 12.11.4.
724 僧形の女人も混じる秋遍路 秋遍路 12.11.4.
725 風呂吹を合掌して食む老尼の膳 風呂吹き大根 12.11.4.
726 尾羽打つジャズの乗りなり黄鶺鴒 鶺鴒 12.11.4.
727 ひょうきんに尾羽打ちつく黄鶺鴒 鶺鴒 12.11.4.
728 尾羽打つジャズの乗りなり黄鶺鴒 鶺鴒 12.11.4.
729 門跡の頭剃り上げぐ冬隣 冬隣 12.11.4.
730 秋茄子の茎打ち払ひ十月尽 秋茄子・十月尽 12.11.4.
731 秋茄子の茎打ち払ひ冬隣 秋茄子・冬隣 12.11.5.
732 雲もなき天見上ぐれば冬霞 冬霞 12.11.5.
733 雲も無く音もなき空冬霞 冬霞 12.11.5.
734 木枯や美人美男もされこうべ 木枯 12.11.5.
735 木枯や涙ひと筋されこうべ 木枯 12.11.5.
736 卒塔婆の立枯れる墓冬隣 冬隣 12.11.5.
737 木枯やかたりことりと鳴る卒塔婆 木枯 12.11.5.
738 食卓に湯気立ち上る根深汁 根深汁 12.11.5.
739 ボジョレーを干して椀取る根深汁 根深汁 12.11.5.
740 ふうふうと湯気払いつつ根深汁 根深汁 12.11.5.
741 柔らかき実を箸で追ふ蕪汁 蕪汁 12.11.6.
742 粕汁で顔上気させ下戸の妻 粕汁 12.11.6.
743 風呂吹や味噌で気のつく蕪の味 風呂吹き 12.11.6.
744 煮凝に隠れし骨を噛み当てり 煮凝 12.11.6.
745 大火鉢場所を移して庭の池  火鉢 12.11.6.
746 大火鉢変じていまは庭の池 火鉢 12.11.6.
747 エコロジー焚火嫌はる時代かな 焚火 12.11.6.
748 落葉焚知らぬ子歌ふ落葉焚 落葉焚 12.11.6.
749 猫のボスのたりと伸びて日向ぼこ 日向ぼこ 12.11.6.
750 日向ぼこする猫を見つ日向ぼこ 日向ぼこ 12.11.6.
751 首のばし引けと促す大根畑 大根引 12.11.7.
752 九条ねぎ畑の浅黄の整然と 12.11.7.
753 冬うらら何をするにもどっこいしょ 12.11.7.
754 毛皮着てちゃんちゃんこ着る散歩犬 ちゃんちゃんこ 12.11.7.
755 散歩犬毛皮の上にちゃんちゃんこ ちゃんちゃんこ 12.11.7.
756 このごろは犬が着るなりちゃんちゃんこ ちゃんちゃんこ 12.11.7.
757 冬立ちてちゃんちゃんこ犬増えにけり ちゃんちゃんこ 12.11.7.
758 賃餅を四角四角に切りし父 賃餅 12.11.7.
759 霰餅ぷくりぷくりと膨れ出す 霰餅 12.11.7.
760 餅つきと言へるかどうか餅つき器 餅つき 12.11.7.
761 湯上りやたちまち乾く木の葉髪 木の葉髪 12.11.8.
762 老斑の浮かぶ手を見る寒夜かな 寒夜 12.11.8.
763 年寄りが近づき来るや鏡なり 無季 12.11.8.
764 飴色に母思い出す大根焚 大根焚 12.11.8.
765 仏吐く阿弥陀聖や空也の忌 空也忌 12.11.8.
766 冬眠と呼ばぬ熊なら吾も熊 冬眠 12.11.8.
767 葉の陰にどきりと赤し実葛 実葛も実 12.11.8.
768 味噌だれにつと転がして衣被 衣被 12.11.8.
769 つるっとしてほくほくとして衣被 衣被 12.11.8.
770 鼻毛まで白髪の増へし達磨の忌 達磨忌 12.11.8.
771 ずいき汁遠く懐かし母の味 ずいき 12.11.9.
772 煮びたしのずきいき受け取るカウンター ずいき 12.11.9.
773 芋がらの煮びたしが出る馴染客 芋がら 12.11.9.
774 婿さんの実家から来る餅丸し 12.11.9.
775 賃餅を四角四角に切りし父 賃餅 12.11.9.
776 霰餅ぷくりぷくりと膨れ出す 霰餅 12.11.9.
777 搗き立ての温さうれしい臼端餅 12.11.9.
778 搗き立てをひょいと一口臼端餅 12.11.9.
779 返し手の母の味する臼端餅 12.11.9.
780 返し手の母のくれたる臼端餅 12.11.9.
781 切る手間を惜しみて寂しパック餅 12.11.10.
782 切餅や包丁いらぬパック餅 12.11.10.
783 賃餅の呼び名廃るやパック餅 12.11.10.
784 賃餅の切る手間もなしパック餅 12.11.10.
785 賃餅の切る手間惜しむパック餅 12.11.10.
786 餅つきと言へるかどうか餅つき器 餅搗 12.11.10.
787 杵上げしその一瞬の返しの手 12.11.10.
788 リズミカル杵三本の臼弾む 12.11.10.
789 冬うらら空あくまでも青くして 冬麗 12.11.10.
790 枯菊の影を露はに西日さす 枯菊 12.11.10.
791 枯菊の影を伸ばして西日さす) 枯菊 12.11.11.
792 枯菊にご苦労さんと過ぎにけり 枯菊 12.11.11.
793 枯菊のうち払はれて影も消ゆ 枯菊 12.11.11.
794 枯菊になほ蜜吸ひの虫の影 枯菊 12.11.11.
795 枯菊に片足上げる散歩犬 枯菊 12.11.11.
796 枯菊を抜く園丁の無表情 枯菊 12.11.11.
797 枯庭に竹打つ響き澄みにけり 枯庭 12.11.11.
798 ゆるキャラの案山子の並ぶ農業祭 案山子 12.11.11.
799 ちゃんちゃんこ着た散歩犬くしゃみせり ちゃんちゃんこ 12.11.11.
800 寝ぐせ毛のいつしか木の葉髪となり 木の葉髪 12.11.11.
801 爺と言はず十夜婆なり南無阿弥陀仏 十夜婆 12.11.12.
802 竜の玉嗅いで尿する散歩犬 竜の玉 12.11.12.
803 熱燗の腹に浸み行く速きこと 熱燗 12.11.12.
804 つぎ足しで味薄くなる蕎麦湯かな 蕎麦湯 12.11.12.
805 狂ひ咲き花には花の事情秘め 狂ひ咲き 12.11.12.
806 狂ひ咲きならぬ花期なり冬桜 狂ひ咲き 12.11.12.
807 冬桜咲けば蜜吸ふ虫も出ず 冬桜 12.11.12.
808 遍路道足止めて見る帰り花 帰り花 12.11.12.
809 目の端に入れて過ぎ行く枯すすき 枯芒 12.11.12.
810 宿坊の膳にお慈悲のビール来る 12.11.12.
811 冬遍路慈悲のビールの出し宿坊 12.11.13.
812 寄る辺なき水の上なり浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
813 鯉の背に腹擦られて浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
814 夢うつつ日向に移る浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
815 ふと覚めてまた眠りゐる浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
816 雲抜けし月に浮寝の鳥の影 浮寝鳥 12.11.13.
817 首曲げて夢をむさぼる浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
818 親も子も夢路辿るや浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
819 堀の央心放ちて浮寝鳥 浮寝鳥 12.11.13.
820 雪吊の縄張る鯔背男前 雪吊 12.11.13.
821 雪吊の縄緩みなく張られけり 雪吊 12.11.14.
822 雪吊や裾輪の傾ぎさり気なく 雪吊 12.11.14.
823 笠被る乙女の鈴や冬遍路 12.11.14.
824 笠被る若き女人の冬遍路 12.11.14.
825 宿坊で鰹のたたき冬遍路 12.11.14.
826 無患子(むくろじ)を拾ふ札所や冬うらら 冬うらら 12.11.14.
827 鰭酒や注ぎ足す徳利並びをり 鰭酒 12.11.14.
828 お大師の巨像立つ山冬紅葉 冬紅葉 12.11.14.
829 老いらくの恋も燃え立つ冬紅葉 冬紅葉 12.11.14.
830 冬の宿貝汁うまし子規の里 12.11.14.
831 幹生えの一葉の楓紅衣 12.11.15.
832 帰り花蜜滲ませて虫待てり 帰り花 12.11.15.
833 老ひてなほ花蜜吸ふや冬の蜂 冬の蜂 12.11.15.
834 城跡の崖に寄添ふ帰り花 帰り花 12.11.15.
835 鍋果てて一文字散らす粥うまし 一文字、葱、葉葱 12.11.15.
836 交尾終へ命果てなん冬の蜂 冬の蜂 12.11.15.
837 浜名湖を金色に染め冬入日 冬入日 12.11.15.
838 柔らかき乳首吸ひゐる冬仔かな 12.11.15.
839 刈り込まれ冬日に静か茶の畑 冬日 12.11.15.
840 乳首噛みまた吸ひ直す冬仔かな 12.11.15.
841 入相に淡き姿や冬の富士 12.11.16.
842 冬うらら瀬戸大橋はうつらの間 冬うらら 12.11.16.
843 舗装路の深紅の一葉冬紅葉 冬紅葉 12.11.16.
844 道の端に小栴檀草冬へんろ 12.11.16.
845 お訴へ師走選挙の姦しく(西東京は幾サロン兼題) 師走 12.11.16.
846 山茶花のひと片ついと散りにけり 山茶花 12.11.16.
847 冬晴れや高野箒の影一輪 冬晴れ 12.11.16.
848 心経の若き女声や冬の寺 12.11.16.
849 車窓から大歩危小歩危冬うらら 冬うらら 12.11.16.
850 散る紅葉背に経あぐる遍路の僧 散紅葉 12.11.16.
851 りんりんと鈴鳴る堂や紅葉散る 散紅葉 12.11.17.
852 お遍路の笠に二枚の散紅葉 散紅葉 12.11.17.
853 冬うらら四万十川を串刺しに 冬うらら 12.11.17.
854 冬うらら四万十の色空の青 冬うらら 12.11.17.
855 寒灯のじじじと鳴りて路地昏し 寒灯 12.11.17.
856 濡れ落葉遍路の笠に貼り付けり 落葉 12.11.17.
857 君嫌ふ俳女もあるや石蕗の花 石蕗の花 12.11.17.
858 急斜面沖を見つめて石蕗の花 石蕗の花 12.11.17.
859 光呼び健気に咲けり石蕗の花 石蕗の花 12.11.17.
860 日溜りに石蕗の花笑む札所かな 石蕗の花 12.11.17.
861 浮寝鳥足冷たくはなからんか 12.11.18.
862 だんまりの姿またよし石蕗の花
(三橋鷹女:つはぶきはだんまりの花嫌ひな花)
石蕗の花 12.11.18.
863 じっとして動き給ふな石蕗の花 石蕗の花 12.11.18.
864 冬入日背に吾影の長く伸び 石蕗の花 12.11.18.
865 冬入日背に歩む吾影長し 石蕗の花 12.11.18.
866 唇に山茶花の花こそばゆし 山茶花 12.11.18.
867 散る紅葉般若経読む遍路の僧 散紅葉 12.11.18.
868 四国路を鉄道の旅冬うらら 冬うらら 12.11.18.
869 女人遍路白衣(びゃくえ)の背なに紅葉散る 紅葉散る 12.11.18.
870 四季咲きの薔薇赤々と達磨の忌 達磨忌 12.11.18.
872 冬うらら雲なき空に余命問ふ 冬うらら 12.11.19.
873 ポットから花壇に移し冬菫 冬菫 12.11.19.
874 西日受け赤い実見せる藪柑子 藪柑子 12.11.19.
875 午後の日に炙り出されて藪柑子 藪柑子 12.11.19.
876 葉の陰で煌めくものは藪柑子 藪柑子 12.11.19.
877 葉の陰に西日が伸びて藪柑子 藪柑子 12.11.19.
878 諦めを悟りに換えて冬遍路 冬遍路 12.11.19.
879 鰭酒にたちまち並ぶ赤い顔 鰭酒 12.11.19.
880 鰭酒や注ぎ足す徳利二本とし 鰭酒 12.11.19.
881 河豚刺しをさっと攫ひし食仇 河豚 12.11.20.
882 お互ひに脅し合いつつ河豚の会 河豚 12.11.20.
883 宿坊で皿鉢料理や冬遍路 冬遍路 12.11.20.
884 舌鼓打たずに呑めよ鰭の酒 鰭酒 12.11.20.
885 舌焦がす熱燗がよし鰭の酒 鰭酒 12.11.20.
886 焦げ浮かぶ熱燗啜り鰭の酒 鰭酒 12.11.20.
887 マスク取りマスクの形赤ら顔 マスク 12.11.20.
888 同意書を取らず食はせる河豚料理 河豚 12.11.20.
889 手袋を脱ぎて冷たき手を頬に 手袋 12.11.20.
890 宿坊の湯に浸かりつつ般若経 12.11.20.
891 冬うらら四万十川の荒れる日も 冬うらら 12.11.21.
892 牡蠣鍋の最後を仕切る牡蠣雑炊 牡蠣鍋 12.11.21.
893 このわたでちびりちびりとひとり酒 このわた 12.11.21.
894 高野箒花可憐なり名は無粋 12.11.21.
895 吾死す日知らぬが仏冬うらら 冬うらら 12.11.21.
896 コンビニのおでんを選ぶ二人連れ おでん 12.11.21.
897 コンビニで夜更けの客が買ふおでん おでん 12.11.21.
898 レジ脇にコンビニ客を待つおでん おでん 12.11.21.
899 コンビニの湯気のほのかにおでん鍋 おでん 12.11.21.
900 コンビニでおでん誂ふ純と愛 おでん 12.11.21.
901 コンビニでおでん買ひゆく老夫婦 おでん 12.11.22.
902 コンビニでおでんがレジにある理由 おでん 12.11.22.
903 コンビニのお助け売り場おでん鍋 おでん 12.11.22.
904 氷壁の裏で音する凍滝 凍滝 12.11.22.
905 氷壁の裏で秘めやか凍滝 凍滝 12.11.22.
906 冬木の芽命を繋ぐ気迫あり 冬木の芽 12.11.22.
907 予土線のトイレ停車や冬うらら 冬うらら 12.11.22.
908 おしっこと告げて停車の無人駅 無季 12.11.22.
909 雉撃ちと告げて停車の無人駅 無季 12.11.22.
910 花摘みと告げて用たす無人駅 無季 12.11.22.
911 花摘みを告げて停車の無人駅 無季 12.11.23.
912 悴(かじか)めるこころを解いて一句詠む 凍滝 12.11.23.
913 人と齟齬こころ悴む帰り道 凍滝 12.11.23.
914 小春日をガラス戸越しに打つパソコン 小春日 12.11.23.
915 小春日やガラス戸越しに温みをり 小春日 12.11.23.
916 暖止めてガラス戸越しの日向ぼこ 日向ぼこ 12.11.23.
917 柔らかき湯たんぽ誘ふ夢路かな 湯たんぽ 12.11.23.
918 湯たんぽに触れし足から夢に入る 湯たんぽ 12.11.23.
919 朝残るたんぽの温みほのぼのと 湯たんぽ 12.11.23.
920 木守りの花梨転がし雨あがる 木守る 12.11.23.
921 庫に風かすかに流れ寒林檎 寒林檎 12.11.24.
922 庫埋めて出を待つ赤き寒林檎 寒林檎 12.11.24.
923 鰭酒の仕上げにそっと柿の皿 鰭酒 12.11.24.
924 枯萩に早よ刈り取れと促され 枯萩 12.11.24.
925 みそさざいぴょろぴょろぴりり鳴き去りぬ みそさざい 12.11.24.
926 みそさざい多彩な鳴き音雨戸越し みそさざい 12.11.24.
927 みそさざいじゅげむじゅげむのごとく鳴く みそさざい 12.11.24.
928 だんまりの姿毅然と石蕗の花 石蕗 12.11.24.
929 紙マスクする人増へて冬めける 冬めく 12.11.24.
930 池の水ひと際澄みて冬めけり 冬めく 12.11.24.
931 しぐるるや太陽灯も暗きまま 時雨 12.11.25.
932 小春とはいい女風日和かな 小春日和 12.11.25.
933 茶の花の白黄ばませる雄蕊かな 茶の花 12.11.25.
934 帰り花気づかぬ人は気づかずに 帰り花 12.11.25.
935 山茶花の花数増へて散る数も 山茶花 12.11.25.
936 大根引き終はりて深き穴の列 大根引 12.11.25.
937 大根引き終はりて深き穴残る 大根引 12.11.25.
938 大根引き終はりて覗く穴深し 大根引 12.11.25.
939 日蓮寺ほー法華経と経読鳥
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
経読鳥 12.11.25.
940 山里の人気なき昼初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.25.
941 けきょけきょと喉がつかへてほーが出ず
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
12.11.26.
942 見上げても姿は見へず初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
943 手習いの半ばぞけきょと初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
944 丘陵のトトロも眼覚む初音かな
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
945 木々仰ぎ姿は見へず初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
946 木々仰ぎ姿は知らず初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
947 鶯餅食らわんとして初音聞く
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
948 庭の木に鶯来れど鳴かず去る
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
12.11.26.
949 ほーほけきょ鳴き切って去る初音かな
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.26.
950 経を読む春告鳥や瀬音して
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
春告鳥 12.11.26.
951 鶯の鳴き音を聞きつ山路ゆく
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
12.11.27.
952 初音にも出来不出来あり過疎の里
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
初音 12.11.27.
953 鶯ののんびりと鳴く日の出山
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
12.11.27.
954 鶯の鳴き音に巧拙ありぬべし
「春耕」2月号課題詠「鶯・鶯の初音・春告鳥」用句
12.11.27.
955 洗はれつ大根のふと恥じらへり 大根 12.11.27.
956 不条理に神の意思あり枯芙蓉 枯芙蓉 12.11.27.
957 生きていこ一言そっと石蕗の花 石蕗の花 12.11.27.
958 凍滝の裏秘めやかに水の音 凍滝 12.11.27.
959 残照に火焔と紛ふ紅葉かな 紅葉 12.11.27.
960 火の粉舞ふ火竜となりし紅葉かな 紅葉 12.11.27.
961 暫と見得切る火焔紅葉かな 紅葉 12.11.28.
962 百万の朱広げたる紅葉かな 紅葉 12.11.28.
963 黄落を止める気もなく大公孫樹 黄落 12.11.28.
964 黄落や地を金張りに大公孫樹 黄落 12.11.28.
965 いちょう落葉走るなよ滑るべし 落葉 12.11.28.
966 黄落の時雨ぞなもし大公孫樹 黄落 12.11.28.
967 黄落の砂時計なり大公孫樹 黄落 12.11.28.
968 靴の底ふわりと載せて落葉道 落葉 12.11.28.
969 靴裏を葉がリレーする落葉道 落葉 12.11.28.
970 靴底のふわりふわりと落葉道 落葉 12.11.28.
971 靴底のふわりふわりと落葉踏み 落葉 12.11.29.
972 ジョッガーの飛ぶごとく行く落葉道 落葉 12.11.29.
973 落葉道ひと葉混じりし散紅葉 落葉・散紅葉 12.11.29.
974 黄金の絨毯となる落葉道 落葉 12.11.29.
975 散歩犬落葉掻き揚げ用足せり 落葉 12.11.29.
976 にぎやかに落葉蹴り上げ下校の児 落葉 12.11.29.
977 木枯や破れ蜘蛛の巣吹き抜けり 木枯 12.11.29.
978 無患子やふぐりに似たる金の玉 無患子 12.11.29.
979 手洗ひの済むまで停車冬うらら(JR四国予土線) 冬うらら 12.11.29.
980 冬枯れて屋根まで下りし鉛空 冬枯れ 12.11.29.
981 路地までも下りてきたるや鉛空 12.11.30.
982 うらら日と天と地の差の鉛空 うらら日 12.11.30.
983 枕元過る予土線冬へんろ 冬へんろ 12.11.30.
984 冬うらら予土線走る札所裏 冬うらら 12.11.30.
985 予土線停め用足す遍路冬うらら 冬うらら 12.11.30.
986 予土線や用足す停車冬の旅 12.11.30.
987 干からびてなほ串刺しの鵙の贄 12.11.30.
988 いちょう落葉君走るなよ滑るなよ 落葉 12.11.30.
989 鰭切られ内臓抜かれ削がる河豚 河豚 12.11.30.
990 ふぐ刺しや大皿飾る花模様 ふぐ刺し 12.11.30.
991 ふぐ刺しや大皿に描く花模様 ふぐ刺し 12.12.1.
992 薄いほど客に褒めらるテッサかな テッサ=ふぐ刺し 12.12.1.
993 虎河豚や提灯にされふくれっ面 河豚 12.12.1.
994 河豚提灯ふくれっ面のおちょぼ口 河豚 12.12.1.
995 ふぐ提灯風につつかれ右左 河豚 12.12.1.
996 身を食はれ皮で虚勢の河豚の面 河豚 12.12.1.
997 蕎麦焼酎そば湯で割って蕎麦屋酒 蕎麦 12.12.1.
998 土に浮き人呼んでゐる赤蕪 12.12.1.
999 赤蕪穫り入れ楽しひょいひょいと 12.12.1.
1000 穫り入れは拾ふがごとく赤蕪 12.12.1.



♪BGM:Chopin[Nocturne8]arranged by Pian♪

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