１日１０句１０００句詠む＿第５６回

鈴童の遊び


1	枯れ枝の火焔と紛ふ牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.2.16.
2	まんさくや風の冷たき汐見坂	まんさく	春	22.2.16.
3	春うららジェット戦闘機の轟音	春うらら	春	22.2.16.
4	夜が縮み日脚伸び行くけふあした	日脚伸ぶ	春	22.2.16.
5	春の空轟音残し軍用機	春の空	春	22.2.16.
6	白魚の黒目濡れをり涙跡	白魚	春	22.2.16.
7	春寒や逝きし師匠の忘れ潮	春寒	春	22.2.16.
8	下萌や二連水車の重き音	下萌	春	22.2.16.
9	下萌や二連水車の軋む音	下萌	春	22.2.16.
10	屋根付きの橋ある里や草萌ゆる	草萌	春	22.2.16.
11	次々と消えゆく鉄路雁供養	雁供養	春	22.2.16.
12	木片にハングルの文字雁供養	雁供養	春	22.2.16.
13	ほとんどがプラごみばかり雁供養	雁供養	春	22.2.16.
14	僧呼んで浜でしめやか雁供養	雁供養	春	22.2.16.
15	雁風呂や戦後懐かしドラム缶	雁風呂	春	22.2.16.
16	雁風呂やいまも健在ドラム缶	雁風呂	春	22.2.16.
17	剪定の庭師のしたる黒マスク	剪定	春	22.2.17
18	剪定の庭師無言の日がなかな	剪定	春	22.2.17
19	剪定の庭師が啜るカップ麺	剪定	春	22.2.17
20	地下足袋の紺鮮やかに剪定師	剪定	春	22.2.17
21	剪定の庭師被りし鳥打帽	剪定	春	22.2.17
22	剪定や娘庭師の鳥打帽	剪定	春	22.2.17
23	掬はれて升で売らるる白魚買ふ	白魚	春	22.2.17
24	紙鍋の白魚の瞳つぶらなる	白魚	春	22.2.17
25	白魚汁つぶらな瞳あはれなり	白魚	春	22.2.17
26	網引けば光踊りし白魚舟	白魚舟	春	22.2.17
27	網引けば光きらめく白魚舟	白魚舟	春	22.2.17
28	不意を打ち白魚掬ふ四ッ手かな	白魚・四ッ手網	春	22.2.17
29	天婦羅のさくと音立つ白魚かな	白魚	春	22.2.18
30	四ッ手網跳ねる白魚月明り	白魚・四ッ手網	春	22.2.18
31	白魚汁啜る芭蕉や隅田川	白魚汁	春	22.2.18
32	月もおぼろ白魚跳ねて見得切るや	白魚	春	22.2.18
33	法灯を守り絵を踏む隠れかな	絵踏	春	22.2.18
34	せせらぎの音ことことと芹を摘む	芹	春	22.2.18
35	芹摘みて漱ぐ流れを鮠の影	芹摘み	春	22.2.18
36	芹摘みて漱ぐ流れを鮠走る	芹摘み	春	22.2.18
37	被りたる帽子を籠に芹摘めり	芹摘み	春	22.2.18
38	芹摘めば流れを走る鮠の影	芹摘み	春	22.2.18
39	芹摘むや高架橋行く西武線	芹摘み	春	22.2.18
40	せせらぎの響き軽やか芹を摘む	芹摘み	春	22.2.18
41	母と子が額寄せ合ひ芹摘むや	芹摘み	春	22.2.19
42	芹摘みて泥を漱ぎしハケの水	芹摘み	春	22.2.19
43	夕餉の膳川辺で摘みし芹三品	芹摘み	春	22.2.19
44	山寺や磴千段を岩つばめ	燕	春	22.2.19
45	磴千段礫となりて岩つばめ	燕	春	22.2.19
46	超高層ビルを群雄岩つばめ	燕	春	22.2.19
47	蛇穴を出るやいづる止めどなし	蛇穴を出る	春	22.2.19
48	蛇穴を出でててんでに走り去る	蛇穴を出る	春	22.2.19
49	ではまたもさらばもなくて蛇出ずる	蛇穴を出る	春	22.2.19
50	蛇穴をまた出て来たり出て来たり	蛇穴を出る	春	22.2.19
51	後続の切れめも無しに蛇出づる	蛇穴を出る	春	22.2.19
52	遠耳になりて亀鳴く声聞けり	亀鳴く	春	22.2.19
53	亀鳴かす名人揃ふ句会かな	亀鳴く	春	22.2.19
54	亀鳴かす秘術を競ふ句会かな	亀鳴く	春	22.2.19
55	おじいちゃん亀は鳴かんと理科少年	亀鳴く	春	22.2.19
56	亀鳴かす技を競ひし句会かな	亀鳴く	春	22.2.20
57	恋猫の濁声絶えし令和かな	恋猫	春	22.2.20
58	恋の焔濁声の絶え去勢猫	恋猫	春	22.2.20
59	歳時記の頁解るる余寒かな	余寒	春	22.2.20
60	歳時記の綴じ糸ほぐる余寒かな	余寒	春	22.2.20
61	長命寺詣で花見の桜餅	桜餅	春	22.2.20
62	墨堤は花の吹雪や桜餅	桜餅	春	22.2.20
63	柔らかに鋤き返されし春の土	春	春	22.2.20
64	春風やけふも元気に荒川線	春風	春	22.2.20
65	大口で餌欲る鯉や春の水	春の水	春	22.2.20
66	春の海岬の端に建つ灯台	春の海	春	22.2.20
67	黒潮の太き流れや春の海	春の海	春	22.2.20
68	剪定の庭師無言で仕事中	剪定	春	22.2.20
69	剪定の庭師の黙やスマホ鳴る	剪定	春	22.2.20
70	春の風らくだを脱ぎし老和尚	春風	春	22.2.20
71	陽炎が吾を呼びをり磴千段	陽炎	春	22.2.21
72	九段坂駆け上り来る春疾風	春疾風	春	22.2.21
73	料峭やロシア鬱屈ウクライナ	料峭	春	22.2.21
74	春めくや白磁に注ぐ萌葱色	春めく	春	22.2.21
75	コロナマスク眼鏡曇らす余寒なほ	余寒	春	22.2.21
76	カフェ・ラッテ啜る朝餉や二月尽	二月尽	春	22.2.21
77	カルピスをホットで啜る余寒かな	余寒	春	22.2.21
78	春めきし萌葱の色の茶を啜る	春めく	春	22.2.21
79	エンジンの響き軽やか畑鋤けり	畑を漉く	春	22.2.21
80	エンジンの響き弾ませ畑鋤けり	畑を漉く	春	22.2.21
81	菊根分け終ゆれば腰の軋みかな	菊根分け	春	22.2.21
82	垣根越し声かけられつ菊根分く	菊根分け	春	22.2.21
83	春愁やのし烏賊甘き醤油味	春愁	春	22.2.22
84	春愁ひ余生少なき八十路かな	春愁	春	22.2.22
85	コンビニのイーツコーナー春愁ひ	春愁	春	22.2.22
86	曲水やワインの盃も流れ来ぬ	曲水	春	22.2.22
87	春疾風寅さん像に新聞紙	春疾風	春	22.2.22
88	春疾風寅さん像にレジ袋	春疾風	春	22.2.22
89	春疾風寅さん像にポリ袋	春疾風	春	22.2.22
90	粋がって見ても詮無し黄沙降る	黄沙	春	22.2.22
91	春ならひ襟立て雪駄の寅さん像	春ならひ	春	22.2.22
92	寡黙なる師は旅立ちぬ梅二月	梅二月	春	22.2.22
93	霜柱ざくりざくりと麦を踏む	麦踏み	春	22.2.2３
94	遠見富士仰ぎ背にしつ麦踏めり	麦踏み	春	22.2.2３
95	富士仰ぎ富士を背に変え麦踏めり	麦踏み	春	22.2.23
96	健さんを気取りて当ては目刺かな	目刺	春	22.2.23
97	焼け焦げし目刺を当てに茶碗酒	目刺	春	22.2.23
98	庭採れを蕗味噌にして夜の膳	蕗味噌	春	22.2.23
99	庭採れの蕗味噌仕立て焼にぎり	蕗味噌	春	22.2.23
100	春闘も絶滅危惧の季語となり	春闘	春	22.2.23
101	佐保姫や野山を駈くるパンタロン	佐保姫	春	22.2.23
102	振る鋏ぎっちょもゐたり潮まねき	潮まねき	春	22.2.23
103	凍てつきて足元すくふ斑雪かな	斑雪	春	22.2.24
104	斑雪野や道は湖へと一直線	斑雪	春	22.2.24
105	斑雪野や高速道はクロソイド	斑雪	春	22.2.24
106	斑雪野や緩き曲線クロソイド	斑雪	春	22.2.24
107	吟行や菜飯にぎりを開き食ふ	菜飯	春	22.2.24
108	吟行の昼餉は菜飯にぎりなり	菜飯	春	22.2.24
109	山宿や菜飯田楽焼き岩魚	菜飯	春	22.2.24
110	名物は菜飯田楽道の駅	菜飯	春	22.2.24
111	嫁菜飯田楽で食ふ山の茶屋	嫁菜飯	春	22.2.24
112	つちふまず丸く豊かな涅槃像	涅槃像	春	22.2.24
113	土ふまずふっくらとして涅槃の像	涅槃像	春	22.2.24
114	涅槃図や嘆きの顔の仰々し	涅槃図	春	22.2.25
115	涅槃図の仔細に耳目傾けぬ	涅槃図	春	22.2.25
116	大仰に嘆き悲しむ涅槃の図	涅槃図	春	22.2.25
117	土ふまずふっくらとせし寝釈迦かな	寝釈迦	春	22.2.25
118	涅槃図をしみじみ眺め説を聞く	涅槃図	春	22.2.25
119	涅槃図や呉越揃ひて涙せる	涅槃図	春	22.2.25
120	涅槃像足裏ふっくら土ふまず	涅槃像	春	22.2.25
121	安らかな笑み温顔の寝釈迦かな	寝釈迦	春	22.2.25
122	少女らの固き乳房や牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.2.25
123	その日まで永き眠りの涅槃像	涅槃像	春	22.2.25
124	惜しむらくは声も入れたき涅槃絵図	涅槃図	春	22.2.26
125	啜り泣き号泣聞こゆ涅槃の図	涅槃図	春	22.2.26
126	衆生鳥獣こぞり嘆きの涅槃絵図	涅槃図	春	22.2.26
127	土ふまずふっくら優し寝釈迦かな	寝釈迦	春	22.2.26
128	懐石にさり気なく出し菜飯かな	菜飯	春	22.2.26
129	ぽりぽりと釈迦の鼻糞子らと食む	釈迦の鼻糞	春	22.2.26
130	剪定や女庭師の鳥打帽	剪定	春	22.2.26
131	長命寺詣でて直行桜餅	桜餅	春	22.2.26
132	春暁や鉄橋渡る貨車百輌	春暁	春	22.2.26
133	直販台野蒜も束で並びをり	野蒜	春	22.2.26
134	農の庭野蒜も並ぶ直販台	野蒜	春	22.2.27
135	鳥の声吾を誘ひて野蒜摘む	野蒜	春	22.2.27
136	家籠りに飽きてなぞへの野蒜摘む	野蒜	春	22.2.27
137	草野球日は燦燦と野蒜摘む	野蒜	春	22.2.27
138	ドローン飛ぶ多摩の河原や野蒜摘む	野蒜	春	22.2.27
139	酢味噌和え散歩土産の野蒜食ぶ	野蒜	春	22.2.27
140	昼前に野蒜完売直販台	野蒜	春	22.2.27
141	マスクして母と子が摘む野蒜かな	野蒜	春	22.2.27
142	散歩道視線引き寄す野蒜かな	野蒜	春	22.2.27
143	野蒜摘み散歩打ち切る家路かな	野蒜	春	22.2.27
144	やあと声かけて来るかに犬ふぐり	犬ふぐり	春	22.2.28
145	同じ場所同じ日当り犬ふぐり	犬ふぐり	春	22.2.28
146	蒼天と競ひ鮮やか犬ふぐり	犬ふぐり	春	22.2.28
147	うらら日や蛇が寝呆けて大あくび	うらら日	春	22.2.28
148	うらら日や青大将が大あくび	うらら日	春	22.2.28
149	笹舟を放せば速し春の川	春の川	春	22.2.28
150	笹舟を流せば速し春の川	春の川	春	22.2.28
151	ぽこと蓋開けし茶筒や目借時	芽雁時	春	22.2.28
152	池の鯉大口開くる日永かな	日永	春	22.2.28
153	世界秩序武力で壊す春の闇	春の闇	春	22.2.28
154	春の闇武力侵攻てふ無体	春の闇	春	22.3.1.
155	春の闇武力侵攻てふ狂気	春の闇	春	22.3.1.
156	淡雪の消えて消えないマスクかな	淡雪	春	22.3.1.
157	聴聞の神父抱きし春愁ひ	春愁い	春	22.3.1.
158	如月や莟ふくらむ豊後梅	如月・梅	春	22.3.1.
159	春寒やプーチンと言ふ狂気	春寒	春	22.3.1.
160	春寒や核ちらつかす露の狂気	春寒	春	22.3.1.
161	箱開けば少し眩し気内裏雛	内裏雛	春	22.3.1.
162	蜥蜴出ず互いにぎょっと固まりぬ	蜥蜴出ず	春	22.3.1.
163	蛇穴を出れば悲劇のウクライナ	蛇穴を出る	春	22.3.1.
164	鷹鳩と化すはずもなく露の狂気	鷹鳩と化す	春	22.3.1.
165	三月や狭庭の豊後咲き初むる	三月・豊後梅	春	22.3.1.
166	うらら日や亀は鳴かずに大あくび	うらら日	春	22.3.2.
167	笹舟を走らす速き春の川	春の川	春	22.3.2.
168	お茶うけに少し早いが桜餅	桜餅	春	22.3.2.
169	潮風や浜で立ち食ひ焼栄螺	焼栄螺	春	22.3.2.
170	壺焼のつるりと抜けて震へけり	壺焼	春	22.3.2.
171	草餅は母の手作り幼き日	草餅	春	22.3.2.
172	鶯餅食めば零るる黄粉かな	鶯餅	春	22.3.2.
173	棒鱈を毟り車座茶碗酒	棒鱈	春	22.3.2.
174	一段と葉の照り冴えし椿餅	椿餅	春	22.3.2.
175	焦げ跡は吾の作りし桜餅	桜餅	春	22.3.2.
176	小肥りは母の手作り蓬餅	蓬餅	春	22.3.2.
177	白酒や父は手酌で濁り酒	白酒	春	22.3.3.
178	雛祭り飛騨のどぶろくとくとくと	雛祭	春	22.3.3.
179	内裏雛だけ飾る老ひの家	内裏雛	春	22.3.3.
180	雛人形五十余年の同居かな	雛人形	春	22.3.3.
181	内裏雛初老迎えてなほ若し	内裏雛	春	22.3.3.
182	吾老いて老いぬ雛らと五十年	雛	春	22.3.3.
183	不動堂法鼓に合わす春の雷	春雷	春	22.3.3.
184	植木鉢選びてをれば春の雷	春雷	春	22.3.3.
185	山笑ひ背中むずがゆ摩崖仏	山笑ふ	春	22.3.3.
186	庭の隅にょきにょき嬉し蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.3.
187	庭隅に蕗の薹出ずやあやあやあ	蕗の薹	春	22.3.3.
188	庭の隅ひいふうななやあ蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.4.
189	庭隅に八つ九つ蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.4.
190	庭隅に数へて八つ蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.4.
191	庭隅に弾み出でたる蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.4.
192	プーチンの狂気怖ろし蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.4.
193	蕗の薹摘みつ思ふはウクライナ	蕗の薹	春	22.3.4.
194	春寒や世界揺るがす狂一字	春寒	春	22.3.4.
195	夜の闇に火の粉瀧散る二月堂	二月堂	春	22.3.4.
196	笹舟の一気に下る春の川	春の川	春	22.3.4.
197	斑雪野やディーゼルカーの薄煙	斑雪野	春	22.3.4.
198	春寒や世界揺るがす露の狂気	春寒	春	22.3.5.
199	プーチンの狂気が走る余寒かな	余寒	春	22.3.5.
200	プーチンの狂気の野望春寒し	春寒	春	22.3.5.
201	穀倉の国を野焼きの露の狂気	野焼き	春	22.3.5.
202	原発にミサイル着弾鳥帰る	鳥帰る	春	22.3.5.
203	原発にミサイル着弾鳥雲に	鳥雲に	春	22.3.5.
204	国際法蹴飛ばすプーチン鳥雲に	鳥雲に	春	22.3.5.
205	ウクライナ広がる戦火鳥雲に	鳥雲に	春	22.3.5.
206	枯れ枝にあらず燃え立つ牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.3.5.
207	プーチンの狂気怖ろし牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.3.5.
208	庭隅に五つ六う七八蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.5.
209	庭の隅五つ六う七八蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.5.
210	庭隅にイツムウナナヤ蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.6.
211	佐保姫や山野を駈くるパンタロン	佐保姫	春	22.3.6.
212	佐保姫や山野駈け行くパンタロン	佐保姫	春	22.3.6.
213	佐保姫や身も軽やかにパンタロン	佐保姫	春	22.3.6.
214	佐保姫の色鮮やかなパンタロン	佐保姫	春	22.3.6.
215	佐保姫の軽やかに舞ふヴィバルディ	佐保姫	春	22.3.6.
216	懐石のさり気なく出し菜飯かな	菜飯	春	22.3.6.
217	宿坊で菜飯いただく夕餉かな	菜飯	春	22.3.6.
218	懐石に四季を伝へし嫁菜飯	嫁菜飯	春	22.3.6.
219	不動堂法鼓轟き春の雷	春の雷	春	22.3.6.
220	不動堂轟く法鼓春の雷	春の雷	春	22.3.6.
221	春の雷一発だけでそれっきり	春の雷	春	22.3.7.
222	春の雷一発だけで知らぬ顔	春の雷	春	22.3.7.
223	春の雷一発だけで気が変る	春の雷	春	22.3.7.
224	春の雷一発だけの手抜きかな	春の雷	春	22.3.7.
225	しみじみと母思い出す菜飯かな	菜飯	春	22.3.7.
226	鍬置ひて菜飯にぎりの昼餉かな	菜飯	春	22.3.7.
227	鍬置ひて菜飯にぎりを食ふ農夫	菜飯	春	22.3.7.
228	卓袱台に菜飯並びし夕餉かな（	菜飯	春	22.3.7.
229	卓袱台に並ぶ菜飯の昭和かな	菜飯	春	22.3.7.
230	卓袱台を丸く囲みし菜飯かな	菜飯	春	22.3.7.
231	ヴィバルディ聴きつ菜飯の緑食ぶ	菜飯	春	22.3.7.
232	ヴィバルディ聴きつ菜飯の和食膳	菜飯	春	22.3.7.
233	つつましく母子笑顔の菜飯かな	菜飯	春	22.3.8.
234	卓袱台で母子笑顔の菜飯かな	菜飯	春	22.3.8.
235	佐保姫の駈くる山野やヴィバルディ	佐保姫	春	22.3.8.
236	足りなきに足して昭和の菜飯かな	菜飯	春	22.3.8.
237	うらら日や青大将がとぐろ解く	うらら日	春	22.3.8.
238	うらら日や青大将がとぐろ巻く	うらら日	春	22.3.8.
239	うらら日やとぐろを巻きし青大将	うらら日	春	22.3.8.
240	うらら日やとぐろを解きし青大将	うらら日	春	22.3.8.
241	懐石の四季を伝へて嫁菜飯	嫁菜飯	春	22.3.8.
242	卓袱台に丸く置かれし菜飯かな	菜飯	春	22.3.8.
243	宿坊で菜飯いただく高野山	菜飯	春	22.3.8.
244	足りぬのを補ふ菜飯緑映ゆ	菜飯	春	22.3.8.
245	足りぬのを補ふ知恵の菜飯かな	菜飯	春	22.3.8.
246	量増やす知恵の菜飯の緑映ゆ	菜飯	春	22.3.8.
247	貧しきが生みし菜飯の緑映ゆ	菜飯	春	22.3.9.
248	水呑みの百姓の智慧菜飯映ゆ	菜飯	春	22.3.9.
249	核攻撃辞さぬ狂気や春一番（東京６日）	春一番	春	22.3.9.
250	春一番磴千段を駈け上ぐる	春一番	春	22.3.9.
251	転げ行くペットボトルや春一番	春一番	春	22.3.9.
252	纏ひ付く春一番の馴れ馴れし	春一番	春	22.3.9.
253	満を持しそう猛るなよ春一番	春一番	春	22.3.9.
254	高圧線唸りを上ぐる春疾風	春疾風	春	22.3.9.
255	春疾風大沢崩れ雪煙り	春疾風	春	22.3.9.
256	悪名を刻むプーチン春北風	春北風	春	22.3.9.
257	核攻撃辞さぬ狂気や春北風	春北風	春	22.3.9.
258	鍬置ひて菜飯のにぎり食ふ農夫	菜飯	春	22.3.9.
259	貧しきが知恵で炊き込む菜飯かな	菜飯	春	22.3.10.
260	余裕なき世となりぬ四月馬鹿	四月馬鹿	春	22.3.10.
261	万愚節ことば古びし令和かな	万ぐ節	春	22.3.10.
262	頸振りつなぞへを雉の駈け行けり	雉	春	22.3.10.
263	ケーン意表突きたる雉子の声	雉	春	22.3.10.
264	ケーン峪の黙裂く雉子一声	雉	春	22.3.10.
265	蒼穹へ落下の気分揚雲雀	揚雲雀	春	22.3.10.
266	垂直に天の階揚雲雀	揚雲雀	春	22.3.10.
267	野も山もわが歌聞けと叫天子	叫天子	春	22.3.10.
268	白銀の富士に声上ぐ初雲雀	初雲雀	春	22.3.10.
269	土手を行く自転車の列揚雲雀	揚雲雀	春	22.3.10.
270	悪名を刻むプーチン春ならひ	春北風	春	22.3.10.
271	ほろ甘き甘茶いただく仏生会	仏生会	春	22.3.11.
272	幼ナ仏すつくと立てり花御堂	花御堂	春	22.3.11.
273	浴仏に甘茶をかける人の列	浴仏	春	22.3.11.
274	野の花で園児の葺きし花御堂	花御堂	春	22.3.11.
275	甘茶寺めぐり甘茶を飲み比べ	甘茶寺	春	22.3.11.
276	甘茶掛け平和を祈る仏生会	甘茶	春	22.3.11.
277	灌仏はすつくとお立ち花御堂	花御堂	春	22.3.11.
278	甘茶寺衆生に用意大薬缶	甘茶	春	22.3.11.
279	甘茶かけ杓を戻して入れ替わる	甘茶	春	22.3.11.
280	花吹雪潜りて巡る甘茶寺	甘茶寺	春	22.3.11.
281	プーチンのゐる不しあはせ暗き春	春	春	22.3.11.
282	田楽の串の緑や岐阜天守	田楽	春	22.3.12.
283	田楽の素朴が旨し岐阜城址	田楽	春	22.3.12.
284	田楽の熱々食みつ独り酒	田楽	春	22.3.12.
285	八丁味噌塗りたる田楽道の駅	田楽	春	22.3.12.
286	どれもみな緋色燃え立つ牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.3.12.
287	ちろちろと燃え立つ息吹き牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.3.12.
288	枯れ枝に火を吹くさまに牡丹の芽	牡丹の芽	春	22.3.12.
289	名草の芽薬草園を一巡り	名草の芽	春	22.3.12.
290	諸草の芽甦る息吹満つ	諸草の芽	春	22.3.12.
291	物の芽のそれぞれ秘めし策持てり	物の芽	春	22.3.12.
292	プーチンの苦き狂気や蕗の薹	蕗の薹	春	22.3.12.
293	蜥蜴出づするりするりと走り行く	蜥蜴出ず	春	22.3.13.
294	蜥蜴出づ走り凝視また走る	蜥蜴出ず	春	22.3.13.
295	蟻穴を出で早や長き一列続きをり	蟻穴を出る	春	22.3.13.
296	啓蟄の地虫で朝餉雀どち	啓蟄	春	22.3.13.
297	啓蟄や地虫をあさる雀どち	啓蟄	春	22.3.13.
298	初雷やごろと気のなき音一度	初雷	春	22.3.13.
299	雛仕舞ふまた一年の真暗がり	雛	春	22.3.13.
300	内裏雛お歯黒覗くおちょぼ口	内裏雛	春	22.3.13.
301	紅梅を手折りて飾る上巳かな	紅梅・上巳	春	22.3.13.
302	主老ひて内裏雛だけ飾りけり	内裏雛	春	22.3.13.
303	古雛や着た切りのまま五十年	雛	春	22.3.13.
304	春の雷義理で鳴らせし風情かな	春雷	春	22.3.13.
305	驚かすことに気遣ふ春の雷	春雷	春	22.3.14.
306	春暁や鳥の声して起こさるる	春暁	春	22.3.14.
307	春暁や砲弾響くウクライナ	春暁	春	22.3.14.
308	大義なき軍事侵攻凍返る	凍返る	春	22.3.14.
309	佐保姫の裾翻るパンタロン	佐保姫	春	22.3.14.
310	佐保姫の光に眩しパンタロン	佐保姫	春	22.3.14.
311	佐保姫のクロスカントリ号砲鳴る	佐保姫	春	22.3.14.
312	塔赤く多摩の横山棚霞む	棚霞む	春	22.3.14.
313	日を浴びて蚯蚓のたうつ春の土	春の土	春	22.3.14.
314	鋤き返し畑黒々と春の土	春の土	春	22.3.14.
315	春寒や狂気に耐えるウクライナ	春寒	春	22.3.14.
316	賓頭盧の頭で滑る春の蠅	春の蠅	春	22.3.14.
317	蜥蜴出ず日に虹色に光りけり	蜥蜴出ず	春	22.3.15.
318	蜥蜴出ず白泉詠みしとかげずら	蜥蜴出ず	春	22.3.15.
319	川の淀ゆらりと長き蝌蚪の紐	蝌蚪の紐	春	22.3.15.
320	佃煮の蠢くさまに蝌蚪の群れ	蝌蚪	春	22.3.15.
321	さざ波も立てず犇めく蝌蚪不気味	蝌蚪	春	22.3.15.
322	花を待つ奥千本や西行忌	西行忌	春	22.3.15.
323	潮騒の聞こゆる径や菜の花忌	菜の花忌	春	22.3.15.
324	渦潮や鳴門の海のライブショー	渦潮	春	22.3.15.
325	園児らの白き裸足や青き踏む	青き踏む	春	22.3.15.
326	纏ひ付く仔犬と縺れ青き踏む	青き踏む	春	22.3.15.
327	六十年老樹華やぐ豊後梅	梅	春	22.3.15.
328	ほのと紅にじませ咲くや老梅樹	梅	春	22.3.15.
329	薄紅の花の色香や老梅樹	梅の花	春	22.3.16.
330	美しく老ひし老妓や豊後梅	梅の花	春	22.3.16.
331	をだまきにやあと声かく山路かな	苧環	春	22.3.16.
332	山の宿深山おだまきそこここに	苧環	春	22.3.16.
333	おだまきの花に触れたる幼の掌	苧環	春	22.3.16.
334	引き立ての役に徹して霞草	霞草	春	22.3.16.
335	花束にふくらみ持たせ霞草	霞草	春	22.3.16.
336	女子寮の出窓を飾るシクラメン	シクラメン	春	22.3.16.
337	難読の接骨木の花白霞む	接骨木	春	22.3.16.
338	プーチンの狂気おぞまし春の雷	春雷	春	22.3.16.
339	春の蚊の羽音近づき刺さず去る	春の蚊	春	22.3.16.
340	今年また庭の定位置ヒヤシンス	ヒヤシンス	春	22.3.16.
341	初桜咲ひたと言ってはしゃぐかな	初桜		22.3.17.
342	初花や海青々と逝く江ノ電	初花	春	22.3.17.
343	春の蠅出自問はねば美しき	春の蠅	春	22.3.17.
344	初蝶のひらひら浮かれ調子かな	初蝶	春	22.3.17.
345	初蝶や誘うもののあるごとし	初蝶	春	22.3.17.
346	初蝶や家伝の花を捜しをり	初蝶	春	22.3.17.
347	どの花と決めかねてゐる初の蝶	初蝶	春	22.3.17.
348	初蝶や苦き顔する農夫かな	初蝶	春	22.3.17.
349	初蝶やチッと舌打ちする農夫	初蝶	春	22.3.17.
350	春の蚊の耳を掠めて刺さず去る	春の蚊	春	22.3.17.
351	騒がしく飛び来る虻の依怙地かな	虻	春	22.3.17.
352	春うらら経蔵めぐる真暗がり	春うらら	春	22.3.18.
353	春陰や経蔵めぐる真暗がり	春陰	春	22.3.18.
354	春陰やめぐる経蔵真暗がり	春陰	春	22.3.18.
355	料峭や物の影無き曇り空	料峭	春	22.3.18.
356	料峭や眠る真鯉がひと揺るぎ	料峭	春	22.3.18.
357	陽炎を纏ひて友の走り来る	陽炎	春	22.3.18.
358	あばずれの女のポーズ紫木蓮	紫木蓮	春	22.3.18.
359	どれもみな自堕落めきて紫木蓮	紫木蓮	春	22.3.18.
360	喉元をつるりつるりと蛍烏賊	蛍烏賊	春	22.3.18.
361	婚姻の赤き縦線花うぐひ	花うぐひ	春	22.3.18.
362	山路来て潜る木五倍子の花鎖	木五倍子	春	22.3.19.
363	雨伝ふ花の鎖の木五倍子かな	木五倍子	春	22.3.19.
364	てんでんに揺るる木五倍子の花鎖	木五倍子	春	22.3.19.
365	入り銭の無くてのほほん納税期	納税期	春	22.3.19.
366	還付金楽しみだった納税期	納税期	春	22.3.19.
367	納税期お呼びかからぬ無収入	納税期	春	22.3.19.
368	春昼や古きお堂の札所寺	春昼	春	22.3.19.
369	歳時記の手からぽとりと春の昼	春昼	春	22.3.19.
370	歳時記の手からぽとりと春うらら	春うらら	春	22.3.19.
371	流れをばどれも過ぎりし蜷の道	春昼	春	22.3.19.
372	どれもみな流れを過る蜷の道	春昼	春	22.3.19.
373	穀倉の国を野焼きか露の狂気	野焼き	春	22.3.19.
374	桜まじ芝生を駈くる子らの声	桜まじ	春	22.3.20.
375	豪快に花吹き散らす桜まじ	桜まじ	春	22.3.20.
376	遠州灘白浪立つる桜まじ	桜まじ	春	22.3.20.
377	女子寮の出窓華やぐシクラメン	シクラメン	春	22.3.20.
378	桜湯や白磁に開く花二輪	桜湯	春	22.3.20.
379	桜湯を戴く席の華やげり	桜湯	春	22.3.20.
380	花漬の炊き込み清し祝膳	花漬	春	22.3.20.
381	桜湯や白磁の碗の透かし彫り	桜湯	春	22.3.20.
382	花漬の炊き込み香る祝膳	花漬	春	22.3.20.
383	桜湯やゆるび広がる花二輪	桜湯	春	22.3.20.
384	良寛の子らと遊ぶや揚雲雀	揚雲雀	春	22.3.20.
385	ついと抜く白き鼻毛や老ひの春	春	春	22.3.20.
386	懐石の四季のあいさつ嫁菜飯	嫁菜飯	春	22.3.21.
387	懐石に四季のあいさつ菜飯碗	菜飯	春	22.3.21.
388	懐石にさり気なく出し菜飯かな	菜飯	春	22.3.21.
389	卓袱台に円く座りて菜飯かな	菜飯	春	22.3.21.
390	卓袱台に円く座りて食む菜飯	菜飯	春	22.3.21.
391	卓袱台で菜飯を食みし昭和かな	菜飯	春	22.3.21.
392	卓袱台を囲み菜飯の昭和かな	菜飯	春	22.3.21.
393	安らかな笑みの浮かびし寝釈迦かな	寝釈迦	春	22.3.21.
394	どおせならイケメンがよし目借時	目借時	春	22.3.21.
395	佐保姫や野山目覚ませハイタッチ	佐保姫	春	22.3.21.
396	花韮の咲きて華やぐ木の根方	花韮	春	22.3.21.
397	春眠やらたらつたつた喇叭鳴る	春眠	春	22.3.21.
398	春眠や起床喇叭の鳴り響く	春眠	春	22.3.21.
399	春眠や起床喇叭が夢の中	春眠	春	22.3.21.
400	春眠や起床喇叭が子守歌	春眠	春	22.3.21.
401	佐保姫やパンツルックにスニーカー	佐保姫	春	22.3.22.
402	佐保姫やパンツルックで駈け来る	佐保姫	春	22.3.22.
403	懐石に四季の彩嫁菜めし	菜飯	春	22.3.22.
404	懐石に四季を彩る菜飯かな	菜飯	春	22.3.22.
405	覚めたれどまた戻りたき春の夢	春の夢	春	22.3.22.
406	目覚ましに断ち切られたる春の夢	春の夢	春	22.3.22.
407	無念なり見直し効かぬ春の夢	春の夢	春	22.3.22.
408	あれこそは桃源郷か春の夢	春の夢	春	22.3.22.
409	辻褄の合わねど楽し春の夢	春の夢	春	22.3.22.
410	再びは戻れず口惜し春の夢	春の夢	春	22.3.22.
411	あれはそのお迎へめきて春の夢	春の夢	春	22.3.22.
412	目覚ましに邪魔をされたる春の夢	春の夢	春	22.3.22.
413	にじり寄り這ひ上り行く蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
414	横に逸れ電線渡る蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
415	主の無き廃屋包む蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
416	丈のあるものを逃さず蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
417	建物の歴史教へる蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
418	縦横に版図広げて蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
419	垂直の登攀のわざ蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
420	何のこと寄る辺あっての蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
421	蔦若葉声朗々と般若経	蔦若葉	春	22.3.23.
422	蔦若葉空を埋めたる熱気球	蔦若葉	春	22.3.23.
423	蔦若葉ラーメン店の長い列	蔦若葉	春	22.3.23.
424	築百年古し洋館蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.23.
425	録画しても一度見たき春の夢	春の夢	春	22.3.24.
426	有髪の僧の読経や蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.24.
427	人呼んで幽霊屋敷蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.24.
428	通称は幽霊屋敷蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.24.
429	人は呼ぶ幽霊屋敷蔦若葉	蔦若葉	春	22.3.24.
430	核を持つ狂気怖ろし余寒かな	余寒	春	22.3.24.
431	定位置に茎がっしりとヒヤシンス	ヒヤシンス	春	22.3.24.
432	がっしりと骨太誇る君子蘭	君子蘭	春	22.3.24.
433	雑草と見れば雑草諸葛菜	諸葛菜	春	22.3.24.
434	一斉に庭の一角諸葛菜	諸葛菜	春	22.3.24.
435	勝手咲く紅紫や諸葛菜	諸葛菜	春	22.3.24.
436	花壇の外埋め尽くす諸葛菜	諸葛菜	春	22.3.24.
437	ため口の娘売り子や植木市	植木市	春	22.3.25.
438	娘売り子元気印の植木市	植木市	春	22.3.25.
439	壺焼きのつるりと抜けて頬弛む	壺焼	春	22.3.25.
440	両の手に脱ぎし靴持ち春の海	春の海	春	22.3.25.
441	竜馬像春濤足下の桂浜	春濤	春	22.3.25.
442	ため口で客に勧める植木市	植木市	春	22.3.25.
443	苗木市娘売り子もため口で	苗木市	春	22.3.25.
444	双方がため口交す苗木市	苗木市	春	22.3.25.
445	カップ麺啜る売り子や苗木市	苗木市	春	22.3.25.
446	庭採れの蕗味噌の出る夕餉かな	蕗味噌	春	22.3.25.
447	角帽にガウン姿で孫卒業	卒業	春	22.3.25.
448	砂払ひ靴履き直す春の海	春の海	春	22.3.26.
449	春場所や浪速に弾む触れ太鼓	春場所	春	22.3.26.
450	なるほどと言ふ理由あり残り鴨	残り鴨	春	22.3.26.
451	合理的理由のありて残り鴨	残り鴨	春	22.3.26.
452	視野に入れなほ驚かず雉子過る	雉子	春	22.3.26.
453	静寂裂く雉子の鋭きラブコール	雉子	春	22.3.26.
454	てんでんに背を向け競ひ蕨摘む	蕨	春	22.3.26.
455	てんでんに背を向け競ふ蕨摘み	蕨	春	22.3.26.
456	やすやすと手折り摘みゆく蕨かな	蕨	春	22.3.26.
457	芹摘みて速き流れに根を漱ぐ	芹	春	22.3.26.
458	芹摘みて漱ぐ流れの速きかな	芹	春	22.3.26.
459	菜飯食む母子笑顔の朝餉かな	菜飯	春	22.3.27.
460	一汁に一菜もよし菜飯膳	菜飯	春	22.3.27.
461	老僧と菜飯御膳の朝餉かな	菜飯	春	22.3.27.
462	野に遊び虚心坦懐一句詠む	野遊び	春	22.3.27.
463	春闘も絶滅危惧の季語となる	春闘	春	22.3.27.
464	春の野のミニチュアめきし狭庭かな	春の野	春	22.3.27.
465	土筆摘み帽子を籠にして帰る	土筆摘む	春	22.3.27.
466	虚無僧の姿懐かし貝母咲く	貝母の花	春	22.3.27.
467	海風を入れて室咲き黄水仙	黄水仙	春	22.3.27.
468	利休忌や客を待ちをり躙り口	利休忌	春	22.3.27.
469	ため口で客と遣り取り植木市	植木市	春	22.3.27.
470	木漏れ日の根方に二人静かな	二人静	春	22.3.28.
471	母子草隣り合ひたる父子草	母子草・父子草	春	22.3.28.
472	仲良くも時には喧嘩母子草	母子草	春	22.3.28.
473	ものの芽の鼓動昂ぶる朝ぼらけ	ものの芽	春	22.3.28.
474	背比べするがごとくに葱坊主	葱坊主	春	22.3.28.
475	どの畝も横一列に葱坊主	葱坊主	春	22.3.28.
476	見回りの度に新顔葱坊主	葱坊主	春	22.3.28.
477	どの畝も蝶の舞ふかに豆の花	豆の花	春	22.3.28.
478	勝手咲き庭を埋めたる諸葛菜	諸葛菜	春	22.3.28.
479	風過る太き花茎のヒヤシンス	ヒヤシンス	春	22.3.28.
480	吾もまた桜気になる一人かな	桜	春	22.3.28.
481	春の土返せば踊る蚯蚓かな	春の土	春	22.3.29.
482	鋤ゆかば息吹き返す春の土	春の土	春	22.3.29.
483	春の土鋤けば黒々真新し	春の土	春	22.3.29.
484	たんぽぽの絮を追ひ行く速歩かな	たんぽぽ	春	22.3.29.
485	ぶらんこに腰掛けスマホ繰る少女	ぶらんこ	春	22.3.29.
486	初燕畑低く来て翻る	初燕	春	22.3.29.
487	初燕低く飛び来て翻る	初燕	春	22.3.29.
488	燕の巣新旧五つ無人駅	燕	春	22.3.29.
489	寸止めの技鮮やかに初燕	初燕	春	22.3.29.
490	寸止めの技軽やかに燕飛ぶ	燕	春	22.3.29.
491	老僧が股引脱ぎぬ初燕	初燕	春	22.3.29.
492	仲見世の軒を掠めて初燕	初燕	春	22.3.29.
493	雷門ひょいと抜け行く初燕	初燕	春	22.3.29.
494	無人駅舎巣作り競ふつばくらめ	燕	春	22.3.29.
495	浅草寺香煙抜ける初燕	初燕	春	22.3.29.
496	人力車客を掠めて初燕	初燕	春	22.3.30.
497	吾妻橋ひらりと抜けて初燕	初燕	春	22.3.30.
498	波朗忌や能登の砂浜バス走る	波朗忌	春	22.3.30.
499	料峭忌スカイツリーの長き影	料峭忌	春	22.3.30.
500	スカイツリー長き影置く料峭忌	料峭忌	春	22.3.30.
501	季語が季語たり得ずなりしマスク．	マスク	春	22.3.30.
502	医者殿の呆け怖ろしや木瓜の花	木瓜の花	春	22.3.30.
503	春寒し侵攻止めぬ独裁者	春寒	春	22.3.30.
504	桜咲く心躍らす日本人	桜	春	22.3.30.
505	場所取りの苦役も無くて桜咲く	桜	春	22.3.30.
506	沈丁花せせらぎ聞こゆ野川かな	沈丁花	春	22.3.30.
507	沈丁の香に誘はれて庭に出る	沈丁花	春	22.3.30.
508	沈丁の香の馥郁と空海像	沈丁花	春	22.3.30.
509	沈丁の香の馥郁と無人駅	沈丁花	春	22.3.30.
510	沈丁の香を背に潜る躙り口	沈丁花	春	22.3.30.
511	沈丁の植え込み香る磴百段	沈丁花	春	22.3.31.
512	山門を潜ればほのと沈丁花	沈丁花	春	22.3.31.
513	沈丁花香るベンチや富士遠見	沈丁花	春	22.3.31.
514	ミサイルに吹き飛ぶ平和春愁ひ	春愁	春	22.3.31.
515	平和こそありての春の愁ひかな	春愁	春	22.3.31.
516	つくづくと平和の証春愁ひ	春愁	春	22.3.31.
517	春愁に浸る幸せ思ふべし	春愁	春	22.3.31.
518	春愁ひこれぞ平和の証かな	春愁	春	22.3.31.
519	春愁や平和の神の贈り物	春愁	春	22.3.31.
520	爆撃の修羅場には無し春愁ひ	春愁	春	22.3.31.
521	春愁はエイレネくれし贈り物	春愁	春	22.3.31.
522	八十路にも春愁ありし平和かな	春愁	春	22.3.31.
523	春愁ひたらこは少し淫靡なり	春愁	春	22.3.31.
524	春愁ひ白鳳仏の半跏椅坐	春愁	春	22.3.31.
525	小鳥にもちんちんありぬ春愁ひ	春愁	春	22.3.31.
526	芹摘めば流れを走る鮠の影	芹摘む	春	22.3.31.
527	避雷針その先は無し蔦若葉	蔦若葉	春	22.4.1.
528	令和にも幽霊屋敷蔦若葉	蔦若葉	春	22.4.1.
529	讃美歌の流るるチャペル蔦若葉	蔦若葉	春	22.4.1.
530	旧軽の古し別荘蔦若葉	蔦若葉	春	22.4.1.
531	僧堂や老師の趣向蔦若葉	蔦若葉	春	22.4.1.
532	蔦若葉空に浮かびし熱気球	蔦若葉	春	22.4.1.
533	援農の嬉々と畦塗る都会の子	畦塗	春	22.4.1.
534	畦塗も絶滅季語となる時代	畦塗	春	22.4.1.
535	賑やかに棚田畦塗る守る会	畦塗	春	22.4.1.
536	斑雪野や緩き曲線高速道	斑雪野	春	22.4.1.
537	斑雪野や曲線描く高速道	斑雪野	春	22.4.1.
538	ハケの水さざ波ひそと座禅草	座禅草	春	22.4.1.
539	てんでんに向きを違へて座禅草	座禅草	春	22.4.2.
540	小流れの水軽やかに座禅草	座禅草	春	22.4.2.
541	黒焦げの跡形もなく草若葉	草若葉	春	22.4.2.
542	野焼き跡埋め尽くしたる草若葉	草若葉	春	22.4.2.
543	草花の鉢植え替へる日永かな	日永	春	22.4.2.
544	釣堀に糸垂れてゐる日永かな	日永	春	22.4.2.
545	勤行の読経の続く日永かな	日永	春	22.4.2.
546	永き日や五局目となるへぼ将棋	日永	春	22.4.2.
547	観覧車ゆっくり回る日永かな	日永	春	22.4.2.
548	蕎麦前の酒ちびちびと日永かな	日永	春	22.4.2.
549	出逢ふ度いつも片割れ桜貝	桜貝	春	22.4.2.
550	渚にはいつも片割れ桜貝	桜貝	春	22.4.2.
551	新妻の豊かな胸や沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
552	上水の浅き流れや沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
553	小雨降る橋の袂や沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
554	沈丁や隣家の黒きペルシャ猫	沈丁花	春	22.4.3.
555	そこはかとなき香の路地や沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
556	校庭の花壇香し沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
557	給食はお喋り禁止沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
558	沈丁やマスク美人の薬剤師	沈丁花	春	22.4.3.
559	マスクしても美人は美人沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
560	マスクしても美人教師や沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
561	沈丁花剃り跡青き尼に会ふ	沈丁花	春	22.4.3.
562	作務衣の胸膨らむ尼や沈丁花	沈丁花	春	22.4.3.
563	絵踏みしてこその隠れの系譜かな	絵踏	春	22.4.3.
564	絵踏みしてこその隠れの切支丹	絵踏	春	22.4.3.
565	かたくりや号砲一発待つ構え	片栗の花	春	22.4.3.
566	渚行く白き素足や桜貝	桜貝	春	22.4.4.
567	引く波に取り残されて桜貝	桜貝	春	22.4.4.
568	桜貝拾はるためにあるごとし	桜貝	春	22.4.4.
569	乙女らの白き素足や桜貝	桜貝	春	22.4.4.
570	片割れとなりて渚の桜貝	桜貝	春	22.4.4.
571	連れ合ひを波に割かれて桜貝	桜貝	春	22.4.4.
572	抽斗に長き眠りの桜貝	桜貝	春	22.4.4.
573	亡き人の残せし小箱桜貝	桜貝	春	22.4.4.
574	目敏くも幼拾ひし桜貝	桜貝	春	22.4.4.
575	嫁ぐ日に姉がくれたる桜貝	桜貝	春	22.4.4.
576	桜貝一片ずつのイヤリング	桜貝	春	22.4.4.
577	磯遊び遠き思い出桜貝	桜貝	春	22.4.4.
578	小箱には乙女心の桜貝	桜貝	春	22.4.5.
579	観覧車ゆるりと回る日永かな	日永	春	22.4.5.
580	観覧車急ぐ気の無き日永かな	日永	春	22.4.5.
581	永き日や待ったの多きへぼ将棋	日永	春	22.4.5.
582	公魚をほくほくと喰ふ湖の宿	公魚	春	22.4.5.
583	ガス割の焼酎が良し三鬼の忌	三鬼忌	春	22.4.5.
584	十句詠む日課なりけり椿寿の忌	椿寿忌	春	22.4.5.
585	晩酌の酒買ひに行く啄木忌	啄木忌	春	22.4.5.
586	恋猫の不覚に負ひし深手かな	恋猫	春	22.4.5.
587	深手負ひ傷口舐める恋の猫	恋猫	春	22.4.5.
588	傷だらけ哀れを誘ふ恋の猫	恋猫	春	22.4.5.
589	満ち足りてやったぜ顔の恋の猫	恋猫	春	22.4.5.
590	釜揚げのしらすおろしで独り酒	白子	春	22.4.5.
591	蒸鰈骨美しく残る皿	蒸鰈	春	22.4.5.
592	大椀の熱々がよし蜆汁	蜆汁	春	22.4.5.
593	桜漬炊き込み飯の祝膳	桜漬	春	22.4.6.
594	花冷や惨禍の続くウクライナ	花冷	春	22.4.6.
595	花冷の違う乳房といふ一句	花冷	春	22.4.6.
596	花冷や多摩の横山濡らす雨	花冷	春	22.4.6.
597	花冷や手持無沙汰の花見茶屋	花冷	春	22.4.6.
598	花冷や読むは鬼平犯科帳	花冷	春	22.4.6.
599	一株ごと風雅な花名あぢさゐ寺	紫陽花	夏	22.4.6.
600	一株ごと花名風雅に紫陽花寺	紫陽花	夏	22.4.6.
601	どれもみな花名風雅に紫陽花寺	紫陽花	夏	22.4.6.
602	あぢさゐ寺虹に負けじと七変化	七変化	夏	22.4.6.
603	脇役が主役と紛ふ四葩かな	四葩	夏	22.4.6.
604	主役より脇の華麗な四葩かな	四葩	夏	22.4.6.
605	主役より脇の華やぐ四葩かな	四葩	夏	22.4.6.
606	春愁など吹っ飛ぶ戦火ウクライナ	春愁	春	22.4.6.
607	払子の滝近きを告ぐる濃紫陽花	紫陽花	夏	22.4.6.
608	繚乱の紫陽花を背に不動尊	紫陽花	夏	22.4.7.
609	繚乱のあじさゐ山や九十九折	紫陽花	夏	22.4.7.
610	雨呼んで彩鮮やかに濃紫陽花	紫陽花	夏	22.4.7.
611	雨呼んで彩の際立つ濃紫陽花	紫陽花	夏	22.4.7.
612	雨呼んで彩際立ちぬ濃紫陽花	紫陽花	夏	22.4.7.
613	繚乱のあぢさゐ辿る九十九折	紫陽花	夏	22.4.7.
614	苧環や寝覚の床の古伝説	苧環	春	22.4.7.
615	苧環の花の紛れる日暮れかな	苧環	春	22.4.7.
616	苧環に心の和む山路かな	苧環	春	22.4.7.
617	をだまきや昭和の朝の納豆売り	苧環	春	22.4.7.
618	菜の花や昭和の朝の納豆売り	菜の花	春	22.4.7.
619	春風や昭和の朝の納豆売り	春風	春	22.4.7.
620	一望の菜の花畑郵便車	菜の花	春	22.4.7.
621	スキップで花菜畑行く下校の子	菜の花	春	22.4.7.
622	春風やゆるゆる上る観覧車	観覧車	春	22.4.7.
623	夏近しそろりそろりと観覧車	観覧車	春	22.4.8.
624	朝帰りやったぜ顔の浮かれ猫	浮かれ猫	春	22.4.8.
625	をだまきや時には空を見上げぬか	苧環	春	22.4.8.
626	巣立鳥ちちちっとはしゃぐ梅樹かな	巣立鳥	春	22.4.8.
627	囀や鳥語解せぬもどかしさ	囀	春	22.4.8.
628	ゆらゆらと陽炎纏ひジョガー来る	陽炎	春	22.4.8.
629	木漏れ日やドスを利かせし蝮草	蝮草	春	22.4.8.
630	子雀や遊び疲れて巣に潜る	雀の子	春	22.4.8.
631	嘴の柔らかさうな雀の子	雀の子	春	22.4.8.
632	何するもちょっと怖ごわ雀の子	雀の子	春	22.4.8.
633	一羽だけ少しぶきっちょ雀の子	雀の子	春	22.4.8.
634	亀鳴ひて腰を抜かした夢を見た	亀鳴く	春	22.4.8.
635	亀鳴くと本気で思ふ俳句馬鹿	亀鳴く	春	22.4.9.
636	亀鳴かせ特選取りて句座楽し	亀鳴く	春	22.4.9.
637	気移りの多き花なり七変化	七変化	夏	22.4.9.
638	不動尊紫陽花山を九十九折	紫陽花	夏	22.4.9.
639	繚乱の紫陽花山を九十九折	紫陽花	夏	22.4.9.
640	奔放に花色移す七変化	七変化	夏	22.4.9.
641	寄居虫の身一つで越す新居かな	寄居虫	春	22.4.9.
642	けふもまた拾はれてゆく桜貝	桜貝	春	22.4.9.
643	潮干狩昨日撒かれし中国産	潮干狩り	春	22.4.9.
644	マスクしてそぞろ歩きの花見かな	花見	春	22.4.9.
645	スマホ手に自撮りしてゆく花見かな	花見	春	22.4.9.
646	繚乱の紫陽花山や九十九折	紫陽花	夏	22.4.9.
647	繚乱の紫陽花愛づる城址山	紫陽花	夏	22.4.9.
648	紫陽花や法鼓轟く不動尊	紫陽花	夏	22.4.9.
649	人もまた生きとし生きて七変化	七変化	夏	22.4.9.
650	吾もまた生きとし生きて七変化	七変化	夏	22.4.10.
651	吾もまた生き抜き来たり七変化	七変化	夏	22.4.10.
652	人の世の起伏辿りぬ七変化	七変化	夏	22.4.10.
653	辿り来しわが人生も七変化	七変化	夏	22.4.10.
654	パソコンの前で居眠り春の昼	春昼	夏	22.4.10.
655	花吹雪ゆっくり走る路線バス	花吹雪	夏	22.4.10.
656	風雅なり車列渋滞花ふぶき	花吹雪	夏	22.4.10.
657	幾山河われも越え来ぬ七変化	七変化	夏	22.4.10.
658	吾もまた起伏越え来て七変化	七変化	夏	22.4.10.
659	幾山河越え来し吾や濃紫陽花	濃紫陽花	夏	22.4.10.
660	雨呼びて一際映ゆる四葩かな	四葩	夏	22.4.10.
661	晴れて良し雨さらによき濃紫陽花	濃紫陽花	夏	22.4.10.
662	幼逝の弟の笑み濃紫陽花	濃紫陽花	夏	22.4.11.
663	紫陽花や多情多恨の花の色	紫陽花	夏	22.4.11.
664	七変化多情多恨の花の色	七変化	夏	22.4.11.
665	前貫主紫陽花寺の名を残す	紫陽花	夏	22.4.11.
666	お遍路が甘茶戴く仏生会	遍路・仏生会	春	22.4.11.
667	仏生会甘茶用意の札所かな	仏生会・甘茶	春	22.4.11.
668	お接待甘茶用意の仏生会	仏生会・甘茶	春	22.4.11.
669	お接待甘茶用意の大薬缶	甘茶	春	22.4.11.
670	お遍路も甘茶をかける花御堂	遍路・甘茶・花御堂	春	22.4.11.
671	花御堂置ひて華やぐ札所かな	花御堂・札所	春	22.4.11.
672	お遍路も列を作りて甘茶かけ	遍路・甘茶	春	22.4.11.
673	札所寺甘茶用意の灌仏会	札所・甘茶・灌仏会	春	22.4.11.
674	ゆつくりと鯉の背が割る花筏	花筏	春	22.4.11.
675	花吹雪潜りて参る仏生会	花吹雪・仏生会	春	22.4.11.
676	お遍路が甘茶いただく仏生会	遍路・仏生会	春	22.4.12.
677	甘茶かけ甘茶いただく花祭	甘茶・花祭	春	22.4.12.
678	大薬缶甘茶用意の灌仏会	甘茶・灌仏会	春	22.4.12.
679	デフォルメの大き目玉や睦五郎	睦五郎	春	22.4.12.
680	つるるると干潟で遊ぶ睦五郎	睦五郎	春	22.4.12.
681	舟虫に逃げ遅れなし見事なり	舟虫	夏	22.4.12.
682	舟虫に逃ぐるが勝ちの家訓あり	舟虫	夏	22.4.12.
683	船虫の逃げ足磨く日がなかな	船虫	夏	22.4.12.
684	船虫の瞬時に消ゆる神の技	船虫	夏	22.4.12.
685	働き蟻全員雌てふ不思議かな	蟻	夏	22.4.12.
686	働き蟻すべて女手てふ世界	蟻	夏	22.4.12.
687	紙魚走る旧約聖書そっと閉ず	紙魚	夏	22.4.12.
688	ふむふむと見詰め頷く似たり貝	似たり貝		22.4.13.
689	初蝶に舌を打ちたる農夫かな	初蝶	春	22.4.13.
690	船虫や逃げる術なき民思ふ	船虫	夏	22.4.13.
691	夜の仕業農に憎つき夜盗虫	夜盗虫	夏	22.4.13.
692	池の面をリンクの如くあめんぼう	あめんぼう	夏	22.4.13.
693	かなかなや杣小屋大き南京錠	かなかな	秋	22.4.13.
694	蛍烏賊喉滑り行く酒の当て	蛍烏賊	春	22.4.13.
695	蛍烏賊つるりつるりと喉走る	蛍烏賊	春	22.4.13.
696	角多き荒海育ち焼さざえ	栄螺	春	22.4.13.
697	一斉に滾り立ちをり焼さざえ	栄螺	春	22.4.13.
698	バーベキュー包丁要らず焼さざえ	栄螺	春	22.4.13.
699	引き抜きし太きをがぶり焼さざえ	栄螺	春	22.4.13.
700	可愛くも不気味とも言へ蝌蚪団子	蝌蚪	春	22.4.14.
701	川底に往き来往き来の蜷の道	蜷の道	春	22.4.14.
702	蜷の道どれも流れを過りをり	蜷の道	春	22.4.14.
703	一日を生きた証しの蜷の道	蜷の道	春	22.4.14.
704	律儀なりどれも直線蜷の道	蜷の道	春	22.4.14.
705	蜷の道錯綜すれど一直線	蜷の道	春	22.4.14.
706	何諮る川辺に蜷の寄合へる	蜷	春	22.4.14.
707	寄居虫の満潮を待つ忘れ潮	寄居虫	春	22.4.14.
708	繋がれし牛にしつこく止まる虻	虻	春	22.4.14.
709	払ひてもしつこき虻に牛鳴けり	虻	春	22.4.14.
710	天丼は穴子が佳しと言ふ和尚	穴子	夏	22.4.14.
711	車座で骨酒旨し岩魚かな	岩魚	夏	22.4.14.
712	車座で骨酒旨し焼岩魚	岩魚	夏	22.4.15.
713	立て膝の裾の乱れや紫木蓮	紫木蓮	春	22.4.15.
714	夕風やお出でお出でと雪柳	雪柳	春	22.4.15.
715	風の道撓りどよめく雪柳	雪柳	春	22.4.15.
716	尋ぬればなぞへ火と燃ゆ躑躅寺	躑躅	春	22.4.15.
717	青空や山吹の黄の咲き満つる	山吹	春	22.4.15.
718	路地裏の日当る側や木瓜の花	木瓜の花	春	22.4.15.
719	磴百段誘ふごとく木瓜の花	木瓜の花	春	22.4.15.
720	茎立ちて名実ともに蕗の薹	茎立・蕗の薹	春	22.4.15.
721	しゃりしゃりと山独活を食む夕餉かな	独活	春	22.4.15.
722	吸い椀に浮きたる三つ葉緑濃し	三つ葉	春	22.4.15.
723	永き日や待ったで諍ひへぼ将棋	日永	春	22.4.15.
724	大向唸らす歌舞伎七変化	七変化	夏	22.4.16.
725	虎魚（おこぜ）てふ謹厳実直数学教師	虎魚（おこぜ）	夏	22.4.16.
726	朝採りで怒り爆発夜盗虫	夜盗虫	夏	22.4.16.
727	空蝉や暫の見得切りてをり	空蝉	夏	22.4.16.
728	ひらひらと生き永らへて糸とんぼ	糸蜻蛉	夏	22.4.16.
729	三椏の花に雨粒転げ行く	三椏の花	春	22.4.16.
730	花の宴楽し過ぎると泣き上戸	花の宴	春	22.4.16.
731	春の蠅指して名を訊く令和の子	春の蠅	春	22.4.16.
732	かはたれの空を風切る蚊喰鳥	蚊喰取り	夏	22.4.16.
733	牛蛙野太き声のラブコール	牛蛙	春	22.4.16.
734	柔らかな風のそよぎや梨の花	梨の花	春	22.4.17.
735	夕焼け空果樹棚白き梨の花	梨の花	春	22.4.17.
736	果樹の里日暮れに白き梨の花	梨の花	春	22.4.17.
737	晩鐘の響く里道梨の花	梨の花	春	22.4.17.
738	砂丘背に里道行けば梨の花	梨の花	春	22.4.17.
739	果樹棚に白き花咲く梨の里	梨の花	春	22.4.17.
740	惜しげ無く枝もたわわに花こぶし	辛夷	春	22.4.17.
741	風無くば手持無沙汰の花こぶし	辛夷	春	22.4.17.
742	桜蕊赤く染めたるにはたづみ	桜蕊	春	22.4.17.
743	にはたづみ朱色に染むる桜しべ	桜蕊	春	22.4.17.
744	山茱萸や黄金に霞む花の群れ	山茱萸の花	春	22.4.17.
745	鉢植えに水遣りひょいと蜥蜴の子	蜥蜴	夏	22.4.18.
746	水遣りの鉢からひょいと蜥蜴出ず	蜥蜴	夏	22.4.18.
747	山路きて過る速さのやまかがし	やまかがし	夏	22.4.18.
748	やまかがし滑るがごとく過ぎりけり	やまかがし	夏	22.4.18.
749	棒の影動き出したる蝮かな	蝮	夏	22.4.18.
750	急流を抜き手切るかにやまかがし	やまかがし	夏	22.4.18.
751	「へび注意」の札立つ森や蛇の衣	蛇の衣	夏	22.4.18.
752	ぶらんこに脱ぎ捨てられし蛇の衣	蛇の衣	夏	22.4.18.
753	ホームレスゆえに嫌はるなめくじり	なめくじり	夏	22.4.18.
754	航跡の途切れる不思議なめくじり	なめくじり	夏	22.4.18.
755	なめくじは嫌われ松子かも知れず	なめくじ	夏	22.4.18.
756	桜蕊音立てもせず降り注ぐ	桜蕊降る	春	22.4.19.
757	野仏の丸き頭に桜蕊	桜蕊降る	春	22.4.19.
758	すかんぽを噛んで遊びし昭和かな	すかんぽ	春	22.4.19.
759	座禅草座ってござる達磨さん	座禅草	春	22.4.19.
760	順番にしゃがんで覗く座禅草	座禅草	春	22.4.19.
761	どれもみな闇を抱へし座禅草	座禅草	春	22.4.19.
762	虎杖の塩漬け出でし里の宿	虎杖	春	22.4.19.
763	いたどりや頑と群れ立つ崖っぷち	虎杖	春	22.4.19.
764	芹摘んで席題芹と決まりけり	芹	春	22.4.19.
765	晩酌のあて楽しみに野蒜摘む	野蒜	春	22.4.19.
766	酢味噌和晩酌すすむ野蒜かな	野蒜	春	22.4.19.
767	親元を離れちょっぴり五月病	五月病	夏	22.4.19.
768	連凧の繋ぐ青空聖五月	聖五月	夏	22.4.19.
769	聖五月ニュースは暗きウクライナ	聖五月	夏	22.4.19.
770	三年目マスク外せぬ五月かな	五月	夏	22.4.20.
771	頬撫でる五月の風の観覧車	五月	夏	22.4.20.
772	新任の若き司祭や聖五月	聖五月	夏	22.4.20.
773	たこ焼きも値上げをしたる五月かな	五月	夏	22.4.20.
774	対面授業まだ五回目の五月かな	五月	夏	22.4.20.
775	対面授業数へるほどの五月かな	五月	夏	22.4.20.
776	ライン授業母が覗きに来る五月	五月	夏	22.4.20.
777	ライン授業顔も洗はず聴く五月	五月	夏	22.4.20.
778	永き日や待ったを競ふへぼ将棋	日永	春	22.4.20.
779	ライン授業母も聴講聖五月	聖五月	夏	22.4.20.
780	甘酒で顔火照らせる下戸の妻	甘酒	夏	22.4.20.
781	甘酒に清酒とくとくどぶで呑む	甘酒	夏	22.4.20.
782	家呑みのビールの缶のよく溜まる	ビール	夏	22.4.20.
783	塩漬のスク載せて食む冷奴	冷奴	夏	22.4.20.
784	蜜豆を突きひそひそ主婦二人	蜜豆	夏	22.4.21.
785	百花園野点で出し葛桜	屑桜	夏	22.4.21.
786	イケメンの牧師に代わる聖五月	聖五月	夏	22.4.21.
787	イケメンの牧師赴任の聖五月	聖五月	夏	22.4.21.
788	夏雲や斜めに走る土竜塚	夏雲	夏	22.4.21.
789	ノーブラの胸健やかに聖五月	聖五月	夏	22.4.21.
790	切株に腰を降ろせば青葉風	青葉	夏	22.4.21.
791	姦しく鳥語錯綜青葉山	青葉	夏	22.4.21.
792	スカイツリー遠見に眩し雲の峰	雲の峰	夏	22.4.21.
793	夏立てり法鼓轟く不動尊	立夏	夏	22.4.21.
794	ウクライナ見守るだけの菜種梅雨	菜種梅雨	春	22.4.21.
795	菜種梅雨理不尽続くウクライナ	菜種梅雨	春	22.4.21.
796	菜種梅雨緊迫続くウクライナ	菜種梅雨	春	22.4.22.
797	砲撃で焼野広がるウクライナ	焼野	春	22.4.22.
798	嫁ぐ日に姉が妹に桜貝	桜貝	春	22.4.22.
799	角落しついでに豆糞零す鹿	鹿の角落し	春	22.4.22.
800	角落し豆糞ぱらぱら牡鹿去る	鹿の角落し	春	22.4.22.
801	この浜の地付きと信じ潮干狩	潮干狩	春	22.4.22.
802	来の浅利掻き取る潮干狩	潮干狩	春	22.4.22.
803	初燕抜ける大川吾妻橋	初燕	春	22.4.22.
804	雷門潜り仲見世初つばめ	初燕	春	22.4.22.
805	摘草や戦火に追はる国もあり	摘草	春	22.4.22.
806	青空を繋ぐ連凧大曲線	凧	春	22.4.22.
807	大空を繋ぐ連凧クロソイド	凧	春	22.4.22.
808	連凧の曲線みやびクロソイド	凧	春	22.4.22.
809	連凧の階たるむ空高し	凧	春	22.4.22.
810	銀座から姿消えれど柳の芽	柳の芽	春	22.4.23.
811	石神井池さざ波寄する柳の芽	柳の芽	春	22.4.23.
812	リモコンの船の響きや柳の芽	柳の芽	春	22.4.23.
813	リモコンの船走る池柳の芽	柳の芽	春	22.4.23.
814	ゴンドラで窓拭く人や柳の芽	柳の芽	春	22.4.23.
815	どれもみな天に向ひて松の芯	松の芯	春	22.4.23.
816	松の芯競ひて背丈伸ばしをり	松の芯	春	22.4.23.
817	一夜明けまた丈伸びぬ松の芯	松の芯	春	22.4.23.
818	直立の揃ひ踏みなり松の芯	松の芯	春	22.4.23.
819	見上ぐれば総員起立松の芯	松の芯	春	22.4.23.
820	ちょいちょいと池面を撫ぜる柳かな	柳	春	22.4.23.
821	石神井池柳に風の散歩道	柳	春	22.4.23.
822	糸柳写す池面や鯉の群れ	糸柳	春	22.4.24.
823	お迎えもそう遠く無し柳の芽	柳の芽	春	22.4.24.
824	逆らはず吹かれて戻る柳かな	柳	春	22.4.24.
825	逆らはずどこ吹く風の柳かな	柳	春	22.4.24.
826	木漏れ日に春蘭ひょいと目が合ひぬ	春蘭	春	22.4.24.
827	春蘭をそっと写してそっと去る	春蘭	春	22.4.24.
828	錨草風もないのに花揺るる	錨草	春	22.4.24.
829	舞ふ蝶に苦虫つぶす農夫かな	蝶	春	22.4.24.
830	蜂飛べりぞろんと脚を垂れしまま	蜂	春	22.4.24.
831	春蝉の鋭き鳴き音蔓橋	春蝉	春	22.4.24.
832	日溜りの窪にやあと春竜胆	春竜胆	春	22.4.24.
833	三姉妹めきて咲きをり筆竜胆	春竜胆	春	22.4.24.
834	山路来て「やあ」と声かく春竜胆	春竜胆	春	22.4.25.
835	一斉に水鳥発てり蘆の角	蘆の角	春	22.4.25.
836	かたくりの花に夕風よく似合ふ	片栗の花	春	22.4.25.
837	片栗や決めのポーズで咲き揃ふ	片栗の花	春	22.4.25.
838	柳揺れ「やあやあやあ」とビートルズ	柳	春	22.4.25.
839	放棄畑ひと際猛る蓬かな	蓬	春	22.4.25.
840	桜蕊降りし辻立ちこけ空也	桜蕊降る	春	22.4.25.
841	黄金もかくやと眩しいたちぐさ	いたちぐさ（連翹）	春	22.4.25.
842	風の道ひねもすはしゃぐ雪柳	雪柳	春	22.4.25.
843	風来ればたちまちはしゃぐ雪柳	雪柳	春	22.4.25.
844	咲き滿る枝の波打つ雪柳	雪柳	春	22.4.25.
845	五月の風頬をそよろと観覧車	五月	夏	22.4.25.
846	米粒にいろがにほへと書く日永	日永	春	22.4.26.
847	般若経千回唱ふ日永かな	日永	春	22.4.26.
848	観覧車急がず回る日永かな	日永	春	22.4.26.
849	沈丁の香り誘ひ躙り口	沈丁花	春	22.4.26.
850	観覧車ときおり軋む日永かな	日永	春	22.4.26.
851	沈丁の一枝が香る茶席かな	沈丁花	春	22.4.26.
852	沈丁の香に足を止め息吸へり	沈丁花	春	22.4.26.
853	華頭窓開けて風入る立夏かな	立夏	夏	22.4.26.
854	女御らも襲（かさね）を減らす夏来る	夏来る	夏	22.4.26.
855	女御更衣襲（かさね）を減らす立夏かな	立夏	夏	22.4.26.
856	聖母子のステンドグラス青葉光	青葉	夏	22.4.26.
857	子かまきり恃むは片手斧一丁	子蟷螂	夏	22.4.26.
858	沈丁花瞳を凝らすペルシャ猫	沈丁花	春	22.4.27.
859	永き日や十局目となるへぼ将棋	日永	春	22.4.27.
860	永き日や猿山のボス大あくび	日永	春	22.4.27.
861	スマホ手に麦を踏み行く農夫婦	麦踏み	春	22.4.27.
862	どれもみな姉と妹二輪草	二輪草	春	22.4.27.
863	姉妹肩を寄せ合ふ二輪草	二輪草	春	22.4.27.
864	片栗の風切るごとく咲きにけり	片栗	春	22.4.27.
865	上水の川辺を埋めて諸葛菜	諸葛菜	春	22.4.27.
866	貝母咲く網目模様の隠し柄	貝母の花	春	22.4.27.
867	山育ち海を知らない錨草	錨草	春	22.4.27.
868	道の端を紅色に染めオキザリス	オキザリス	春	22.4.27.
869	霧島の咲きて川辺の燃え立てり	躑躅（霧島）	春	22.4.27.
870	二人静木陰を埋めて静かなり	二人静	春	22.4.28.
871	山吹や日陰の側を明るめり	山吹	春	22.4.28.
872	ふっくらと木香薔薇の垣根かな	薔薇	春	22.4.28.
873	妹に寄り添ふ姉や二輪草	二輪草	春	22.4.28.
874	仲の良き姉と妹二輪草	二輪草	春	22.4.28.
875	太公望気取り糸垂る浦島草	浦島草	夏	22.4.28.
876	風来れば枝しなやかに花槐	華槐	夏	22.4.28.
877	風来れば枝を弾ませ花槐	華槐	夏	22.4.28.
878	はびこれど抜かずに置きぬ踊子草	踊子草	夏	22.4.28.
879	鉄線花巻きつく物のあれば咲く	鉄線花	夏	22.4.28.
880	赤子ほど大きつむりや牡丹咲く	牡丹	夏	22.4.28.
881	日暮れ道蛍袋に触れてみる	蛍袋	夏	22.4.28.
882	勝手咲く長実雛罌粟町に野に	雛罌粟	春	22.4.29.
883	夾竹桃ひねもす躍る高速道	夾竹桃	夏	22.4.29.
884	声明の声のうねりや五月晴	五月晴	夏	22.4.29.
885	猿山のボスも欠伸の日永かな	日永	春	22.4.29.
886	片割れとなりて拾はる桜貝	桜貝	春	22.4.29.
887	渚にはいつも片割れ桜貝	桜貝	春	22.4.29.
888	観覧車わが意を得たる日永かな	日永	春	22.4.29.
889	観覧車日永に合せ回りけり	日永	春	22.4.29.
890	沈丁の垣に尿する散歩犬	沈丁花	春	22.4.29.
891	花びらの重きに乱る紫木蓮	木蓮	春	22.4.29.
892	天空と凧で繋がる至福かな	凧	春	22.4.29.
893	天空に駆け上りたる凧百連	凧	春	22.4.29.
894	御柱おらぶ男衆逆落とし	御柱	夏	22.4.30.
895	御柱縋る男衆逆落とし	御柱	夏	22.4.30.
896	男衆を振り切り走る御柱	御柱	夏	22.4.30.
897	荒々し男神事の御柱	御柱	夏	22.4.30.
898	急斜面神木走る諏訪大社	御柱祭	夏	22.4.30.
899	男衆の勇猛見せし御柱	御柱	夏	22.4.30.
900	神木をロディオ仕立てに御柱	御柱	夏	22.4.30.
901	御柱跨ぎ縋りて逆落とし	御柱	夏	22.4.30.
902	木落しに女は入れぬ御柱	御柱	夏	22.4.30.
903	御柱水盃で加われり	御柱	夏	22.4.30.
904	木遣から始まる諏訪の御柱	御柱	夏	22.4.30.
905	華乗の栄父子二代御柱	御柱	夏	22.4.30.
906	ござれ市朱の塔飾る桜かな	桜	春	22.5.1.
907	紫陽花寺枝垂桜の先駈けり	枝垂桜	春	22.5.1.
908	料峭忌よき季語遺し師は逝けり	料峭忌	春	22.5.1.
909	緋毛氈野点のお薄柏餅	柏餅	夏	22.5.1.
910	吊り橋の揺れにあたふた風光る	風光る	春	22.5.1.
911	千枚田水満々と風光る	風光る	春	22.5.1.
912	大川の水脈いく筋も風光る	風光る	春	22.5.1.
913	風鐸の微かな響き光る風	風光る	春	22.5.1.
914	風光る朱色鮮やか五重塔	風光る	春	22.5.1.
915	年毎に陣地広げて諸葛菜	諸葛菜	春	22.5.1.
916	諸葛菜咲ふて謂れは忘れけり	諸葛菜	春	22.5.1.
917	吊り橋や蝶ひらひらと追ひ越せり	蝶	春	22.5.1.
918	すいとんの日々思い出す昭和の日	昭和の日	春	22.5.2.
919	寄居虫やそろそろ物件探すかな	寄居虫	春	22.5.2.
920	やどかりの尻から入る新居かな	寄居虫	春	22.5.2.
921	斧振りてたたら踏みをり子かまきり	子かまきり	夏	22.5.2.
922	朝帰りやったぜ顔の恋の猫	恋猫	春	22.5.2.
923	翔平が次々と来る七五三	七五三	冬	22.5.2.
924	かみ合わぬ会話してゐる日向ぼこ	日向ぼこ	冬	22.5.2.
925	背を割りて飛翔軽やか天道虫	天道虫	夏	22.5.2.
926	てんたう虫色鮮やかに自己顕示	天道虫	夏	22.5.2.
927	逃げ隠れせぬをモットー天道虫	天道虫	夏	22.5.2.
928	赤黒黄どれもパステル天道虫	天道虫	夏	22.5.2.
929	目立つ色目立つ水玉てんと虫	天道虫	夏	22.5.2.
930	天道虫草間彌生の本家とも	天道虫	夏	22.5.3.
931	身を隠すなどは論外てんと虫	天道虫	夏	22.5.3.
932	偽装擬態厭ひて生くる天道虫	天道虫	夏	22.5.3.
933	華乗や男のほまれ御柱	御柱	夏	22.5.3.
934	華乗や命がけなる御柱	御柱	夏	22.5.3.
935	華乗や一気呵成に御柱	御柱	夏	22.5.3.
936	華乗のおらぶ声よし御柱	御柱	夏	22.5.3.
037	ござれ市朱の塔包む花吹雪	花吹雪	春	22.5.3.
938	鉄鍋の浅きに滾る泥鰌かな	泥鰌鍋	夏	22.5.3.
939	薬味葱積んで点火の泥鰌鍋	泥鰌鍋	夏	22.5.3.
940	浅草寺詣でし後の泥鰌鍋	泥鰌鍋	夏	22.5.3.
941	浅鍋にたちまち滾る泥鰌かな	泥鰌鍋	夏	22.5.3.
942	紫を根方に散らし桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
943	紫に道を染めたる桐落花	桐の花	夏	22.5.4.
944	芳香を嗅ぐには高き桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
945	蔵と背を競ひて咲けり桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
946	芳香は鳥に嗅がせて桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
947	芳香を鳥に流して桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
948	芳香を鳥に効かせて桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
949	神木をロディオ見立ての御柱	御柱	夏	22.5.4.
950	神木のロディオかと見ゆ御柱	御柱	夏	22.5.4.
951	神木のロディオに紛ふ御柱	御柱	夏	22.5.4.
952	御柱ロディオに紛ふ逆落とし	御柱	夏	22.5.4.
953	御柱ロディオめきたる逆落とし	御柱	夏	22.5.4.
954	華乗のおらびし声や御柱	御柱	夏	22.5.4.
955	華乗や肝据へ跨ぐ御柱	御柱	夏	22.5.4.
956	芳香を放ちて高き桐の花	桐の花	夏	22.5.4.
957	芳香を放てど高し桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
958	芳香の高きに匂ふ桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
959	花びらの蹴出し露はに紫木蓮	紫木蓮	夏	22.5.5.
960	花びらの蹴出し乱るる紫木蓮	紫木蓮	春	22.5.5.
961	立膝の蹴出し露はに紫木蓮	紫木蓮	春	22.5.5.
962	声明の声のうねりや夏きざす	夏きざす	夏	22.5.5.
963	甘酒や清酒をひそと隠し味	甘酒	夏	22.5.5.
964	イケメンの牧師の来たる聖五月	聖五月	夏	22.5.5.
965	白壁の蔵と背比べ桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
966	桐の花落花重ねてなほ咲けり	桐の花	夏	22.5.5.
967	紫に落花道染む桐大樹	桐の花	夏	22.5.5.
968	図書館に向ふ近道桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
969	嫁入りの箪笥となる日桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
970	桐咲いて道に敷き詰む落花かな	桐の花	夏	22.5.5.
971	かくれんぼする子もをらず桐の花	桐の花	夏	22.5.5.
972	声明の聞こゆる寺や桐の花	桐の花	夏	22.5.6.
973	夏立ちぬ軽くなりたる掛け布団	立夏	夏	22.5.6.
974	巻付きつ花次々とクレマチス	クレマチス	夏	22.5.6.
975	夏場所や大川端に触れ太鼓	夏場所	夏	22.5.6.
976	老鶯の鳴き音みやびな山路かな	老鶯	夏	22.5.6.
977	河骨や水面下にも花咲けり	河骨	夏	22.5.6.
978	東大卒序の口で出る五月場所	五月場所	夏	22.5.6.
979	都忘れ風雅な名故覚えけり	都忘れ	春	22.5.6.
980	勿忘草良き名を持ちて愛さるる	勿忘草	春	22.5.6.
981	識別は莟の垂れし春紫苑	春治紫苑	春	22.5.6.
982	えごの花細き花柄を垂らし咲く	えごの花	夏	22.5.6.
983	落花踏む吾を見下ろすえごの花	えごの花	夏	22.5.6.
984	凌霄や見越しの松に捩り咲く	凌霄の花	夏	22.5.6.
985	新茶来て茶筒を空けし古茶を汲む	新茶	夏	22.5.6.
986	「新茶入荷」墨黒々と店頭に	新茶	夏	22.5.6.
987	羊羹の二切れで飲む新茶かな	新茶	夏	22.5.7.
988	へぼ将棋三局終えて新茶かな	新茶	夏	22.5.7.
989	封切れば草の香強き新茶かな	新茶	夏	22.5.7.
990	掌を返すがごとく古茶新茶	新茶	夏	22.5.7.
991	へぼ将棋終えて新茶の午後三時	新茶	夏	22.5.7.
992	新茶来て茶葉たっぷりの古茶旨し	新茶	夏	22.5.7.
993	古茶捌けて新茶に替る茶筒かな	新茶	夏	22.5.7.
994	羊羹のひと際旨き新茶かな	新茶	夏	22.5.7.
995	古茶ですと売る店の無き不思議	古茶	夏	22.5.7.
996	麻のれん掛けて蕎麦屋の更衣	更衣	夏	22.5.7.
997	更衣ネクタイ外しクールビズ	更衣	夏	22.5.7.
998	マネキンを丸裸にし更衣	更衣	夏	22.5.7.
999	Ｔシャツで街に出かける更衣	更衣	夏	22.5.7.
1000	Ｔシャツが半袖になる更衣	更衣	夏	22.5.7.


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