鈴童の遊び
一日十句を千句詠む
(第1回)


No. 季語 作句日
大文字の割木も駄目と被災松 大文字 (11.8.10.)
送り火の汚染騒ぎや五山泣く 送り火 (11.8.10.)
被災松迎えて燃えよ大文字 大文字 (11.8.10.)
被災松迎えて送る大文字 大文字 (11.8.10.)
初蝉のじじっと鳴いて逃げにけり (11.8.10.)
凌霄(のうぜん)や照る日曇る日目立ち咲く 凌霄花 (11.8.10.)
凌霄の仇な女のごとく咲く 凌霄花 (11.8.10.)
凌霄や肉感的に群れ咲けり 凌霄花 (11.8.10.)
青虫の可愛くもあり無気味なり 青虫 (11.8.10.)
10 青虫をさっと踏む人できぬわれ 青虫 (11.8.10.)
11 青虫を足踏みかねて笑われる 青虫 (11.8.11.)
12 青虫に戸惑ふを見て友が踏む 青虫 (11.8.11.)
13 ベランダの腹上にせし骸(むくろ)蝉 (11.8.11.)
14 庭の蝉今朝もじじっと逃げにけり (11.8.11.)
15 池の藻に枯葉のごとく骸蝶 (11.8.11.)
16 骸蝉早くも蝟集蟻の群れ (11.8.11.)
17 虚脱する大人の中で終戦日 終戦日 (11.8.11.)
18 玉音の甲高き声終戦日 終戦日 (11.8.11.)
19 水遣りで気付けば諸処に灸花(やいとばな) 灸花 (11.8.11.)
20 蔓伸ばすへくそ葛のおちょぼ口 屁糞葛 (11.8.11.)
21 蝉時雨聞く日もなしに鰯雲
鰯雲 (11.8.12.)
22 朝鳥の小枝飛び立ち露時雨 露時雨 (11.8.12.)
23 朝鳥の塒飛び立つ露時雨 露時雨 (11.8.12.)
24 亀虫の顔写しおり露の玉 (11.8.12.)
25 泥鰌鍋ビールで喉を冷ましつつ 泥鰌鍋 (11.8.12.)
26 泥鰌鍋丸もたちまち牛蒡の陰 泥鰌鍋 (11.8.12.)
27 どじょう汁箸でめっけて喰らうなり どじょう汁 (11.8.12.)
28 どぜう鍋食う間も煮立つ気ぜわしさ 泥鰌鍋 (11.8.12.)
29 どぜう鍋丸の小骨のちくちくと
泥鰌鍋 (11.8.12.)
30 孫鉄は鈍行で行く夏休み 夏休み (11.8.12.)
31 法師蝉の初音聞こえし終戦日 終戦日 (11.8.15.)
32 法師蝉鳴いて今日は終戦日 終戦日 (11.8.15.)
33 法師蝉気ぜわしく鳴く終戦日 終戦日 (11.8.15.)
34 炎天を照り返し咲く舌切草(したきそう) 炎天 (11.8.15.)
35 猛暑日や芳香放つ舌切草 猛暑 (11.8.15.)
36 ジャスミンと芳香紛う舌切草 (11.8.15.)
37 灸花(やいとばな)貼り付く荒れ家熱かりき 灸花 (11.8.15.)
38 濃い美女の暑きに似たる舌切草 (11.8.15.)
39 舟漕ぎつ夢路に辿る秋遍路 秋遍路 (11.8.15.)
40 うつらうつら夢路に辿る秋へんろ 秋遍路 (11.8.15.)
41 秋蒔きに堆肥も買へぬ原発禍 秋蒔き (11.8.16.)
42 死の灰の広がり憂ふ稲の穫り入れ (11.8.16.)
43 凌霄花揺れしと見れど不動なり 凌霄花 (11.8.16.)
44 凌霄花風なきままにきょうは処暑 凌霄花 (11.8.16.)
45 羅(うすもの)のカーテン揺れて処暑の風 処暑 (11.8.16.)
46 羅のカーテン揺らす処暑の風 処暑 (11.8.16.)
47 しとしとと調べも変り処暑の雨 処暑 (11.8.16.)
48 節電の夏名を売りしごーやかな ごーや (11.8.16.)
49 ずずずっといなせが喰らう心太(ところてん) 心太 (11.8.16.)
50 苦瓜に食傷したり活け簾 (11.8.16.)
51 苦瓜のごろごろとある簾かな (11.8.17.)
52 苦瓜のごろごろと生るエコ簾 (11.8.17.)
53 苦瓜のごろごろ下がる簾かな (11.8.17.)
54 苦瓜のぶら下がりおり活け簾 (11.8.17.)
55 エコカーテンもいで食らいしごーやかな ごーや (11.8.17.)
56 里芋の葉はウッドスットックあぶらむし 里芋 (11.8.17.)
57 鴉なぜお前はいつも嫌われる (11.8.17.)
58 一夜明け濡れて萎める月見草 月見草 (11.8.17.)
59 夜果てて濡れて萎める月見草 月見草 (11.8.17.)
60 丑三つのことりことりと冷蔵庫 冷蔵庫 (11.8.17.)
61 朝露に赤く恥じ入る酔芙蓉 芙蓉 (11.8.18.)
62 蚰蜒(げじ)蚯蚓慌てふためく畑起こし 蚯蚓 (11.8.18.)
63 風雲の急に動ぜず韮の花 韮の花 (11.8.18.)
64 十薬や庭埋め尽くす十字花 十薬 (11.8.18.)
65 乙女の胸触れて閉じたる含羞草(おじぎそう) 含羞草 (11.8.18.)
66 神様がレース編みする烏瓜 烏瓜 (11.8.18.)
67 畑では目の敵なるすべりひゆ すべりひゆ (11.8.18.)
68 嫁のためなお実を付けよ茄子の花 茄子 (11.8.18.)
69 夏薊路傍に矜持失わず 夏薊 (11.8.18.)
70 ままごとの赤飯懐かし赤まんま 赤まんま (11.8.18.)
71 一日を限りに咲けりさぼてんの花 さぼてん (11.8.19.)
72 儚くも一日を限りさぼてん咲く さぼてん (11.8.19.)
73 羅の花弁重ねて咲くさぼてん さぼてん (11.8.19.)
74 玉簾ほそ葉を揺らす処暑の風 玉簾 (11.8.19.)
75 玉すだれ見上げる空に鰯雲 鰯雲 (11.8.19.)
76 揃い立ち誰迎えるや玉すだれ 玉簾 (11.8.19.)
77 けふもまた残暑お見舞い凌霄花(のうぜんか) 凌霄花 (11.8.19.)
78 花色の暑さ掻き立つ凌霄花 凌霄花 (11.8.19.)
79 水引や紅い雫のごとき花(11.8.31.) 水引 (11.8.19.)
80 群れ咲けば目立つと知るか玉すだれ 玉簾 (11.8.19.)
81 鈍足の雨台風に沈む町 台風 (11.8.20.)
82 耳鳴りか耳を澄ませば螻蛄(おけら)鳴く おけら鳴く (11.8.20.)
83 塾終えて無月の道を走る子ら 無月 (11.8.20.)
84 油虫五万を揺らす芋嵐 芋嵐 (11.8.20.)
85 衣被(きぬかつぎ)つるりと剥いて食らいけり 衣被 (11.8.20.)
86 秋の蝶わが頬に触れ飛び去りぬ 秋の蝶 (11.8.20.)
87 秋の蚊の腕に止まるを吹いて追い (11.8.20.)
88 引っ張れば素直に抜けり藪枯らし 藪枯らし (11.8.20.)
89 溝蕎麦の淡き紅色瀬音聞く 溝蕎麦 (11.8.20.)
90 水引草カメラに霞む紅小花 水引草 (11.8.20.)
91 七つの子流るる空や秋夕焼け 秋夕焼け (11.8.21.)
92 逝く夏が隠れていたり納屋の中 逝く夏 (11.8.21.)
93 風一陣網戸に止まる秋の蝶 秋の蝶 (11.8.21.)
94 ペットボトルごくりと飲みし秋遍路 秋遍路 (11.8.21.)
95 秋遍路白装束にズック靴 秋遍路 (11.8.21.)
96 白装束乙女二人の秋遍路 秋遍路 (11.8.21.)
97 澄んだ音が峪から昇る秋遍路 秋遍路 (11.8.21.)
98 籠もる場所見失ったか穴惑ひ 穴惑い (11.8.21.)
99 秋燕長途十分気を付けよ 秋燕 (11.8.21.)
100 荒海に呑まれず飛べよ秋燕 秋燕 (11.8.21.)
101 曼珠沙華隠るるごとく咲く一本 曼珠沙華 (11.9.4.)
102 群れ咲いてレンズ集まる曼珠沙華 曼珠沙華 (11.9.4.)
103 鶏頭の軍鶏のごとくに猛々し 鶏頭 (11.9.4.)
104 早稲の香に漲るものの走りたり 早稲 (11.9.4.)
105 秋鯖の切り身厚きを頬張らん(11.9.4.) 秋鯖 (11.9.4.)
106 鰯雲つみれ汁よし刺身よし 鰯雲 (11.9.4.)
107 鰯刺鯵のたたきで呑む今宵 (11.9.4.)
108 鰯雲小さなやつは鯊だろか (11.9.4.)
109 秋鯖の刺身の醤油すぐ濁り 秋鯖 (11.9.4.)
110 草の花束ねて売らる散歩道 草の花 (11.9.4.)
111 山裾に釣舟草の五六艘 釣舟草 (11.9.5.)
112 色重ね凄みの滲む濃りんどう りんどう (11.9.5.)
113 首傾げ肩凝りせぬか秋薊 秋薊 (11.9.5.)
114 秋桜風捉まへて遊びをり 秋桜 (11.9.5.)
115 吾亦紅白昼なれど見え隠れ 吾亦紅 (11.9.5.)
116 猫じやらしけふも揺れつつ子猫待つ 猫じゃらし (11.9.5.)
117 子猫待ち風と遊ぶや猫じやらし 猫じゃらし (11.9.5.)
118 秋の夜や紀伊半島は水浸し 秋の夜 (11.9.5.)
119 パソコンに向かいてけふも夜長かな 夜長 (11.9.5.)
200 網戸抜け夜風の伝ふ秋意かな 秋意 (11.9.6.)
201 花野道犬の散歩の人ひとり 花野 (11.9.6.)
202 秋草の揺れ止まるまで待つ接写 秋草 (11.9.6.)
203 寂しがり芒はいつも群れで揺れ (11.9.6.)
204 撫子や縺れはせぬか縁飾り 撫子 (11.9.6.)
205 撫子の交じり咲きたる花野行く 撫子 (11.9.6.)
206 花桔梗女高師卒の義母偲ぶ 桔梗 (11.9.6.)
207 桔梗咲く楷書のごとき花の色 桔梗 (11.9.6.)
208 女郎花相呼び揺れる男郎花 女郎花 (11.9.6.)
209 草叢に香りで告げる藤袴 藤袴 (11.9.6.)
210 菊芋の花咲き満てる野川ゆく 聞く芋 (11.9.6.)
211 葉も蔓も禍々しきや葛の花 (11.9.7.)
212 葉も枝も縺れ縺れて揺れる萩 (11.9.7.)
213 風の道揺れて目を惹く萩の花 (11.9.7.)
214 葉と交ざり風に遊ぶや萩の花 (11.9.7.)
215 萩の花赤紫の鬼ごっこ (11.9.7.)
216 不意打ちに露ぱらぱらと朝の庭 (11.9.7.)
217 蓑虫や絶滅の危機季語守れ 蓑虫 (11.9.7.)
218 蟷螂の斧に子猫の好奇の目 蟷螂 (11.9.7.)
219 月明に雲行く速さただならず 月明 (11.9.7.)
220 月明や過ぎ行く雲の速きこと 月明 (11.9.7.)
221 満月に街灯一つ消えたまま 満月 (11.9.8.)
222 枝豆の指を舐めつつ酒を飲む 枝豆 (11.9.8.)
223 衣被(きぬかつぎ)塩より醤油で食らわんか 衣被 (11.9.8.)
224 男どもにやりと笑い芋茎(ずいき)むく 芋茎 (11.9.8.)
225 畑作業木陰を抜ける風は秋 (11.9.8.)
226 大根蒔く汗の背中を風過ぎる 大根蒔き (11.9.8.)
227 軽老も楽しからずや敬老の日 敬老の日 (11.9.8.)
228 赤い羽根声を枯らせし少年の日 赤い羽根 (11.9.8.)
229 客去りて更けゆく辻の風の盆 風の盆 (11.9.8.)
230 登高や天守台から江戸想ふ 登高 (11.9.8.)
231 しみじみとほろほろと飲む温め酒 温め酒 (11.9.9.)
232 鳥渡り我も四国へ汽車の旅 鳥渡る (11.9.9.)
233 色鳥の短き声ぞ尉鶲(じょうびたき) 色鳥 (11.9.9.)
234 大鯉の喉奥見ゆる秋の昼 秋の昼 (11.9.9.)
235 蔓穂咲く人気ない道秋の暮 秋の暮 (11.9.9.)
236 草叢の蔓穂も霞む秋の暮れ 秋の暮 (11.9.9.)
237 酔芙蓉萎みて哀れ秋の暮 秋の暮 (11.9.9.)
238 落葉焚く煙りの先の秋気かな 秋気 (11.9.9.)
239 ひややかに胃袋探る内視鏡 冷やか (11.9.9.)
240 秋麗や緋鯉の群れの赤きこと 秋麗 (11.9.9.)
241 秋澄みて蝉の声さえ涼しげに 秋澄む (11.9.10.)
242 秋声に浸りし庭に人の声 秋の声 (11.9.10.)
243 ふんわりと綿を千切りし秋の雲 秋の雲 (11.9.10.)
244 歳時記を開いて月を思い出し (11.9.10.)
245 兼好の月翫(もてあそ)ぶ良夜かな 良夜 (11.9.10.)
246 わが星も星河の中の礫なりき 星河(天の川、銀河) (11.9.10.)
247 秋の蚊の吹き払うたび戻りけり 秋の蚊 (11.9.10.)
248 てんでんに尻尾振りおり猫じゃらし 猫じゃらし (11.9.10.)
249
萎みたる姿は見せぬ蛍草 露草(蛍草) (11.9.10.)
250
露草や藍鮮やかに色仕掛け 露草(蛍草) (11.9.10.)
251 育てずとも庭を飾るや蛍草 露草(蛍草) (11.9.11.)
252 秋の日や金水引の花眩し (11.9.11.)
253 聞こえるや釣鐘人参秋の音 (11.9.11.)
254 青々とエコ簾なる秋簾 秋簾 (11.9.11.)
255 鶏頭や情痴の態で生々し 鶏頭 (11.9.11.)
256 秋の蚊や執念深い奴もいて 秋の蚊 (11.9.11.)
257 秋の蚊や水撒く腕に五六匹 秋の蚊 (11.9.11.)
258 畑作業汗を拭えば鰯雲 鰯雲 (11.9.11.)
259 「取り合えずビール枝豆」と声かけて 枝豆 (11.9.11.)
260 蛇穴や絡まり眠る山楝蛇(やまかがし) 蛇穴 (11.9.11.)
261 秋茄子の小粒ながらも艶々と 秋茄子 (11.9.12.)
262 小紫静かに色を染め始む (11.9.12.)
263 名月や喜怒哀楽の繰り返し 明月 (11.9.12.)
264 ラフランス数日眺め食むルール (11.9.12.)
265 蜉蝣(かげろふ)や交尾で終へる命かな 蜉蝣 (11.9.12.)
266 蟷螂(かまきり)や連れ合い食らふド迫力 蟷螂 (11.9.12.)
267 壁にゐる草蜉蝣(くさかげろう)の薄き影 草蜉蝣 (11.9.12.)
268 秋暑し花虎ノ尾の径をゆく 秋暑 (11.9.12.)
269 水平に野川を下る鬼やんま 蜻蛉 (11.9.12.)
270 明け暮れを蝗(いなご)獲りして終戦に (11.9.12.)
変な駅名の詠み込み30句
271 露寒や降りて思わず和寒(わっさむ)駅
(JR北海道 宗谷本線)
露寒 (11.9.13.)
272 秋の霜前髪あれど後ろ半家(はげ)駅
(JR四国 予土線)
秋の霜 (11.9.13.)
273 訪ふ駅の井川さくら(いかわさくら)も竜田姫
(JR東日本奥羽本線)
竜田姫 (11.9.13.)
274 信濃の秋歳取らぬまま三才(さんさい)駅
(JR東日本 信越本線)
(11.9.13.)
275 秋の海背にして向かう駅は鮫(さめ)
(JR東日本 八戸線)
秋の海 (11.9.13.)
276 秋の灯や駅は武豊(たけとよ)騎手豊(ゆたか)
(JR東海 武豊線)
秋の灯 (11.9.13.)
277 宮崎の土々呂(ととろ)の駅で月見かな
(JR九州 日豊本線)
月見 (11.9.13.)
278 秋風や日向の国の土々呂駅
(JR九州 日豊本線)
秋風 (11.9.13.)
279 秋思ゆえ恋山形に降り立てり
(鳥取県 智頭急行智頭線)
秋思 (11.9.13.)
280 中秋と言ふには猛暑阿漕駅
(三重県 紀勢本線)
中秋 (11.9.13.)
281 白露置き海もないのに波高島(はだかじま)
(JR東海身延線)
白露 (11.9.14.)
282 秋暑し美濃文田(みのもんた)駅早く去ろ
(JR東海 高山本線))
秋暑し (11.9.14.)
283 秋澄みし小前田(お前だ)駅のプロポーズ
(秩父鉄道秩父本線)
秋澄み (11.9.14.)
284 「南蛇井(なんじゃい)」とアナウンスされ秋の旅
(上信電鉄上信線)
(11.9.14.)
285 秋の旅「及位(のぞき)」「のぞき」と連呼され
(JR東日本奥羽本線)
(11.9.14.)
286 秋天に鳶が一羽久留里(くるり)駅
(JR東日本久留里線)
秋天 (11.9.14.)
287 小江(おえ)となる秋の夜長の二日酔ひ
(JR九州長崎本線)
秋の夜 (11.9.14.)
288 小江(おえ)とくりゃ次ぎは下呂駅秋の風
(JR東海高山本線)
秋の風 (11.9.14.)
289 秋の旅半家(はげ)の駅から増毛(ましけ)駅
(JR北海道留萌本線)
(11.9.14.)
290 笑内(おかしない)可笑しな駅名秋の旅
(秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線)
(11.9.14.)
291 長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅
(ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえ)
(鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)
はまなす
(夏の季語)
(11.9.15.)
292 短くは津駅がありて秋の海
(伊勢鉄道伊勢線)
秋の海 (11.9.15.)
293 穴太(あのう)駅入ってますと蛇のカップル
(三岐鉄道北勢線)
蛇穴に入る (11.9.15.)
294 経上げて先に後免の秋へんろ
(JR四国土讃線)
(四国霊場29番札所・国分寺最寄駅)
秋遍路 (11.9.15.)
295 秋耕や比布(ぴっぷ)駅板肩の凝り
(JR北海道宗谷本線)
秋耕 (11.9.15.)
296 天高し下から読めど駅家(えきや)駅
(JR西日本福塩線)
天高し (11.9.15.)
297 撫子やチーム固めて占冠(しむかっぷ)
(JR北海道石勝線)
撫子 (11.9.15.)
298 縁起駅銭函(ぜにばこ)駅も秋の色
(JR北海道函館本線)
秋の色 (11.9.15.)
299 尻毛(しっけ)駅屁糞葛の花の名も
(名鉄揖斐線)
屁糞葛
(夏の季語)
(11.9.15.)
300 北一已(きたいちゃん)しとしとぴっちゃん秋時雨
(JR北海道留萌本線)
秋時雨 (11.9.15.)
花の駅名の詠み込み10句
301 花見なら「周防花岡」八幡宮
(JR西日本岩徳線)
花見
(春の季語)
(11.9.16.)
302 駅名を横浜に譲り「桜木町]
(JR東日本ほか)

(春の季語)
(11.9.16.)
303 若者のデートスポット「桜ノ宮」
(JR西日本大阪環状線)

(春の季語)
(11.9.16.)
304 梅のある「梅ヶ峠」が名の由来
(JR西日本山陰本線)

(春の季語)
(11.9.16.)
305 ここもまた梅の名所の「梅が丘」
(小田急電鉄小田原線)

(春の季語)
(11.9.16.)
306 「桃内」や原発汚染の休止駅
(JR東日本常磐線)
桃の花
(春の季語)
(11.9.16.)
307 「菊間駅」四国瓦の発祥地
(JR四国予讃線)

(秋の季語)
(11.9.16.)
308 「蘭留」(らんる)とは「下る道」てふアイヌ由来
(JR北海道宗谷本線)

(秋の季語)
(11.9.16.)
309 モ・ルエラニ坂道下が「室蘭」に
(JR北海道室蘭本線)

(秋の季語)
(11.9.16.)
400 入笠山「すずらんの里駅」となり
(JR東日本中央本線)
鈴蘭
(夏の季語)
(11.9.16.)
401 大いなる雫の果実ラフランス (11.9.13.)
402 ラフランス数日眺め食むルール (11.9.13.)
403 韮の花秋蝶も来る蜂も来る 韮の花
(夏の季語)
(11.9.13.)
404 吸蜜の虫を一手に韮の花
韮の花
(夏の季語)
(11.9.13.)
405 綿雲の動くと見えず韮の花 韮の花
(夏の季語)
(11.9.13.)
406 菜園の蕪蒔き終へて韮の花 韮の花
(夏の季語)
(11.9.13.)
407 秋暑し黄花ちらほらモロヘイヤ 秋暑し (11.9.13.)
408 半日の儚さに耐えオクラ咲く (11.9.13.)
409 秋播きを終えて最後にバジル摘み (11.9.13.)
410 列島の真夏日果てず秋あかね 秋茜 (11.9.13.)
411 コスモスのてんでに揺れて風まかせ 秋桜
(コスモス)
(11.9.14.)
412 コスモスの添いて離れて拗ねており 秋桜
(コスモス)
(11.9.14.)
413 加齢てふ身も蓋もなし吾亦紅 吾亦紅 (11.9.14.)
414 夢の刻(とき)切なくも過ぎ寝覚草
<寝覚草=荻の別名>

(寝覚草)
(11.9.14.)
415 一休み散歩の裾の草虱 草虱 (11.9.14.)
416 草虱いつ付くのやら不思議なり 草虱 (11.9.14.)
417 藪虱ズボンの裾を黒々と
<藪虱=草虱の別名>
草虱 (11.9.14.)
418 藪からし引けばずるずる四方八方 藪枯らし (11.9.14.)
419 溜飲を下げつつ剥がす藪からし 藪枯らし (11.9.14.)
420 藪枯らしネットワークの凄味見せ 藪枯らし (11.9.14.)
421 真夏日や蜜吸い励む秋の蝶 秋の蝶 (11.9.15.)
422 秋暑し秋を忘れて秋の蝶 秋の蝶 (11.9.15.)
423 水引の花蜜吸ふはどんな虫 水引 (11.9.15.)
424 水引草紅白の白垣間見ゆ 水引 (11.9.15.)
425 秋薔薇の焔の赤は夏のまま 秋薔薇 (11.9.15.)
426 紫蘇の実をぷちぷち噛みつ温め酒 紫蘇の実 (11.9.15.)
427 草の花くまばちの影過ぎりたり 草の花 (11.9.15.)
428 草むらや爪先立ちに藤袴 藤袴 (11.9.15.)
429 ほんのりと紅浮かべたるさくら蓼 桜蓼 (11.9.15.)
430 房垂れて淡き紅指すさくら蓼 桜蓼 (11.9.15.)
431 草むしり気付けば混じる蛍草 蛍草・露草 (11.9.16.)
432 枯れ蔓に西日を浴びて烏瓜 烏瓜 (11.9.16.)
433 棚の下くびれを競ふ青ふくべ 瓢・青瓢・瓢箪 (11.9.16.)
434 野葡萄の色取りどりが面白き 野葡萄 (11.9.16.)
435 無花果をもぐ手に白き乳流れ 無花果 (11.9.16.)
436 淀み過ぎ流れを急ぐ秋の川 秋の川 (11.9.16.)
437 溝萩の花束並べ売る農婦 溝萩 (11.9.16.)
438 木漏れ日に斑を散らしたる杜鵑草 杜鵑草・時鳥草 (11.9.16.)
439 溝蕎麦の花咲く奥に瀬の響き 溝蕎麦 (11.9.16.)
440 花可憐されど継子の尻拭い 継子の尻拭い
(溝蕎麦の仲間)
(11.9.16.)
441 水遣りのその夜土砂降り秋扇 秋扇 (11.9.17.)
442 秋旱(ひでり)水遣りの夜のゲリラ雨  秋旱 (11.9.17.)
443 秋の空動くと見せず流れ雲 秋の空 (11.9.17.)
444 老懶のけふも暮れゆく秋あかね 秋あかね (11.9.17.)
445 螻蛄(けら)鳴くか判ぜぬままに夢に落つ 螻蛄 (11.9.17.)
446 花穂長く小花揺れ合ふ盗人萩 (11.9.17.)
447 刈萱の野道の先や寺の塔 刈萱 (11.9.17.)
448 葉の重く風遣り過ごす葛の花 葛の花 (11.9.17.)
449 残土にも川原なでしこ五本ほど 撫子 (11.9.17.)
450 菊ながら掃溜め菊の名ぞ哀し (11.9.17.)
451 秋の鰻掴てふ花名あり 秋の鰻掴み
(溝蕎麦の仲間)
(11.9.18.)
452 菊ならぬ戸惑いありや貴船菊 貴船菊 (11.9.18.)
453 高き丈屈めもならず紫苑咲く 紫苑 (11.9.18.)
454 糸瓜棚ぶらりぶらりと明日子規忌 子規忌 (11.9.18.)
455 秋彼岸軍手携え墓参り 秋彼岸 (11.9.18.)
456 狭庭も虫時雨なり風そよろ 虫時雨 (11.9.18.)
457 猪の子槌知らぬ顔してひっつき虫 猪の子槌 (11.9.18.)
458 動くもの狙ひ違わずひっつき虫 (11.9.18.)
459 コスモスと菊芋咲きし野川ゆく コスモス・菊芋 (11.9.18.)
460 曼珠沙華野焼きのごとく広がれり 曼珠沙華 (11.9.18.)
<今日9月19日の「敬老の日」に因み10句詠む>
461 敬老日支えきれるや萩の花
敬老の日・萩の花 (11.9.19.)
けふばかり「敬老」「敬老」と蛙鳴く
(春の季語)
(11.9.19.)
462 敬老日じじばば増えて国衰ふ 敬老の日 (11.9.19.)
463 子ども減り憂国の日や敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
464 ごめんねと孫を労わる敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
465 ごめんよと孫を気遣ふ敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
466 まだ死なぬ人間あふれ敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
467 敬若の日こそ切なる敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
468 灰色に国衰弱し敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
469 子の遊ぶ声も聞こえぬ敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
470 「凄っ」「暑っ」「旨っ」が肩に背負いし敬老日 敬老の日 (11.9.19.)
471 鶏頭は猥褻なりと言ふべきか 鶏頭 (11.9.20.)
472 鰯雲自転車止めて話す二人 鰯雲 (11.9.20.)
473 ひねくれて曲りし胡瓜ぽりぽりと 胡瓜
(夏の季語)
(11.9.20.)
474 疑心深し汚染花火と外されて 花火
(夏の季語)
(11.9.20.)
475 秋の風なににつけても放射能 秋の風 (11.9.20.)
476 爽籟に耳を預け畑仕事 爽籟(そうらい) (11.9.20.)
477 秋の雨庭から戻り長袖に 秋の雨 (11.9.20.)
478 秋霖や部屋で楽しむ遍路鈴 秋霖 (11.9.20.)
479 金鈴を振ればちりりと秋寡黙 (11.9.20.)
480 老いてなお自覚し難く秋湿り 秋湿 (11.9.20.)
<誰もが持つ髑髏をテーマに10句詠む>
481 秋雨に濡れて髑髏(どくろ)の目に雫 秋雨 (11.9.21.)
482 日本よ!野分けの雨の髑髏(しゃれこうべ)  野分け (11.9.21.)
483 髑髏(しゃれこうべ)りりりと寂し綴刺(つづれさせ) 蟋蟀 (11.9.21.)
484 髑髏(しゃれこうべ)涙の筋は草の露 (11.9.21.)
485 蟋蟀に問わず語りの髑髏(どくろ)かな 蟋蟀 (11.9.21.)
486 蟋蟀に言葉委ねて髑髏(しゃれこうべ) 蟋蟀 (11.9.21.)
487 髑髏(しゃれこうべ)眼窩に響く虫の声 虫の声 (11.9.21.)
488 髑髏(どくろ)にもいろいろの秋の思い出 (11.9.21.)
489 髑髏(しゃれこうべ)秋の夜長の独り言 秋の夜 (11.9.21.)
490 髑髏(しゃれこうべ)虫の集きに紛れ泣く 虫すだく (11.9.21.)
491 登高や天守台から江戸想ふ 登高 (11.9.22.)
492 秋風の吹き過ぐ松の大廊下 秋風 (11.9.22.)
493 江戸城の深きで招くすすきかな (11.9.22.)
494 二の丸の庭にぎわせし小鳥来る 小鳥来る (11.9.22.)
495 江戸城の坂のおちこち曼珠沙華 曼珠沙華 (11.9.22.)
496 秋あかね天守台より高く翔ぶ 秋あかね (11.9.22.)
497 二の丸の池面のすべて秋の空 秋の空 (11.9.22.)
498 江戸城の雑木林や秋の色 秋の色 (11.9.22.)
499 萩の花咲き枝垂れゐる江戸城址 (11.9.22.)
500 十月の桜に出逢ふ江戸城址 十月 (11.9.22.)
501 秋あかね天守台より高く翔ぶ 秋あかね (11.9.23.)
502 汐見坂瞼閉ずれば秋の海 秋の海 (11.9.23.)
503 秋空や富士見櫓の白き壁 秋空 (11.9.23.)
504 秋澄みし北桔橋(きたはねばし)の深き濠 秋澄む (11.9.23.)
505 秋あかね平川門を抜けにけり 秋あかね (11.9.23.)
506 風そよぎ百人番所ちちろ虫 ちちろ虫(蟋蟀) (11.9.23.)
507 りりりりと百人番所ちちろ鳴く ちちろ虫(蟋蟀) (11.9.23.)
508 色鳥の姿はどこぞ江戸城址 色鳥 (11.9.23.)
509 がまずみの実の燃え立てり江戸城址 がまずみの実 (11.9.23.)
510 蚊姥(ががんぼ)や逃げることなく命捨て ががんぼ
(季語は夏)
(11.9.23.)
511 ががんぼや脚次々に捨ててゆく ががんぼ
(季語は夏)
(11.9.24.)
512 銀杏を踏んでごめんと呟けり 銀杏 (11.9.24.)
513 紅白で並べば目出たき曼珠沙華 曼珠沙華 (11.9.24.)
514 それぞれがもやいて揺るる釣舟草 釣舟草 (11.9.24.)
515 彼岸花死人花てふ曼珠沙華 曼珠沙華 (11.9.24.)
516 山吹の黒き実濡らす秋時雨 秋時雨 (11.9.24.)
517 さねかずら色づき初めし十五歳 実葛 (11.9.24.)
518 赤き実はやはり乙女のさねかずら 実葛 (11.9.24.)
519 花と葉で好悪違える臭木かな 臭木の花 (11.9.24.)
520 瀬音する岸辺たどれば沢桔梗 桔梗 (11.9.24.)
521 薄っすらと青滲ませて野紺菊 野菊 (11.9.25.)
522 男追ふ女の摘みし野菊かな 野菊 (11.9.25.)
523 方丈の白き着流し曼珠沙華 曼珠沙華 (11.9.25.)
524 追い抜いて早くお出でと秋の風 秋の風 (11.9.25.)
525 秋寒や首まで浸かる湯船かな 秋寒 (11.9.25.)
526 そぞろ寒池の魚もホバリング そぞろ寒 (11.9.25.)
527 紫蘇の実を爪黒くしてしごき摘む 紫蘇の実 (11.9.25.)
528 客去りてひと際高く添水(そふず)鳴る 添水 (11.9.25.)
529 穂を揃え風の行方を指す芒 (11.9.25.)
530 日を受けて真赭(まそほ)の芒風呼べり 真赭の芒 (11.9.25.)
531 吸蜜の虫が揺らすや田村草 田村草 (11.9.26.)
532 田村草離れぬ蝶にそっと添い 田村草 (11.9.26.)
533 花数で勝負かけおり野紺菊 野紺菊 (11.9.26.)
534 畑作業手を休めれば鰯雲 鰯雲 (11.9.26.)
535 秋あかね見つけて嬉し畑作業 秋あかね (11.9.26.)
536 鶏頭の白花が呼ぶ庫裏の庭 鶏頭 (11.9.26.)
537 響き合ふ水琴窟のちちろ虫 ちちろ虫 (11.9.26.)
538 銀杏のさり気なく落つ石畳 銀杏 (11.9.26.)
539 息止めて銀杏拾う人のあり 銀杏 (11.9.26.)
540 落ち銀杏平然と嗅ぎ犬去れり 銀杏 (11.9.26.)
541 遊歩道刈り残さるる野菊かな  野菊 (11.9.27.)
542 花びらの欠けたる多き野菊かな 野菊 (11.9.27.)
543 野紺菊嫁菜と区別付け難く 野紺菊、嫁菜 (11.9.27.)
544 野紺菊視野に入れつつ歩きけり 野紺菊 (11.9.27.)
545 薄っすらと土に汚れて野菊咲く 野菊 (11.9.27.)
546 遠くから見るべき花は野菊なり 野菊 (11.9.27.)
547 人の手のなきままに咲く野菊かな 野菊 (11.9.27.)
548 雨に濡れ土に汚れて野菊咲く 野菊 (11.9.27.)
549 花と花補い合いて咲く野菊 野菊 (11.9.27.)
550 野の菊を揃えて摘めばよき供花に 野菊 (11.9.27.)
551 溝蕎麦の紅指す花のあどけなし 溝蕎麦 (11.9.28.)
552 溶岩の流れに紛ふ曼珠紗華 曼珠沙華 (11.9.28.)
553 白萩の縺れ縺れし寺の庭 白萩 (11.9.28.)
554 点々と案山子の見張る谷戸の景 案山子 (11.9.28.)
555 襤褸纏ひ務めに励む案山子かな 案山子 (11.9.28.)
556 下手がいいアンパンマンの案山子なり 案山子 (11.9.28.)
557 蒲の穂の絮(わた)飛び始む谷戸の沼 蒲の穂絮 (11.9.28.)
558 吊舟草法螺貝の音聞かしめよ 吊舟草、釣舟草 (11.9.28.)
559 法螺貝の出舟の響き吊舟草 吊舟草、釣舟草 (11.9.28.)
560 水軍の法螺貝の音ぞ吊舟草 吊舟草、釣舟草 (11.9.28.)
561 人はなぜ嘘をつくのか秋哀し (11.9.29.)
562 栗のいが累々として雲高し (11.9.29.)
563 咲き競ふソバ属の花谷戸の径 蕎麦の花 (11.9.29.)
564 谷戸の径咲き競ふタデ科ソバ属 蕎麦の花 (11.9.29.)
565 ソバ属の咲き競ひ合ふ野道ゆく 蕎麦の花 (11.9.29.)
566 意匠凝らし咲き競ふなり野生蕎麦 蕎麦の花 (11.9.29.)
567 生首を並べて咲くや花サフラン サフラン (11.9.29.)
568 剣山にサフラン刺せる白き指 サフラン (11.9.29.)
569 生き埋めの刑に合ひしか犬サフラン サフラン (11.9.29.)
570 サフランの巨顔短足似過ぎなり サフラン (11.9.29.)
571 大地割り直(じか)に咲くごと花サフラン サフラン (11.9.30.)
572 短茎を土に突き刺しゐるサフラン サフラン (11.9.30.)
573 葉を待てず後から来いと咲くサフラン サフラン (11.9.30.)
574 撥ね泥を泰然と浴び花サフラン サフラン (11.9.30.)
575 花あれば他はいらぬ気に咲くサフラン サフラン (11.9.30.)
576 剣山に挿せば賑わう花サフラン サフラン (11.9.30.)
577 大首絵観るごとく見し花サフラン サフラン (11.9.30.)
578 朝顔や幼稚園舎の児らの声 朝顔 (11.9.30.)
579 自堕落に秋の野芥子の咲きにけり 秋の野芥子 (11.9.30.)
580 下向いて藪豆の花鰯雲 鰯雲 (11.9.30.)
581 ラジカセのお囃子響き里神楽 里神楽 (11.10.1.)
582 緋袴のラジカセで舞ふ里神楽 里神楽 (11.10.1.)
583 舞ひ手まで借りものとなり里神楽 里神楽 (11.10.1.)
584 里神楽ラジカセの音響きおり 里神楽 (11.10.1.)
585 舞い終へてラジカセ止める里神楽 里神楽 (11.10.1.)
586 草の実も仲間に入れて歩きけり 草の実 (11.10.1.)
587 稲架(はざ)が待つ刈り入れの日も後二十日 稲架 (11.10.1.)
588 秋光に黄花秋桐(きばなあきぎり)口を裂き 秋光 (11.10.1.)
589 花数の重みに傾ぐ紫苑かな 紫苑 (11.10.1.)
590 上背の高きを屈め花紫苑 紫苑 (11.10.1.)
591 高き丈憚りつ咲く花紫苑 紫苑 (11.10.2.)
592 白萩の花はまとめて美しき 白萩 (11.10.2.)
593 白萩のこぼれし庭や雪の景 白萩 (11.10.2.)
594 秋日受け三葉風露の花の影 秋日 (11.10.2.)
595 犬蓼の花が首振る谷戸の風 犬蓼の花、赤まんま (11.10.2.)
596 秋の日や金水引もひっつき虫 秋日 (11.10.2.)
597 黄金の田には案山子とボランティア 案山子 (11.10.2.)
598 里山の稲田賑やか児らの声 稲田 (11.10.2.)
599 稲刈や畦道で食ふ握り飯 稲刈 (11.10.2.)
590 鎌握り稲刈る児らの鼻に汗 稲刈 (11.10.2.)
591 稲架(はさ)掛けて里山の景定まれり 稲架 (11.10.3.)
592 里山を斜めに走る百舌の声 鵙、百舌 (11.10.3.)
593 鵙(もず)の贄微かに動き続けおり 鵙、百舌 (11.10.3.)
594 鵙去れば雀で埋まる落ち穂の田 鵙、百舌 (11.10.3.)
595 鵙去れば飛蝗(ばった)も安堵の日を浴びぬ 鵙、百舌 (11.10.3.)
596 電線に鶫(つぐみ)居並ぶ数十羽 (11.10.3.)
597 目が合いし鵯(ひよどり)枝を代えにけり (11.10.3.)
598 鵯に指鉄砲を構えたり (11.10.3.)
599 速贄(はやにえ)となりて蜥蜴の尾が長し 速贄 (11.10.3.)
600 干からびて忘れ去られし鵙の贄 鵙、百舌 (11.10.3.)
601 目刺食む己が可笑し鵙の贄 鵙、百舌 (11.10.4.)
602 茎元の地を割り咲くや秋茗荷 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
603 淡黄の花宥めるごとく茗荷掘る 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
604 地に降りし秋蝶に似て茗荷咲く 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
605 繁る葉の根方に花の秋茗荷 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
606 地を割りし黄花掬いつ茗荷掘る 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
607 ひっそりと根方に咲けり秋茗荷 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
608 地に開く花を掬いつ茗荷掘り 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
609 隠れ咲く淡黄の花茗荷掘り 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
610 茗荷掘り儚き花を掬い上ぐ 秋茗荷、茗荷の花 (11.10.4.)
611 運動会孫の走りを撮り逃し 運動会 (11.10.5.)
612 運動会土煙上げ走る児ら 運動会 (11.10.5.)
613 運動会重箱広げ孫囲む 運動会 (11.10.5.)
614 運動会重箱囲む親子孫 運動会 (11.10.5.)
615 運動会放送の声孫の声 運動会 (11.10.5.)
616 韋駄天の孫追い切れずシャッター押す 運動会 (11.10.5.)
617 運動会祖母張りきりし昼餉食む 運動会 (11.10.5.)
618 孫の脚長きを気付く運動会 運動会 (11.10.5.)
619 運動会孫は早くも八頭身 運動会 (11.10.5.)
620 運動会飛ぶがごとくに走る孫 運動会 (11.10.5.)
621 運動会孫出ぬときは一休み 運動会 (11.10.6.)
622 木犀に咽ぶがごとく江戸城址  木犀 (11.10.6.)
623 金銀の木犀の香や江戸城址 木犀 (11.10.6.)
624 江戸城址咽(むせ)ることあり金木犀 木犀 (11.10.6.)
625 江戸城址咽れば可笑し金木犀 木犀 (11.10.6.)
626 木犀の香に頷いて交わす笑み 木犀 (11.10.6.)
627 木犀の香に頷いて笑み交わす 木犀 (11.10.6.)
628 木犀の香の立ち昇る天守台 木犀 (11.10.6.)
629 秋あかね平川門をすいと抜け 秋あかね (11.10.6.)
630 知らぬ同士木犀の香に肯えり  木犀 (11.10.6.)
631 木犀やジョブズの遺訓「馬鹿であれ」 木犀 (11.10.7.)
632 欠け林檎残してジョブズ旅立てり 林檎 (11.10.7.)
633 窓の辺に林檎を置いてジョブズ逝く 林檎 (11.10.7.)
634 林檎忌と季語に加えんジョブズ死す 林檎 (11.10.7.)
635 林檎齧り天才ジョブズ偲びけり 林檎 (11.10.7.)
636 S・ジョブズ駆け抜け逝きて林檎の忌 林檎 (11.10.7.)
637 偏屈を通し十月桜咲く 十月桜 (11.10.7.)
638 咲き揃ふことなき十月桜かな 十月桜 (11.10.7.)
639 数歩過ぎ振り向く十月桜かな 十月桜 (11.10.7.)
640 十月に咲きし桜の心意気 十月桜 (11.10.7.)
641 花吹雪くことなき十月桜かな 十月桜 (11.10.8.)
642 季を違ふ十月桜の胸の内 十月桜 (11.10.8.)
643 十月の桜仰ぎて花数ふ 十月桜 (11.10.8.)
644 思ひ秘め十月桜咲き初めり 十月桜 (11.10.8.)
645 春を拒み意地張る十月桜かな 十月桜 (11.10.8.)
646 交代で花咲く十月桜かな 十月桜 (11.10.8.)
647 秋蝶の黄花に紛るあさざ池 秋蝶 (11.10.8.)
648 秋光にあさざ眩しき二の丸池 秋光 (11.10.8.)
649 秋風や緋色で誘ふ女郎蜘蛛 秋風 (11.10.8.)
650 秋風の背押しが欲しき汐見坂 秋風 (11.10.8.)
651 秋風やシャンツェのごとき汐見坂 秋風 (11.10.9.)
652 秋蝶と胸突き上る汐見坂 秋蝶 (11.10.9.)
653 清廉を色鮮やかに白桔梗 桔梗 (11.10.9.)
654 いにしえは蘭と呼ばれぬ藤袴 藤袴 (11.10.9.)
655 なに気なし皇居御苑の藤袴 藤袴 (11.10.9.)
656 それぞれが少し歪んで花梨(かりん)の実 花梨の実 (11.10.9.)
657 城垣を背に枝撓る花梨の実 花梨の実 (11.10.9.)
658 匂ひよしされど齧れぬ花梨かな 花梨の実 (11.10.9.)
659 卓上に剥かるることのなき花梨 花梨の実 (11.10.9.)
660 権萃(ごんずい)や少し淫らな実を付けて 権萃 (11.10.9.)
661 菊ならぬ貴船菊咲く皇居の庭 貴船菊、秀明菊 (11.10.10.)
662 小鳥待つがまずみの実の深き赤 がまずみ (11.10.10.)
663 芙蓉揺れ松の廊下の風の音 芙蓉 (11.10.10.)
664 うっすらと紫浮かべ野紺菊 野紺菊 (11.10.10.)
665 風を呼び穂を波打たす芒かな (11.10.10.)
666 二の丸や釣鐘人参江戸の音 釣鐘人参 (11.10.10.)
667 星形の崩れ許さぬ桔梗かな 桔梗 (11.10.10.)
668 切れ込みを正して咲くや白桔梗 桔梗 (11.10.10.)
669 秋の日に滄海の変汐見坂 (11.10.10.)
670 葉はあれど早や赤い実の梅擬(うめもどき) 梅擬 (11.10.10.)
671 土蜂や花粉を背負いて花野飛ぶ 花野 (11.10.11.)
672 妻訪ひの待つ身を耐ゆる茗荷花 茗荷の花 (11.10.11.)
673 妻訪ひを待てど儚き花茗荷 茗荷の花 (11.10.11.)
674 妻訪ひを焦がれて果つる花茗荷 茗荷の花 (11.10.11.)
675 ひっそりと咲ひて萎める花茗荷 茗荷の花 (11.10.11.)
676 茎陰に羞ずるがごとく咲く茗荷 茗荷の花 (11.10.11.)
677 掬ふ間に花萎みゐる茗荷かな 茗荷の花 (11.10.11.)
678 薄幸を花に滲ませ茗荷咲く 茗荷の花 (11.10.11.)
679 ごみ出しの往復百歩秋気満つ 秋気 (11.10.11.)
680 和尚老ひ鐘の音せぬ秋の暮れ 秋の暮 (11.10.11.)
681 湯を潜り隠元の色際立てり 隠元豆 (11.10.12.)
682 パソコンに向かい句を詠む秋深し 秋深し (11.10.12.)
683 筆持たずキーを叩いて秋を詠む (11.10.12.)
684 間引きには「えい、やっ」もありて秋の畑 間引き菜 (11.10.12.)
685 どちらをと迷いあぐねる間引きかな 間引き菜 (11.10.12.)
686 間引き菜の元気な方を抜いており 間引き菜 (11.10.12.)
687 間引かれてたちまち萎る大根菜 間引き菜 (11.10.12.)
688 秋光に赤く鋭き鷹の爪 鷹の爪 (11.10.12.)
689 艶を帯び真紅鋭く鷹の爪 鷹の爪 (11.10.12.)
690 夜顔の白き大輪秋深し 秋深し (11.10.12.)
691 宵闇に夜顔白し暮れの秋 暮れの秋 (11.10.13.)
692 宵闇に夜顔ぼうと秋寒し 秋寒 (11.10.13.)
693 夜顔や秋の深きを咲き尽くす 秋深し (11.10.13.)
694 枯れ蔓に二つ連なる烏瓜 烏瓜 (11.10.13.)
695 日の暮れに色張り合ふや山葡萄 山葡萄 (11.10.13.)
696 色々の色競い合ふ山葡萄 山葡萄 (11.10.13.)
697 コバルトも黒も茶もあり山葡萄 山葡萄 (11.10.13.)
698 のっぺらぼー同士肩寄せ烏瓜 烏瓜 (11.10.13.)
699 皮破り果肉吸い出す熟柿かな 熟柿 (11.10.13.)
700 果肉吸ふ少年の日の熟柿かな 熟柿 (11.10.13.)
701 山頭火呟き遺し暮れの秋 暮れの秋 (11.10.14.)
702 放哉も呟いて逝く秋寂し (11.10.14.)
703 幼逝の弟恋し老いの秋 (11.10.14.)
704 幼き死弟妹偲ぶ老いの秋 (11.10.14.)
705 緑から色いろいろに山葡萄 山葡萄 (11.10.14.)
706 溝蕎麦やふっくらほっこりと紅かわい 溝蕎麦 (11.10.14.)
707 花水木葉と実が朱色競ふ秋 (11.10.14.)
708 擬宝珠の朔果めずらし秋日和 秋日和 (11.10.14.)
709 暮れの秋げんのしょうこはまだ元気 暮れの秋 (11.10.14.)
710 コスモスの寄せては返す花数万 コスモス (11.10.14.)
711 あけびの実まだ青くして葉に隠れ 通草(あけび) (11.10.15.)
712 残蝶に花蜜与ふ野菊かな 野菊 (11.10.15.)
713 藪蘭の実いまだ青しそれもよし (11.10.15.)
714 風なくて吊り舟草を揺らす蜂 吊り舟草、釣り舟草 (11.10.15.)
715 吊り舟草尻から抜けて蜂飛べり 吊り舟草、釣り舟草 (11.10.15.)
716 秋薊眠た気に首傾げおり 秋薊 (11.10.15.)
717 百合の実の青々として秋日浴び 秋日 (11.10.15.)
718 秋の日やニホンカナヘビちょろちょろと 秋日 (11.10.15.)
719 ベンチには青き十個の花梨の実 花梨の実 (11.10.15.)
720 柄の先に小真弓の実の点火せり 真弓(檀)の実 (11.10.15.)
721 秋蝶のやり残しあり慌ただし 秋蝶 (11.10.16.)
722 東屋に話声する杜鵑草 杜鵑草 (11.10.16.)
723 杜鵑草白無垢で何語りおり 杜鵑草 (11.10.16.)
724 小紫マーブルチョコは色七つ (11.10.16.)
725 小紫マーブルチョコも虹の色 (11.10.16.)
726 木斛(もっこく)の実を裂きちらと赤い種 木斛の実 (11.10.16.)
727 木斛の実が口を開け小鳥よぶ 木斛の実 (11.10.16.)
728 秋の日や姿かなへび色とかげ 秋日 (11.10.16.)
729 さんざしや艶やかな実に足止まる 山査小の実 (11.10.16.)
730 霜柱立つには早し花白し
<シモバシラ(霜柱):シソ科シモバシラ属の多年草>
霜柱(草) (11.10.16.)
731 霜柱白花咲いて冬仕度 霜柱(草) (11.10.17.)
732 霜柱白花咲いて冬仕度 霜柱(草) (11.10.17.)
733 思い付きこれも俳句の秋日和 秋日和 (11.10.17.)
734 コロッケもあっていいよね大花野 花野 (11.10.17.)
735 コロッケの名もあっていい大花野 花野 (11.10.17.)
736 カナヘビに会釈交わさん秋日和 秋日和 (11.10.17.)
737 秋日和季語違えたる花多し 秋日和 (11.10.17.)
738 季語外れ喜々と咲く花秋日和 秋日和 (11.10.17.)
739 もっこくや口裂け女大合唱 木斛の実 (11.10.17.)
740 季替わりに宿根あさがほ咲き初めり
<自宅フェンスの野朝顔が一輪咲き初めるを詠む>
朝顔 (11.10.17.)
741 季を跨ぎ宿根あさがほやっと咲く 朝顔 (11.10.18.)
742 届けるか宿根あさがほ遅咲き記録 朝顔 (11.10.18.)
743 朝顔の季を跨って咲き初むや 朝顔 (11.10.18.)
744 秋の蚊のちくと刺すを吹き飛ばし 秋の蚊 (11.10.18.)
745 ちくとする腕に秋の蚊二匹おり 秋の蚊 (11.10.18.)
746 老いの血を吸ふ秋の蚊や古酒の味? 秋の蚊 (11.10.18.)
747 幸せはこんなものかな秋日和 秋日和 (11.10.18.)
748 花の香を手繰り寄せつつ菊供養 菊供養 (11.10.18.)
749 花の香を聞きつつ拝す菊供養 菊供養 (11.10.18.)
750 鵯の掛け合う声や姦しく (11.10.18.)
751 行く末を風に託して草の絮 草の絮 (11.10.19.)
752 秋あかね舞い上る絮視野に入れ 秋あかね (11.10.19.)
753 ぶきっちょに男続けて暮れの秋 暮れの秋 (11.10.19.)
754 句を捻り男で果つる暮れの秋 暮れの秋 (11.10.19.)
755 澄子の句ふふっと思わせ秋麗 秋麗 (11.10.19.)
756 秋の暮れさあ出かけるか酒の会 秋の暮れ (11.10.19.)
757 駄句駄句と駄句をならべて暮れの秋 暮れの秋 (11.10.19.)
758 バジリコの花咲き出せり暮れの秋 暮れの秋 (11.10.19.)
759 バジリコや白花可憐いわし雲 鰯雲 (11.10.19.)
760 バジリコの葉と花載せて秋サラダ (11.10.19.)
761 バジリコの小花も添えて秋サラダ (11.10.20.)
762 バジリコの花トッピング秋サラダ (11.10.20.)
763 バジリコの花可愛気に秋の畑 (11.10.20.)
764 秋深し死んだことない人ばかり 秋深し (11.10.20.)
765 この世とは一度こっきり秋深し 秋深し (11.10.20.)
766 蔓絡め黄土藍楽や山葡萄 山葡萄 (11.10.20.)
767 人生は喜怒哀楽やいまは秋 (11.10.20.)
768 秋雨に走るもならず夜道行く 秋雨 (11.10.20.)
769 友と飲み店を出れば秋の雨 秋雨 (11.10.20.)
770 秋霖や星の数だけ降る様子 秋霖 (11.10.20.)
771 堆肥返し汚染疑ひ屁っぴり腰 (11.10.21.)
772 肩の凝り積もり積もりし落葉かな 落葉 (11.10.21.)
773 鮨職の握り頬張り秋の酒 (11.10.21.)
774 昼席の居眠りもいて秋深し 秋深し (11.10.21.)
775 焼き銀杏かすかに臭気残りおり 銀杏 (11.10.21.)
776 焼き銀杏指の背に載せ笑む乙女 銀杏 (11.10.21.)
777 銀杏もみじ黄金の径を歩かしむ 銀杏黄葉 (11.10.21.)
778 柿の実の木に成りしまま打ち捨たる 柿の実 (11.10.21.)
779 甘藷(いも)飯の三杯も食ふ育ちごろ 甘藷 (11.10.21.)
780 金時の高嶺の薯でありしころ (11.10.21.)
781 孫6年これが最後の運動会 運動会 (11.10.22.)
782 運動会シャッター押す間に孫過ぎぬ 運動会 (11.10.22.)
783 運動会アニメソングでフタを開け 運動会 (11.10.22.)
784 運動会明けて応援疲れかな 運動会 (11.10.22.)
785 暴言で失格も出る運動会 運動会 (11.10.22.)
786 樫の実の池面叩くや鯉逃げり 樫の実 (11.10.22.)
787 枝越しに筋目だらけの円い月 (11.10.22.)
788 枝越しに蜘蛛の巣状の円い月 (11.10.22.)
789 秋寒に咲き続けゐる額紫陽花 秋寒 (11.10.22.)
790 隅田の花火咲き続けゐてそぞろ寒 そぞろ寒 (11.10.22.)
791 桐一葉ひらりと舞ひて地に止まる 桐一葉 (11.10.23.)
792 うそ寒や主なき蜘蛛の巣の破れ うそ寒 (11.10.23.)
793 祖父の歳超えたる孫も呑む濁酒 濁り酒 (11.10.23.)
794 花梨の実転がり落ちて拾われず 花梨の実 (11.10.23.)
795 無花果も箱入りの身となりにけり 無花果 (11.10.23.)
796 たこ焼きを突きつ呑むや濁り酒 濁り酒 (11.10.23.)
797 藪虱払ふに手数かけさせる 藪虱・草虱 (11.10.23.)
798 補陀落へ言伝て負ひて帰燕飛ぶ 帰燕 (11.10.23.)
799 骸骨の踊り続ける夜長かな 夜長 (11.10.23.)
800 骸骨のタップに合わせ添水鳴る 添水 (11.10.23.)
801 骸骨も踊り疲れし夜長かな 夜長 (11.10.24.)
802 北風や寒太郎来る畑仕事 北風(季語:冬) (11.10.24.)
803 烏瓜啄ばまれずに揺れており 烏瓜 (11.10.24.)
804 北風や売れ残りたる烏瓜 烏瓜 (11.10.24.)
805 北風の戸袋鳴らす暮れの秋 暮れの秋 (11.10.24.)
806 野朝顔北風のなか今日四輪 朝顔 (11.10.24.)
807 秋の雲吹き飛ばしつつ木枯し来 秋・木枯らし(季語:冬) (11.10.24.)
808 木の葉髪黒より多き白髪かな 木の葉髪 (11.10.24.)
809 百舌の声北風に乗り横切れり 百舌・北風(季語:冬) (11.10.24.)
810 北風の企み知るや新松子(しんちじり) 新松子 (11.10.24.)
811 寒太郎揺さぶり過ぎな新松子 新松子 (11.10.25.)
812 朝寒に花ほの青くロスマリン 
<ロスマリン:ローズマリー和名:迷迭香(まんねんろう)>
朝寒 (11.10.25.)
813 朝寒や花の香のしてロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
814 朝寒や扉明ければロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
815 朝寒に旋律かほるロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
816 朝寒に海の色香やロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
817 朝寒にほのかに香るロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
818 朝寒に花の香流すロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
819 朝寒や香りほのかにロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
820 朝寒に小花のかほりロスマリン 朝寒 (11.10.25.)
821 朝寒や潮騒伝ふロスマリン 朝寒 (11.10.26.)
822 朝寒にきりりと匂ふロスマリン 朝寒 (11.10.26.)
823 朝寒や庭のぬく色ポリゴナム
<ポリゴナム:和名ヒメツルソバ>
朝寒 (11.10.26.)
824 山茶花の一輪咲きて十月尽 山茶花(季語:冬) (11.10.26.)
825 山茶花の一輪見つけ庭に出る 山茶花 (11.10.26.)
826 山茶花の咲き初めて知る季の移り 山茶花 (11.10.26.)
827 山茶花の一花開いて冬立ちぬ 山茶花 (11.10.26.)
828 山茶花やセスナ機過ぎる空青し 山茶花 (11.10.26.)
829 野朝顔花の数増し十月尽 十月(季語:秋) (11.10.26.)
830 柿美味しもひとつ甘い保証なし (11.10.26.)
831 到来の柿甘けれど次ぎ不味し (11.10.27.)
832 鈴なりの実を?ぎし木の木守柿 (11.10.27.)
834 霜月となりてなお咲く野朝顔
<11.10.18.自宅の野朝顔(琉球朝顔)が1輪咲き初めて、以来数輪ずつ咲き継ぎ、霜月を前に詠む>
霜月(季語:冬) (11.10.27.)
835 霜月になぜに咲き継ぐ野朝顔 霜月(季語:冬) (11.10.27.)
836 霜月になぜ咲き継ぐや野朝顔 霜月(季語:冬) (11.10.27.)
837 霜月や“おれ流”で咲く野朝顔 霜月(季語:冬) (11.10.27.)
838 霜月や季を越えて咲く野朝顔 霜月(季語:冬) (11.10.27.)
839 一徹の野朝顔咲き継ぎ霜月来 霜月(季語:冬) (11.10.27.)
840 一徹の野朝顔ありて十一月 十一月(季語:冬) (11.10.27.)
841 一徹の野朝顔ありて霜月来 霜月(季語:冬) (11.10.28.)
842 反骨の野朝顔ありて霜月来 霜月(季語:冬) (11.10.28.)
843 汁撥ねを脅す玉子やおでん鍋 おでん(季語:冬) (11.10.28.)
844 おでん鍋玉子をはさむ決意せむ おでん(季語:冬) (11.10.28.)
845 気合い入れおでんの玉子挟みけり おでん(季語:冬) (11.10.28.)
846 秋遍路後ろ姿の続くなり 秋遍路(季語:秋) (11.10.28.)
847 冬うらら(冬ざれや)朱色の温しアーチ橋 冬うらら(季語:冬) (11.10.28.)
848 冬紅葉渓谷画すアーチ橋 冬紅葉(季語:冬) (11.10.28.)
849 渓跨ぐ橋の朱色や冬紅葉 冬紅葉(季語:冬) (11.10.28.)
850 朱の橋に奥多摩紅葉競ひけり 紅葉(季語:秋) (11.10.28.)
851 冬紅葉アーチ橋下は深き渓 冬紅葉(季語:冬) (11.10.29.)
852 冬もみじ奥多摩橋も朱色なり 冬紅葉(季語:冬) (11.10.29.)
853 山寺や生老病死冬もみじ 冬紅葉(季語:冬) (11.10.29.)
854 山寺の羅漢も冷えし冬紅葉 冬紅葉(季語:冬) (11.10.29.)
855 日の影の長きを連れて霜月来 霜月 (11.10.29.)
856 うらら日や明日は冬の季十月尽 十月 (11.10.29.)
857 ゲハなどと謗りしわれも木の葉髪 木の葉髪 (11.10.29.)
858 ごめんなと呟きながら菜を間引く 間引菜 (11.10.29.)
859 菜の間引き命殺める心地して 間引菜 (11.10.29.)
860 蹲りこころ惑ひつ菜を間引く 間引菜 (11.10.29.)
861 よき方を選びて悔やむ蕪間引き 間引菜 (11.10.30.)
862 十月尽七十億の地球号 十月 (11.10.30.)
863 湯豆腐や喉仏過ぎ腹に落ち 湯豆腐(季語:冬) (11.10.30.)
864 湯豆腐の喉を過ぎれば酒が追ふ 湯豆腐 (11.10.30.)
865 葱食みて舌を焼かるる根深汁 根深汁(季語:冬) (11.10.30.)
866 牡蠣鍋や土手の塗り味噌終わりごろ 牡蠣鍋(季語:冬) (11.10.30.)
867 牡蠣鍋や汁を啜りて箸を置く 牡蠣鍋 (11.10.30.)
868 大根引く真っ直ぐな根に安堵せり 大根引く(季語:冬) (11.10.30.)
869 大根洗ふ母の片方で子も濡るる 大根洗う(季語:冬) (11.10.30.)
870 物干しの日を浴び眩し干し大根 干大根(季語:冬) (11.10.30.)
871 砂場の児くしゃみを三つして笑ふ くしゃみ(季語:冬) (11.10.31.)
872 芭蕉忌や大川端の翁の像 芭蕉忌(季語:冬) (11.10.31.)
873 薄幸の才女駆け抜け一葉忌 一葉忌(季語:冬) (11.10.31.)
874 気配して目と目が合いし寒鴉 寒鴉(季語:冬) (11.10.31.)
875 綿虫や夕焼け空も色褪せり 綿虫(季語:冬) (11.10.31.)
876 綿虫の飛び交ふときに夕刊来 綿虫 (11.10.31.)
877 綿虫や手を差し出せばふわりと逃げ 綿虫 (11.10.31.)
878 大綿の飛ぶを残して日は暮れぬ 大綿=綿虫 (11.10.31.)
879 綿虫の日暮れ促し舞い立てり 綿虫 (11.10.31.)
880 綿虫の日暮れ促し舞い立つや 綿虫 (11.10.31.)
881 枝移り投遣りに鳴く寒鴉 寒鴉 (11.11.1.)
882 葱抜いて土付けたままお裾わけ 葱(季語:冬) (11.11.1.)
883 冬ちちろ鳴き音か細く嫁を呼ぶ 冬ちちろ(蟋蟀) (11.11.1.)
884 冬ちちろ翅の擦りも弱々し 冬ちちろ (11.11.1.)
885 冬ちちろか細く鳴いて黙しけり 冬ちちろ (11.11.1.)
886 冬の虫鳴き音届くや雌おりや 冬の虫(鳴く虫) (11.11.1.)
887 冬ちちろ擦れかすれに鳴きにけり 冬ちちろ (11.11.1.)
888 鉢の陰か細き鳴き音冬ちちろ 冬ちちろ (11.11.1.)
889 冬の虫鳴き続けぬか嫁来ぬぞ 冬の虫 (11.11.1.)
890 枯蟷螂樹皮に紛れつ斧を上ぐ 枯蟷螂(季語:冬) (11.11.1.)
891 焼き葱の熱きを食みつ酒を注ぐ (11.11.2.)
892 灯油売りテープの女声齢取らず (11.11.2.)
893 銀杏の実ぼたりと落ちて動かざり 銀杏(季語:秋) (11.11.2.)
894 銀杏もみじぼうと明るき夜道かな 銀杏の実(季語:秋) (11.11.2.)
895 銀杏もみじ散り敷く道の華やげり 銀杏黄葉(季語:秋) (11.11.2.)
896 いちょう並木落葉の袋並ぶ朝 銀杏落葉(季語:冬) (11.11.2.)
897 石蕗の花の蜜吸ふ蜂の影 石蕗の花(季語:冬) (11.11.2.)
897 石蕗の黄花引き立つ照り葉かな 石蕗の花 (11.11.2.)
898 茶の花の黄色い蕊が豊なり 茶の花(季語:冬) (11.11.2.)
899 茶の花と照り葉の上は日本ば晴れ 茶の花(季語:冬) (11.11.2.)
900 茶の花の上にきらりと蜘蛛の糸 茶の花 (11.11.2.)
901 茶の花に熊蜂の来て覆いけり 茶の花 (11.11.3.)
902 菊日和手の甲のシミ眺めゐる 菊日和(季語:秋) (11.11.3.)
903 あちこちにシミの浮き出て菊日和 菊日和 (11.11.3.)
904 上着脱ぎ草の道ゆく菊日和 菊日和 (11.11.3.)
905 ひつじ雲見上げて歩く菊日和 菊日和 (11.11.3.)
906 いろいろの些事処理しつつ菊日和 菊日和 (11.11.3.)
907 縁先で爪切る男菊日和 菊日和 (11.11.3.)
908 季外れの仏の座咲く菊日和 菊日和 (11.11.3.)
909 棋譜を手に長考もする菊日和 菊日和 (11.11.3.)
910 菊日和塾のザックの児らがゆく 菊日和 (11.11.3.)
911 茶の花に潜り動かぬ花潜(はなむぐり) 茶の花(季語:冬) (11.11.4.)
912 茶の花を眺め茶を飲む日和かな 茶の花 (11.11.4.)
913 茶の花や福助頭したる実と 茶の花 (11.11.4.)
914 茶の花や下から見上ぐ虫の目で 茶の花 (11.11.4.)
915 茶の花や太き花蕊は椿属 茶の花 (11.11.4.)
916 茶の花の咲く温し道ひつじ雲 茶の花 (11.11.4.)
917 茶の花や緑果爆ぜた実とりどりに 茶の花 (11.11.4.)
918 茶の花の高垣越しに農夫の声 茶の花 (11.11.4.)
919 茶の花を一輪挿して茶室かな 茶の花 (11.11.4.)
920 華やぎし女の茶会菊日和 菊日和 (11.11.4.)
921 金蛇(かなへび)や眠りに備え日向ぼこ 日向ぼっこ(季語:冬) (11.11.5.)
922 冬鴉独呟くごとく低く鳴く 冬鴉・寒鴉(季語:冬) (11.11.5.)
923 枝にいて何語りかく冬鴉 冬鴉 (11.11.5.)
924 頭上からくぐもる声や寒鴉 寒鴉 (11.11.5.)
925 言ひたきを分かる気のせし冬鴉 冬鴉 (11.11.5.)
926 草むらに紅の小花の帰り花 帰り花・返り花(季語:冬) (11.11.5.)
927 草むしる手を止めており返り花 返り花 (11.11.5.)
928 釣り銭に五千円札一葉忌 一葉忌(季語:冬) (11.11.5.)
929 新海苔のむすびザックに山登る 新海苔(季語:冬) (11.11.5.)
930 新海苔の一枚切り分け飯を食む 新海苔 (11.11.5.)
931 枯萩や数個の小花残すのみ 枯萩(季語:冬) (11.11.6.)
932 枯蔓の切れずに剥がる気骨かな 枯蔓(季語:冬) (11.11.6.)
933 枯蔓を剥がせば揺るる農具小屋 枯蔓(季語:冬) (11.11.6.)
934 冬の雲雨上がりても乾かさず 冬の雲(季語:冬) (11.11.6.)
935 山頭火しぐれに濡れつ呟けり 時雨(季語:冬) (11.11.6.)
936 鉄鉢を凍らせ歩く山頭火 凍る(季語:冬) (11.11.6.)
937 鉄鉢の霰に足止む山頭火 霰(季語:冬) (11.11.6.)
938 二度風呂の有難さ知る湯ざめかな 湯ざめ(季語:冬) (11.11.6.)
939 くしやみして夜更かしの本閉じるかな くしゃみ(季語:冬) (11.11.6.)
940 冬耕のわれを見ている鴉の目 冬耕(季語:冬) (11.11.6.)
941 茶畑の刈り込み丸く小六月 小六月(季語:冬) (11.11.7.)
942 冬うらら子規の里へと旅立ちぬ 冬うらら (11.11.7.)
943 車窓隔て雲も旅する冬日和 冬日和 (11.11.7.)
944 一直線ひかりは走る久女の忌 久女忌(季語:冬) (11.11.7.)
945 どこまでも空青く澄み久女の忌 久女忌 (11.11.7.)
946 浜名湖を渡る車窓や冬眩し  (11.11.7.)
947 冬うらら数十匹のひつじ雲 冬麗 (11.11.7.)
948 刈り終えし稲田の憩ふ小六月 小六月 (11.11.7.)
949 京阪は冬ざれてゐる車窓かな 冬ざれ (11.11.7.)
950 率直に過ぎて果てしか久女の忌 久女忌 (11.11.7.)
951 冬ざれの雲陰鬱を放射せり 冬ざれ (11.11.8.)
952 神戸過ぎひかりの車内木の葉髪 木の葉髪(季語:冬) (11.11.8.)
953 冬映えの瀬戸凪眩し大橋を往く 冬映え(季語:冬) (11.11.8.)
954 丸亀の天守孤高や冬の旅 (11.11.8.)
955 夕映えや縮緬皺の瀬戸の凪 冬映え (11.11.8.)
956 瀬戸の島燃え立たせゐる冬茜 冬茜(季語:冬) (11.11.8.)
957 背を燃やす瀬戸の島なみ冬の蝶 冬の蝶 (11.11.8.)
958 そこここが古戦場なり冬屋島 (11.11.8.)
959 御座舟の女人を偲ぶ冬屋島 (11.11.8.)
960 寅も来し鹿島の鹿の啼きにけり 鹿の声(季語:秋) (11.11.8.)
961 寅さんも鹿島の鹿の啼くを聞く 鹿の声 (11.11.9.)
962 伊予鹿島鹿の啼く声句碑あまた 鹿の声 (11.11.9.)
963 浪しぶき洞に轟く冬鹿島 (11.11.9.)
964 石鎚山瀬戸の島々冬霞 冬霞(季語:冬) (11.11.9.)
965 淡紅洞轟く神鼓冬温し (11.11.9.)
966 句碑濡らす瀬戸のしぶきや冬霞 冬霞 (11.11.9.)
967 冬立ちて夾竹桃の残り花 (11.11.9.)
968 思い出を増やして伊予路冬の旅 (11.11.9.)
969 冬蝶や温いぞ名もし伊予の国 冬の蝶 (11.11.9.)
970 凍蝶の翅を温めよ道後の湯 凍蝶(季語:冬) (11.11.9.)
971 凍蝶の数に怯へるユーロかな 凍蝶(いてちょう) (11.11.10.)
972 波しぶき届くを誘ふ石蕗(つわ)の花 石蕗の花(季語:冬) (11.11.10.)
973 街中を遍路も歩く伊予の冬 (11.11.10.)
975 われもまたお接待受けし冬遍路 (11.11.10.)
976 冬立つ日十五万石の町温し 立冬 (11.11.10.)
977 立冬の屋島寺温し「雪の庭」 立冬 (11.11.10.)
978 屋島寺やお狸様に日が眩し 狸(季語:冬) (11.11.10.)
979 二見島相呼び交わす冬の瀬戸 (11.11.10.)
980 騎馬像の好古見上ぐ杜鵑草(ほととぎす) 杜鵑草(季語*秋) (11.11.10.)
981 浪しぶき楽しむごとく咲く野菊 野菊(季語:秋) (11.11.11.)
982 潮風の崖昇りおり枯尾花 枯尾花、枯芒(季語:冬) (11.11.11.)
983 立冬の鹿島切り岸やしゃぶし拾ふ 立冬 (11.11.11.)
984 三十一(みそひと)に魂託し久女の忌
俳人杉田久女を偲んで
あじさゐに秋冷いたる信濃かな 久女
久女忌 (11.11.11.)
985 俳諧を凄味に変えて久女の忌
谺して山時鳥ほしいまま 久女
久女忌 (11.11.11.)
986 イカロスの轍を踏みたり久女の忌 久女忌 (11.11.11.)
987 火の玉の句作身を焼く久女の忌
花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ 久女
久女忌 (11.11.11.)
988 忌避さるる性のあわれや久女の忌 久女忌 (11.11.11.)
989 辟易が破綻を紡ぐ久女の忌
白妙の菊の枕をぬひあげし 久女
久女忌 (11.11.11.)
990 虚子と言ふ男の器量久女の忌 久女忌 (11.11.11.)
991 一筋の思ひに生きて久女の忌 久女忌 (11.11.12.)
992 真っ向の挑み外され久女の忌
無憂華の木かげはいづこ仏生会 久女
久女忌 (11.11.12.)
993 鹿啼いて郭公薊せとの島 鹿鳴く(季語:秋) (11.11.12.)
994 岩に散るしぶき匂へる野菊かな 野菊(季語:秋) (11.11.12.)
995 切り岸に貼りつき咲くや石蕗(つわ)の花 石蕗の花(季語:冬) (11.11.12.)
996 十五基の句碑を巡りて冬鹿島 (11.11.12.)
997 句碑と鹿数を競へる冬鹿島 (11.11.12.)
998 石蕗の花瀬戸のしぶきに句碑も濡れ 石蕗の花 (11.11.12.)
999 切り岸の滝に紅指す冬もみじ
<奥多摩の三頭山(1531m)に登り、三頭大滝で詠む。>
冬紅葉 (11.11.14.)
1000 滝を背にV字でポーズ冬日和 冬日和 (11.11.14.)

◆第1回の「1日10句を千句詠む」が3カ月で満願となりました。これで俳句の技量がどれほど上がったか心もとない限りですが、ささやかな達成感を味わえました。続いて駄句が少しでも減ることを祈りながら第2回の「鈴童の遊び 一日五句を千句詠む」に挑戦いたします。(11.11.16.記)

♪BGM:Chopin[Nocturn20]arranged by Reinmusik♪
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