季節の便り


2010年9月
秋季号初秋版


      


[玉川上水・小桜橋〜睦橋](10.9.14.)

みなさん、こんにちは。

★9月に入ってからも記録を更新してきた連続猛暑。これがやっと途切れた14日、久しぶりに小桜橋から玉川上水の右岸に沿って、デジカメ片手の草花散歩をしてきました。

玉川上水(貫井橋付近) 玉川上水(貫井橋付近)

★上水を下る右岸は、流れを覆って鬱蒼と葉を広げる帯状の雑木林の南側のため、直射日光を浴びながらの道行きですが、時おり遊歩道を吹き抜ける風が汗を拭ってくれました。猛暑の前日までとは違う、まさに俳句の季語の心地いい「秋の風」です。

玉川上水の右岸(貫井橋付近) 鱗雲

★起点の小桜橋畔をスタートして直ぐに目に飛び込んできたのは、花芯部の紅色が可愛いムクゲの白花。続いて草叢に点々と薄紅紫色の花頭をみせるノハラアザミ、茜屋橋の手前では薄紅色をした穂状花序のハナトラノオの花蜜を吸うクマバチ、ツルボ、ヤブラン、白い小花はヤブミョウガ…。

ムクゲ(槿、木槿、無窮花) ノハラアザミ(野原薊)
アオイ科フヨウ属 (野原薊
ハナトラノオ(花虎の尾) ハナトラノオ
シソ科ハナトラノオ属 シソ科ハナトラノオ属
クマバチ(熊蜂) クマバチ
ミツバチ科クマバチ属 ミツバチ科クマバチ属
ツルボ(蔓穂) ツルボ
ユリ科ツルボ属 ユリ科ツルボ属
ツルボ ツルボ
ユリ科ツルボ属 ユリ科ツルボ属
ヤブラン(藪蘭) ヤブミョウガ(薮茗荷)
ユリ科ヤブラン属 ツユクサ科ヤブミョウガ属

★次の貫井橋から小金井橋にかけては、川辺の低木を覆って蔓を伸ばし、葉を広げたクズが大葉の間から赤紫色の花穂を覗かせ、房状に黒紫色の実を付けたヨウシュヤマゴボウ、可哀相な名前のヘクソカズラ。車道側には、キバナコスモスやムクゲの仲間の紅色、白色のフヨウが強い日差しを照り返しています。

クズ(葛) ヘクソカズラ (屁糞葛 別名:灸花、早乙女花)
マメ科クズ属 アカネ科ヘクソカズラ属
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡) ヨウシュヤマゴボウ
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属 ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属
キバナコスモス(黄花コスモス) キバナコスモス
キク科コスモス属 キク科コスモス属
フヨウ(芙蓉) フヨウ
アオイ科フヨウ属 アオイ科フヨウ属
フヨウ フヨウ
アオイ科フヨウ属 アオイ科フヨウ属

★陣屋橋、新小金井橋を辿って行くと、薄紅色の小花が固まって咲く姿が遠目に大輪のボタンのように見えるというのが名前の由来のボタンクサギが、迎えてくれました。上水と五日市街道を跨ぐ横断歩道橋の睦橋を渡り、都立小金井公園に立ち寄った後、上水の左岸沿いに帰途に着きました。往復5km余りの玉川上水ウォークでした。

ボタンクサギ(牡丹臭木) ボタンクサギ
クマツヅラ科クサギ属 クマツヅラ科クサギ属
ボタンクサギ 玉川上水(新小金井橋付近)
クマツヅラ科クサギ属
ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶) ヒナタイノコヅチ(日向猪子槌)
シジミチョウ科ヤマトシジミ属 ヒユ科イノコヅチ属
玉川上水左岸(茜屋橋付近)

[庭の火鉢池の増殖するモノアラガイ](10.9.7.)

★みなさん、こんにちは。

★「9月も夏が続く」と気象庁が予報した通り、東京も連続の猛暑日で、デジカメ草花散歩もままなりません。と言う次第で、本日は庭の一角に埋めた火鉢池で自然繁殖中の淡水生巻貝の生態スナップです。

★本来はシロメダカを飼っているのですが、購入した水草に付いていた卵が孵化したと思われるモノアラガイ(物洗貝:殻高、殻幅20mm前後の卵円形。殻は薄質で、薄茶色〜飴色でやや透明感がある)が増殖を続けています。昨年までは水温む季節になるとホテイアオイ(布袋葵 別名:布袋草)を買ってきていたのですが、この春は水草3種シマウリクサ(ウォーター・カーナミン)とマルバキカシグサ(別名:ホザキキカシグサ グリーンロタラ)ほかを購入して火鉢池に入れました。

本来の火鉢池の主メダカ(目高) メダカ
メダカ科メダカ属 メダカ科メダカ属

★今年も6月に入ると巻貝が姿を見せ始めました。ところがホテイアオイのときの左巻のサカマキガイ(逆巻貝)の代わりに、貝殻の形や色、大きさがそっくりながら右巻のモノアラガイが登場、次々と個体数を増やしています。モノアラガイは、カワニナとともにゲンジボタル、ヘイケボタルの幼虫の餌貝なんですね。

モノアラガイ(物洗貝) モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
火鉢の内側に付いたミズゴケやメダカにやる餌のミジンコなど
を旺盛に食べて、あっという間に成貝になり、増殖します。
腹足を波動させて水草を伝い歩く
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
雌雄同体ですが、他の個体と交尾して産卵します。 交尾中?
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
稚貝が親子のようにくっ付いているところです。
モノアラガイ モノアラガイ
モノアラガイ科モノアラガイ属 モノアラガイ科モノアラガイ属
貝殻を下にして水面を背泳ぎで自在に移動します。
モノアラガイ ハダカカメガイ(裸亀貝 別名:クリオネ)
モノアラガイ科モノアラガイ属 ハダカカメガイ科ハダカカメガイ属(クリオネ属)
水面に浮かび移動中 09.3.24.東京農大博物館の水槽で撮影
◆貝殻を持たない巻貝の仲間で“流氷の天使”の愛称を持つクリオネ(ハダカカメガイ)とどこかイメージが重なりませんか。
                                                  (いずれも水面上から水中の貝を撮影)

[東京都薬用植物園の花と実](10.8.30.)

みなさん、こんにちは。

★処暑を過ぎた後もデジカメ散歩を阻む猛暑日が頑強に続いています。30日、東京都薬用植物園で市民ボランティアの打ち合わせ会議があったのを奇貨として、会議の後、炎天下の園内を汗を拭いながら駆け足散策してきました。

★散水だけでは、水分補給が足りずにぐったりした植物たち。花数も厳冬期並みの少なさの中で、懸命にがんばっている花と実をセレクトして披露します。酷暑に真正面から対峙して、昼ごろに咲く1日花の真紅のゴジカ(午時花)、明るい紫色の唇形花はコガネバナ、壺状花のツリガネニンジン、紅紫のミソハギ、白いレース状の花弁はヘビウリ。

ゴジカ(午時花) ゴジカ
アオギリ科ゴジカ属 アオギリ科ゴジカ属
ゴジカ ゴジカ
アオギリ科ゴジカ属 アオギリ科ゴジカ属
コガネバナ(黄金花) コガネバナ
シソ科タツナミソウ属 シソ科タツナミソウ属
ツリガネニンジン(釣鐘人参) ツリガネニンジン
キキョウ科ツリガネニンジン属 キキョウ科ツリガネニンジン属
ミソハギ(禊萩、溝萩) ミソハギ
ミソハギ科ミソハギ属 ミソハギ科ミソハギ属
エビスグサ(胡草、恵比須草、夷草) エビスグサ
ジャケツイバラ科センナ属 ジャケツイバラ科センナ属
ハブソウ(波布草) ハブソウ
ジャケツイバラ科センナ属 ジャケツイバラ科センナ属
ヘビウリ(蛇瓜) ヘビウリ
ウリ科カラスウリ属 ウリ科カラスウリ属
ツノゴマ(角胡麻) ツノゴマ
ツノゴマ科ツノゴマ属 ツノゴマ科ツノゴマ属

★林地に入ると、ツルボ、ヤブラン、タマノカンザシ、緋色のキツネノカミソリの花々、黒紫色に色づいたアメリカニワトコの実。栽培区に戻ると、センナリビョウタン、ヘチマ、トウガン、タマサキツヅラフジの果実たちが秋の到来を告げていました。

ツルボ(蔓穂 ) ツルボ
ユリ科シラー属 ユリ科シラー属
ヤブラン(藪蘭) ヤブラン
ユリ科ヤブラン属 ユリ科ヤブラン属
ギボウシ(擬宝珠 品種名:タマノカンザシ) キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ユリ科ギボウシ属 ヒガンバナ科ヒガンバナ属
ムクゲ(槿、木槿、無窮花) ムクゲ
アオイ科フヨウ属 アオイ科フヨウ属
アメリカニワトコ(アメリカ接骨木、庭常) アメリカニワトコ
スイカズラ科ニワトコ属 スイカズラ科ニワトコ属
センナリビョウタン(千成瓢箪、瓢?) センナリビョウタン
ユリ科ユウガオ属 ユリ科ユウガオ属
ヘチマ(糸瓜、天糸瓜) トウガン(冬瓜)
ウリ科ヘチマ属 ウリ科トウガン属
タマサキツヅラフジ(玉咲き葛藤) タマサキツヅラフジ
ツヅラフジ科タマサキツヅラフジ属 ツヅラフジ科タマサキツヅラフジ属

♪BGM:Vivaldi[The Four Seasons Autumn]arranged by Reinmusik♪

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