季節の便り


2010年11月
冬季号初冬版


      


[野川を下り都立野川公園・自然観察園へ](10.12.4.)

★みなさん、こんにちは。

東京は、師走に入ってから10日、季語で言う「冬うらら」の暖冬が続いています。わが家のフェンスのノアサガオが日替わりで咲き続け、菜園では“雑草”のホトケノザが咲き出しました。夏の花、アジサイの「隅田の花火」も咲き、返り花ラッシュの趣きです。

スミダノハナビ(隅田の花火) ホトケノザ(仏の座 別名:三階草))
アジサイ科アジサイ属 シソ科オドリコソウ属

冬晴れに誘われて、久しぶりに湧水河川の野川を4kmほど下り、都立野川公園自然観察園までデジカメ散歩をしてきました。川沿いには金色に色づいたカリン、まだ黄緑色のセンダン、真紅の艶やかなハナミズキの実が豊穣の季節を告げていました。

カリン(榠?、花梨) カリン
バラ科カリン属 バラ科カリン属
センダン(栴檀) センダン
センダン科センダン属 センダン科センダン属
ハナミズキ(花水木) ハナミズキ
ミズキ科ミズキ属 ミズキ科ミズキ属

自然観察園は、イロハモミジ、コナラなどが紅葉&黄葉の真っ盛り。さすがに花の姿はリュウノウギクなどの小菊、黄花を付けたツワブキ、咲き残りのコスモスが目に付くくらい。でも夏蝶のツマグロヒョウモン(♀)がツワブキの花から花へと飛び回り、元気に蜜吸いに励んでいるのには、びっくり。これも“返り蝶”とでもいうのでしょうか。

イロハモミジ(いろは紅葉) イロハモミジ
カエデ科カエデ属 カエデ科カエデ属
園内の「かがみ池」に映るイロハモミジ 池面に写り込みのイロハモミジ
コナラ(小楢) ツワブキ(石蕗、艶蕗)&
ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)(♀)
ブナ科コナラ属 キク科ツワブキ属
タテハチョウ科ツマグロヒョウモン属
コスモス(秋桜) コスモス
キク科コスモス属 キク科コスモス属

観察園内では、ゴンズイ、サネカズラ、マンリョウ、ムサシアブミの赤い実、ヤブランの黒紫色の実もショットして、帰途に着きました。

ゴンズイ(権萃 別名:狐の茶袋、黒臭木)) ゴンズイ
ミツバウツギ科ゴンズイ属 ミツバウツギ科ゴンズイ属
サネカズラ(実葛) サネカズラ
マツブサ科サネカズラ属 マツブサ科サネカズラ属
マンリョウ(万両) リュウノウギク(竜脳菊)
ヤブコウジ科ヤブコウジ属 キク科 キク属
ウバユリ(姥百合) ウバユリ
ユリ科ウバユリ属 ユリ科ウバユリ属
ムサシアブミ(武蔵鐙) ヤブラン
サトイモ科テンナンショウ属 サトイモ科テンナンショウ属
野川(小金井新橋から上流を望む)


[紅葉の奥多摩・日原探勝](10.11.16.)

「紅葉の日原探勝」(11月16日)ウォ−クに参加、奥多摩の紅葉を満喫し、60余年ぶりの日原鍾乳洞探訪を楽しんできました。

全山綾錦(小川谷橋から望む)

★午前10時、奥多摩駅に到着したときは、雲一つない青空。参加者一同が期待に胸ふくらませて鍾乳洞行き西東京バスに乗り込みました。途中から1車線の狭いヘアピンカーブが続く日原街道を行くこと約40分。終点は日原川支流、小川谷に架かるアーチ鉄橋、小川谷橋の傍。橋を取り囲む山々も橋下の峡谷も、燃えるような朱色、赤褐色、褐色、黄金色、そして緑色の濃淡が織りなす綾錦。

紅葉・黄葉の山容 小川谷を跨ぐ小川谷橋を望む

★小川谷橋を渡るころから冬雲がみるみる広がり、冷気が強まる中を紅葉と峪底の急流を楽しみながら10分ほど歩いたところで鍾乳洞入口。関東随一の規模を誇る日原鍾乳洞の洞内を30分ほどかけて巡りました。外気温は4℃でしたが、洞内は10度ほどで、急な階段を上り下りして外に出た時ときは汗びっしょり。昼食を摂った後、日原渓谷の紅葉をじっくりと探勝しました。

イロハモミジ(いろは紅葉) イロハモミジとカエデ(楓 橙色)
カエデ科カエデ属 カエデ科カエデ属
イロハモミジ イロハモミジ
カエデ科カエデ属 カエデ科カエデ属
黄葉・紅葉 黄葉と小川谷の流れ(小川谷橋の先で日原川に合流)
日原鍾乳洞入口 鍾乳洞内
関東随一の規模を誇る鍾乳洞で、荘厳な白衣観音、
巨大な蛙のようなガマ岩、時の彼方に引き込まれそ
うな天井知らずなど幻想的な景観を繰り広げている。
この日、鍾乳洞入口の外気温は4℃だったが、洞内は
夏冬変わらない10℃前後の気温が保たれている。
石灰岩の山肌(鍾乳洞対岸の山) 小川谷のあちこちに見られる滝
小川谷の滝 小川谷の滝
梵天岩(鍾乳洞付近) 一石山神社
日原川と黄葉・紅葉 日原川
アワコガネギク(泡黄金菊 別名:菊谷菊)) アワコガネギク
キク科キク属 キク科キク属

[四国(愛媛県)初冬の旅](10.11.7−10)

四国(愛媛県)に3泊4日の日程で出かけてきました。初日は、冬晴れの松山をレンタカーで出発、西条市へ。
同市内の61番札所の香園寺を皮きりに62番札所の宝寿寺、63番札所の吉祥寺を訪ねた後、石鎚山に通ずる
山襞深くに建つ60番札所、横峰寺まで九十九折りの山道を駆けのぼりました。


61番札所、香園寺 61番札所、香園寺本堂
香園寺本尊・大日如来 子安大師堂
イチョウ(銀杏、公孫樹) イチョウ
イチョウ科イチョウ属 イチョウ科イチョウ属
詩人、坂村眞民の詩碑 俳人、種田山頭火の句碑
「念ずれば 花ひらく」 
念ずれば花ひらく
苦しいとき母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった

そうしてそのたびわたしの花が
ふしぎと
ひとつひとつひらいていった
南無観世音おん手したたる水の一すじ

秋の夜の護摩のほのほの燃え盛るなり
香園寺境内で 香園寺境内で
62番札所、宝寿寺本堂 宝寿寺大師堂
63番札所、吉祥寺山門前の狛象 吉祥寺山門
吉祥寺の本尊は毘沙門天 吉祥寺本堂
吉祥寺大師堂 七福神を祀る福聚閣
吉祥寺境内のオニユリ 吉祥寺山門の大樹カシ(樫、橿、?)
ユリ科ユリ属 ブナ科コナラ属

★横峰寺の高台の駐車場に車を置いて周りを見回すと、真っ青な冬空と競うようにカエデ、イロハモミジの紅葉、
イタヤカエデの黄葉が生きを飲む美しさで迎えてくれました。長い下りの参道の崖には緑色の葉影から真っ赤に
色づいたフユイチゴが点々と。

カエデ(槭、槭樹、楓) カエデ
カエデ科カエデ属 カエデ科カエデ属
イタヤカエデ(板屋楓) アキチョウジ(秋丁子) 
カエデ科カエデ属 シソ科ヤマハッカ属
フユイチゴ(冬苺) フユイチゴ
バラ科キイチゴ属 バラ科キイチゴ属
ホバーリングするヤマガラ(山雀) ヤマガラ
スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属 スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属
サザンカ(山茶花) サザンカ
ツバキ科ツバキ属 ツバキ科ツバキ属
ハナスオウ(蘇芳、蘇方、蘇枋) ハナスオウ
マメ科ハナズオウ属 マメ科ハナズオウ属
60番札所、横峰寺 横峰寺本堂
横峰寺大師堂 大師堂を望む
ダイモンジソウ(大文字草) ダイモンジソウ
ユキノシタ科ユキノシタ属 ユキノシタ科ユキノシタ属
ダイモンジソウ ダイモンジソウ
ユキノシタ科ユキノシタ属 ユキノシタ科ユキノシタ属
ホテイマンテマ(布袋まんてま 別名:浜辺マンテマ) ホテイマンテマ
ナデシコ科マンテマ属 ナデシコ科マンテマ属
ノコンギク(野紺菊) ノコンギク
キク科シオン属 キク科シオン属
横峰寺の参道の途中にある稲荷神社の鳥居 ヒロベニヒダタケ
ウラベニガサ科
コセンダングサ(小栴檀草)  コセンダングサ
キク科センダングサ属 キク科センダングサ属
黒瀬ダム 黒瀬ダム
 瓶ヶ森、石鎚山、笹ヶ峰四国連山に源を発し、西条市を貫流
 し、瀬戸内海に注ぐ流路延長約33km、流域面積200km2
 達する愛媛県下有数の河川、加茂川に昭和48年81973)
 に完成した多目的ダム。

★一つ摘まんで口へ。ほんのりと甘酸っぱい果汁が舌から喉を通過。通りかかった老女と娘のお遍路親子に
2、3個摘んで「いかが」と差し出すと「まあ、うれしい」と喜んで賞味してもらえました。

2日目は、木枯らしが吹くものの、薄日の差すまずまずのお天気。JR松山駅から予讃線で西予市宇和町の
43番札所、明石寺へ。卯之町駅前から10分ほど歩いた先にある「重要伝統的建造物群保存地区」の人影の
ない中町通りを抜け、開明学校(国指定重要文化財)横から始まる植林の薄暗い山道を登ること約1時間。
明石寺は杉木立の中にありました。

歴史的町並み保存地区の中町通り 同横町
中町通りから開明学校への道 国の重要文化財指定の開明学校
明治2年(1869)に郷校として開かれていた申義堂は、
同5年学制発布で開明学校となった。教育熱心な町民の
拠金で明治15年(1882)に舶来のガラスを使った擬洋風
のモダンな校舎(平成9年、国重文指定)が新築された。
申義堂時代からの教室 新校舎2階の教室
通過してきたお遍路休憩用の東屋を望む 山道(へんろ道)から明石寺の境内を望む
43番札所、明石寺山門 明石寺の本堂を望む
本堂 大師堂で読経するお遍路
境内の夫婦杉 本堂から山門を望む(本堂、山門とも黄褐色の屋根瓦)
アキノキリンソウ(秋の麒麟草) ヤクシソウ(薬師草)
キク科アキノキリンソウ属 キク科オニタビラコ属

♪BGM:E.Satie[Gymnopedies1]arranged by Pian♪

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