鈴童(りんどう)画像俳句コーナー

(第16集)


ヤブコウジ(藪柑子、十両)
ヤブコウジ科ヤブコウジ属
控え目に十両名乗る藪柑子
わが庭に千両はなし藪柑子
庭主に似合うとばかり藪柑子
シャコバサボテン(蝦蛄葉仙人掌)
サボテン科スクルンベルゲラ属
燭灯ししゃこばさぼてん冬明り
しゃこばさぼてん燭増やしゆく師走かな
冬呼んでしゃこばさぼてん花繚乱
冬を待ちしゃこばさぼてん燃へ立ちぬ
しゃこばさぼてん艶やかに咲く師走かな
お大師の巨像立つ山冬紅葉
コウヤボウキ(高野箒)
キク科コウヤボウキ属
12.11.21.愛媛県松山市内で
冬晴れや高野箒の影一輪
コセンダングサ(小栴檀草)
キク科センダングサ属
12.11.21.愛媛県松山市内で
道の端に小栴檀草冬へんろ
12.11.21.愛媛県松山市内で
舗装路の深紅の一葉冬紅葉
四万十川(12.11.20.)
冬うらら四万十の色空の青
フジバカマ(藤袴)
キク科ヒヨドリバナ属
枯れてこそ芳香いずるや藤袴
末枯れてほのと香るや藤袴
供花筒に藤袴挿す墓のあり
末枯れてほのと香るや藤袴
陽光のす枯れて寂し藤袴
ササリンドウ(笹竜胆)
リンドウ科リンドウ属
昂然と天を仰ぎし笹竜胆
廃村の午後の日差しに笹竜胆
ホトトギス(杜鵑草 、時鳥草)
ユリ科ホトトギス属
枯れ草に姿くらまし杜鵑草
キフネギク(貴船菊。秀明菊)
キンポウゲ科イチリンソウ属
貴船菊菊の名を持つ異端花
貴船菊名も花弁も擬(もどき)なり
ツリガネニンジン(釣鐘人参).
キキョウ科ツリガネニンジン属
釣鐘人参魔法をかけて鳴らしたし
ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)
バラ科ワレモコウ属
お辞儀したままで日を浴ぶ吾亦紅
花びらを持たぬ花なり吾亦紅
キツリフネ(黄釣舟)
ツリフネソウ科ツリフネソウ属
皺しわの花が風漕ぐ黄釣舟
吹く風にそれぞれ揺れる黄釣舟
黄釣舟距と言ふ花の尻尾あり
命綱ありて揺らゆら黄釣舟
釣舟草法螺貝の名もさもあらん
イヌショウマ(犬升麻)
キンポウゲ科 サラシナショウマ属
夕霞む犬升麻の穂秋暮るる
犬升麻白い花穂揺る暮の秋
ヒオウギ(檜扇)の種の謝干玉(ぬばたま)
アヤメ科アヤメ属
檜扇や実ぞ射干玉(ぬばたま)の黒光り
ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)
タデ科イヌタデ属
秋うらら姫蔓蕎麦は二度の花期
秋うらら姫蔓蕎麦の球形花
鯖雲
都立井の頭公園で12.10.13.午後4時撮影
天空の肋骨かとも鯖の雲
白い畝広々と雲秋入日
広々と畝を刻みて秋の雲
見上ぐれば見下ろしてゐる鰯雲
ミョウガ(茗荷)
ショウガ科ショウガ属
秋茗荷地に散るごとく咲きにけり
夕間暮れ屈みて写す茗荷の花
群れ蝶の地に舞い降りぬ秋茗荷
土割りて様子見するや秋茗荷
竹笊に並べて清し秋茗荷
コムラサキ(小紫)
クマツヅラ科ムラサキシキブ属
秋入日小紫の実艶めけり
艶やかに秋の入日の小紫
ヒガンバナ(彼岸花 別名:曼珠沙華など多数)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
夕日浴び炎掻き立つ曼珠沙華
曼珠沙華墓地の供花には加わらず
異相異端忌み名の多き曼珠沙華
クサギ(臭木、常山木)
シソ科クサギ属
紅萼の瞳もつぶら常山木(くさぎ)の実
小鳥呼ぶ円らな瞳常山木の実
コスモス(秋桜)
キク科コスモス属
コスモスの揺れて倒れてまた起きぬ
花の波打ち寄せ返す秋桜
花浮かせたゆとふ浪か秋桜
都立小金井公園で
野遊びの児らの声冴え秋澄めり
タマスダレ(玉簾)
ヒガンバナ科タマスダレ属
登校の児ら行く道や玉すだれ
風過ぎて花群れ揺るる玉すだれ
道の端の花列長き玉すだれ
雨雲の暗き道の端玉すだれ
ハゴロモルコウソウ(羽衣縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
緋衣に足止めて見る縷紅草
フウセンカズラ(風船葛)
ムクロジ科フウセンカズラ属
風船葛ふわりと風に揺らぎけり
古利根川の舫い舟
朽舟の舫ふ古利根野分雲
古利根の川面に暗き野分雲
アレチウリ(荒れ地瓜)
ウリ科アレチウリ属
猛々し秋の河原の荒地瓜
マンジュシャゲ(曼珠沙華 別名:彼岸花)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
参道の長きに沿いて曼珠沙華
シュウカイドウ(秋海棠)
シュウカイドウ科シュウカイドウ属
どの花も懺悔のポーズ秋海棠
ニラ(韮)
ヒガンバナ科ネギ属
二文字は判じ物なり韮の花
雑草と丈くらべする韮の花
小鼓の乾きし響き韮の花
アスパラガス(別名:雉隠)
ユリ科アスパラガス属
赤い実を緑霞に浮かせ雉隠
赤い実に緑の霞む雉隠
クリ(栗)
ブナ科クリ属
毬栗(いがぐり)の青々として高麗の里
イチジク(無花果)
クワ架イチジク属
枝もぎで無花果食ひし日の記憶
トウガラシ(唐辛子 別名:鷹の爪)
ナス科トウガラシ属
天指して火色鋭き鷹の爪
艶やかに辛さ育む唐辛子
天裂けとばかり爪立つ唐辛子
ルージュ濃き女の指や鷹の爪
ミョウガ(茗荷)
ショウガ科ショウガ属
茗荷掘り儚き花を掬い上ぐ(11.10.7.)
淡黄の花宥めるごとく茗荷掘る(11.10.6.)
葉隠れに恥じろふて咲く花茗荷(12.8.16.)
儚さを花の姿に秋みょうが(12.8.16.)
嫋やかな茗荷の花の土拭ふ(12.8.16.)
空蝉(小平市内で12.8.10.撮影
門柱に空蝉遺し生命発つ
門柱に空蝉かじりついたまま
小平市内で12.8.8.撮影
浮雲の動くとも見せず七月尽
夏の雲もくりもくりと浮かびをり
ギボウシ(擬宝珠)
ユリ可ギボウシ属
庭で12.8.2.撮影
葉の上に雨滴散りばむ花擬宝珠
茎先に小首傾げし花ぎぼし
ネムノキ(合歓木)
ネムノキ科ネムノキ属
近所で12.8.2.撮影
合歓の花眠気を誘ふ紅霞
満月(二日月)
自宅2階ベランダから12.8.2.撮影
星見へぬ空に孤高の二日月
庭の主蟇が見上ぐる二日月
剃り跡の青き尼僧や二日月
クーラーの唸り続くやけふの月
サボテン(仙人掌、覇王樹)
サボテン科エキノプシス属
庭で12.6.8.撮影
さぼてんの毛深き茎に花一つ
妙齢の美女の風情や花さぼてん
花さぼてん月下美人の従姉妹なり
一日で果てる命や花仙人掌
一日の命ほほ笑む花仙人掌
正福寺地蔵堂(国宝)
東村山市内で12.6.7.撮影
こけら屋根夏空に反る地蔵堂
ブラシノキ(別名:カリステモン)
フトモモ科ブラシノキ属
昭島市内で12.6.10.撮影
遠目にも真紅燃へ立つブラシの木
花糸の真紅燃え立つぶらしの木
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)
キンポウゲ科デルフィニウム属
昭島市内の多摩川で12.6.10.撮影
多摩川に子燕見えず飛燕草
テッセン(鉄線花 別名:クレマチス)
キンポウゲ果センニンソウ属
庭で12.6.1.撮影
鉄線の紫凛と見上げをり
強靭の蔓ありてこそ鉄線花
フェンス巻く鉄線の蔓揺るぎなし
金環日食(毎日jpから転借 12.5.21.朝7時過ぎ)
金環の列島走る初夏の朝
金環や白夜想わす若葉影
木漏れ日の千の金環若葉風
金環の炎のビーズ若葉風
旭天鵬(12年夏場所初優勝)
wikipediaより転借
夏場所や旭天鵬の名を刻す
五月場所清しく締めた旭天鵬
初賜杯涙も薫る旭天鵬
風薫る賜杯清しく旭天鵬
大川や旭天鵬の五月場所
ジャガイモ(馬鈴薯)
ナス科ナス属
小平市内の菜園で12.5.17.撮影
馬鈴薯の花に笑みつつ土寄せる
馬鈴薯の花盛りなり土寄せる
葛飾北斎筆「富嶽三十六景 凱風快晴」
夏富士や山容変える活断層
九代目市川團十郎の「暫(しばらく)」の鎌倉権五郎
wikipediaより転借
暫の見得を切りたる蝉の殻
蝉の抜け殻
庭で10.8.4.撮影
後太刀浴びたるごとき蝉の殻
ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)
ケシ科ケシ属
小平市内で12.5.9.撮影
したたかに長実雛罌粟自在なり
バラ(薔薇)
バラ科バラ属
庭で12.5.9.撮影
薔薇の香の満ちて女の香も満てる
紅薔薇の妖艶忘じ難き罪
唇のルージュが光る薔薇一枝
ストローにルージュ残して若葉風
サッフォー
wikipediaより転借
サッポーの胸乳に赤き薔薇ふたつ
バラ(薔薇)
バラ科バラ属
庭で12.5.4.撮影
紅薔薇に負けじと緋鯉こどもの日
ベランダの鯉のぼり(12.5.4.撮影)
青空に浮かぶ雲あり鯉のぼり
留め金の錆の歳月鯉のぼり
青梅になに語りかく鯉のぼり
ベランダでだだ捏ねている鯉のぼり
腹の中までもずぶ濡れ鯉のぼり
鯉のぼり真似て口開く池の鯉
雨に濡れ一束となる鯉のぼり
ミョウガ(茗荷)
ショウガ科ショウガ属
庭で12.5.4.撮影
あそこにもここにも背伸ぶ茗荷の子
茗荷の子見つけてうれし庭の隅
ヘレボルス(俗称:クリスマスローズ)
キンポウゲ科クリスマスローズ属
庭で12.5.1.撮影
薫風を受けてはにかむヘレボルス
ヘレボルスなにを祈るや風薫る
シャクヤク(芍薬)
ボタン科ボタン属
10.5.19.撮影
ヤマシャクヤク(山芍薬)
ボタン科ボタン属
都殿ヶ谷戸庭園で12.4.13.撮影
芍薬のなぜと問はらば立ち姿
オドリコソウ(踊子草)
シソ科オドリコソウ属
小平市内で12.4.25.撮影
踊子草百万本の放置畑
休耕の畑埋め尽くし踊子草
ニワトコ(接骨木、庭常)
スイカズラ科ニワトコ属
小平市内で12.4.25.撮影
春を閉む接骨木(にわとこ)の花霞をり
白霞む接骨木の花四月尽
ネジバナ(捩花 別名:文字摺)
ラン科ネジバナ属
右巻も左もありて捩じり花
もじずりの捩じり違へる右左
カキツバタ(燕子花、杜若)
カキツバタ(燕子花、杜若)
アヤメ科アヤメ属
根津美術館庭園《東京・青山)で12.4.26.撮影(1輪初開花の日)
回遊の池端鮮やか燕子花
燕子花早や咲き初めて四月尽
国宝・尾形光琳筆「燕子花図屏風」(根津美術館蔵)
「燕子花図屏風」(右側)
「燕子花図屏風」(左側)
光琳の意匠光るや燕子花
尾形光琳筆「八橋図屏風」(メトロポリタン美術館蔵)
「八橋図屏風」(右側)
「八橋図屏風」(左側)
群青の咲き揃ひたる燕子花
レオナルド・ダ・ビンチ画「ほつれ髪の女」(パルマ美術館蔵)
ほつれ髪胸乳の疼く春の宵
乳房こそ春には春の武器となり
春風や胸乳豊かに観世音
ミロのヴィーナス(ルーブル美術館蔵)
裸婦像の乳房を撫ぜて春の風
やわらかな丸き乳房や母子草
乳房吸ふものみな可愛春うらら
ブラウスの乳房撥ね上ぐ半仙戯
<半仙戯=ブランコ>
鬚生えて胸ふくらみて人の春
フデリンドウ(筆竜胆)
リンドウ科リンドウ属
国分寺市内で06.4.15.撮影
青空と同じ色なり筆竜胆
行き戻り改めて見る春竜胆
ボケ(木瓜)
バラ科ボケ属
国分寺市内で06.4.15.撮影
近道の路地の生垣更紗木瓜
濃淡の花に虫呼ぶ更紗木瓜
呆けと木瓜なぜかおかしく緋木瓜咲く
フタリシズカ(二人静)
センリョウ科チャラン属
都薬用植物園で10.5.15.撮影
二人静木の間隠れに静かなり
群れ咲けど二人静の影薄く
鎌倉大仏(別名:長谷の大仏)
高徳院清浄泉寺で08.2.15.撮影
大仏や胎から眺む長谷の春
シダレザクラ(枝垂れ桜 別名:糸桜
バラ科サクラ属
小平市内で12.4.19.撮影
高曇る空の薄紅糸桜
曇り日をほの明るませ糸桜
しなやかに枝垂れ桜の紅霞む
ニリンソウ(二輪草)
キンポウゲ科イチリンソウ属
都薬用植物園で09.4.11.撮影
一輪はやや控えめに二輪草
連れのない花もあるなり二輪草
三輪の親子と見ゆる二輪草
キブシ(五倍子)
キブシ科キブシ属
都立小金井公園で10.3.8.撮影
木ぶし咲く花の鎖が幾すじも
花穂垂れてふと気づかせる木ぶしかな
花木ぶし鎖を雨滴走りけり
ミツマタ(三椏)
ジンチョウゲ科ミツマタ属
都薬用植物園で12.3.27.撮影
三椏の花咲く店や串団子
三椏の花頷いて風招く
三椏の花咲く庭や緋毛氈
三椏の三つ三つと花の珠
イトヤナギ(糸柳 別名:枝垂れ柳)
ヤナギ科ヤナギ属
石神井池で12.4.8.撮影
青空に緑の霞む柳かな
やわらかに緑しだれる糸柳
イトヤナギ(糸柳 別名:枝垂れ柳)
ヤナギ科ヤナギ属
石神井池で12.4.8.撮影
池の面に裾引き摺りし糸柳
池の鯉ひょいひょいと呼ぶ糸柳
タラノキ(たらの木、多羅の木)
ウコギ科タラノキ属
日立中央研究所(国分寺市)の大池畔で08.4.14.撮影
たらの芽や採るなとばかり太いとげ
あわてるや指に血を吹く多羅新芽
(一ツ橋)大学通りの桜並木(国立駅前出12.4.10.撮影)
羽衣を連ねてゆくやさくら道
さくら咲く天の羽衣打ち重ね
満開で気付く桜の樹の多さ
関東管区警察学校前の桜並木(小平市で12.4.10.撮影)
花ちらし蘂を散らして逝くさくら
花吹雪池面に舞ひて花筏
ユキヤナギ(雪柳 別名:小米花)
バラ科シモツケ属
石神井池畔で12.4.8.撮影
柔らかにときに波立つ雪柳
雪やなぎ風招かんと枝揺るる
そよ風の吹くを気付かす雪柳
雪やなぎ神楽囃子に揺れるかな
ハクモクレン(白木蓮)
モクレン科モクレン属
道場寺(練馬区)で12.4.8.撮影
はくれんや蒼天抉るごとく咲く
道場寺の鐘楼(12.4.8.撮影)
鐘楼に花そえている桜かな
散り際も量りしごとく桜咲く
ハナニラ(花韮)
ユリ科ハナニラ属
石神井池畔で12.4.8.撮影
木漏れ日に花韮の花現るる
ハナモモ(花桃)
バラ科サクラ属
石神井池畔で12.4.8.撮影
豊艶な色香に噎せて桃の花
風俗作家 吉村平吉さん(2005.3.1.没 享年84歳)
世田谷・松陰神社の鰻割烹「一二三」の偲ぶ会で12.3.31.撮影
大老と背中合わせや平吉忌
大老に風俗語る平吉忌
白スーツ決めてビールや平吉忌
にこにことビールに噎せる平吉忌
酸狂の行きつく果てや平吉忌
威張るよりえばられている平吉忌
<浅草を愛し、浅草で没した風俗作家、吉村平吉さん(1929-2005.3. 1.)を偲ぶ会での披露20句より。野坂昭如「エロ事師たち」のモデルとして知られる。大老、井伊直弼の菩提寺、世田谷・豪徳寺の吉村家の墓に眠る。故人を偲び新たに春の季語・平吉忌とする。>
ミモザ(フサアカシア、ギンヨウアカシア)
ネムノキ科アカシア属
世田谷区内で12.3.31.撮影
鮮黄のミモザひたすら眩しけり
大揺れにゆれて眩しいミモザかな
鮮黄に香を潜らせてミモザ咲く
シロバナジンチョウゲ(白花沈丁花)
ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
世田谷区内で12.3.31.撮影
白無垢の沈丁の花香り立つ
世田谷区役所で12.3.31.撮影
散る梅の吹き寄せられし花溜まり
アセビ(馬酔木)
ツツジ科アセビ属
世田谷区内で12.3.31.撮影
枝つかみ揺すれば鳴るや花馬酔木
花馬酔木カリヨンのごと鳴るもがな
ツバキ(椿)
ツバキ科ツバキ属
世田谷区内で12.3.31.撮影
葉と数を競ふがごとく白つばき
ユキヤナギ(雪柳 別名:小米花、小米柳)
バラ科シモツケ属
世田谷区内で12.3.31.撮影
疾風に狂喜乱舞ぞ雪柳
コブシ(辛夷)
モクレン科モクレン属
世田谷区内で12.3.31.撮影
烈風にひたすら耐えて花辛夷
ヒヤシンス(風信子)
ユリ科ヒヤシンス属
庭で12.3.30.撮影
ときとして一陣の風ヒヤシンス
ヒヤシンス少年愛の影曳いて
ザゼンソウ(座禅草)
サトイモ科ザゼンソウ属
都薬用植物園で12.3.27.撮影
覗かれてちと恥ずかしや座禅草
背を丸め瞑想つづく座禅草
サンシュユ(山茱萸 別名:春黄金花、秋珊瑚、やまぐみ)
ミズキ科ミズキ属
都薬用植物園で12.3.27.撮影
里山の山茱萸の花霞をり
カタクリ(片栗
ユリ科カタクリ属
都薬用植物園で12.3.27.撮影
山颪(おろし)堪えて片栗咲く姿勢
トサミズキ(土佐水木)
マンサク科トサミズキ属
都薬用植物園で12.3.27.撮影
青空に花の房提ぐ土佐みづき
サクラ(桜 品種名:河津桜)
バラ科サクラ属
小平市内で12.3.28.撮影
人笑ます河津桜の功徳かな
華やぐや河津桜の花天蓋
花重ね河津桜の夕映えり
ナズナ(薺 別名:ぺんぺん草、三味線草)
アブラナ科ナズナ属
目立たねど目につく花や薺咲く
ゆきずりの草とは見せて花薺
俳聖を立ち止まらせし薺咲く
踏まれてもこともなき気の薺花
手桶さげ墓への道の花薺
メジロ(目白)
メジロ科メジロ属
庭で12.3.20.撮影
蜜を吸ふ目白の影や豊後梅
蜜を吸ふ目白の影や梅満開
ウメ(豊後梅)とヒヨドリ(鵯)
バラ科サクラ属 ヒヨドリ科ヒヨドリ属
庭で12.3.19.撮影
春の風揺さぶる一花も散らざりき
東風吹けど梅の一花も散らさざり
満開の梅揺すりけり風と鳥
カワヅザクラ(河津桜)
バラ科サクラ属
12.4.14.小平市内で撮影
昼酒や河津桜と色くらべ
ウメ(梅)
バラ科サクラ属
12.3.4.小平市内の小林農園で撮影
咲き初めし花の香伝ふ涅槃吹
白梅や樹下に寄り添ふ仏の座
誘はるる匂ひの先ぞ梅畑
仲間7人でやっている菜園(約200u)でオーナーに小型トラクターによる
畑鋤きをしてもらっているところ。メンバーの1人がジャガイモ用地の畝の
糸張りをし、この後、鍬で9畝の畝掘りをした。種薯植えは次週行う予定。
ちなみに昨年は、メイクイーン、北の光りの2種あわせて102kgを収穫。
12.3.14.小平市内の菜園で撮影
畑打の黒地広げてトラクター
ウメ(梅 品種名:豊後梅)
バラ禍サクラ属
12.3.13.庭の豊後梅が朝10輪ほど同時に開花。昨年の初咲きは2.25.
わが豊後ついぞ咲き初む涅槃西風
豊後の香太宰へ送れ涅槃西風
紅ふくみほっこりと咲く豊後かな
待つ甲斐を知らしめて咲く豊後かな
ふくよかに豊後咲き初め涅槃吹
楊貴妃の花の姿や豊後梅
下島勲による「乞食井月」の素描(*15集に関連句)
伊那谷に果てし井月春の闇
伊那谷を窪溜りとし井月忌
<1887.3.10.66歳没>
伊那谷は窪溜りなり井月忌
<落栗の座を定めるや窪溜り 井月>
身を告げず酒をうつつに井月忌
俳と酒虱疥癬井月忌
井月忌ない(地震)に纏はる悲話秘めて
畑打や黒地広げるトラクター
小平市内の畑で12.3.7.撮影
梅の木に積もった雪
庭で12.2.29.撮影
淡雪のはずが五寸も積もりけり
淡雪や垂(し)ずる音して降り止みぬ
雪垂ずる音に耳寄せ二月尽
東京に大雪
小平市内で午前9時すぎ撮影
母と子が足跡残す春の雪
しんしんと雪降り積もり二月尽
東京は雪降るなかに二月尽
観音崎灯台
三浦半島観音崎で12.2.26.撮影
崎に立つ灯台染めて春夕焼
灯台は母の温もり二月尽
オオセグロカモメ(大背黒鴎)
カモメ科カモメ属
横須賀市馬堀海岸で12.2.26.撮影
波消しの背黒鴎や春北風
汐溜まり春北風避け鴎浮く
ツバキ(椿)
ツバキ科ツバキ属
観音崎出12.2.26.撮影
黒い染み広げ朽ちゆく落椿
落椿朽ち果ててゆく紅無残
仰向きも俯きもあり落椿
スイバ&スカンポ(酸葉・酸模)
タデ科スイバ属
観音崎の浜辺で12.2.26.撮影
すかんぽの緑豊かに浜の路
ウメ(梅)
バラ科サクラ属
横須賀市馬堀海岸付近で12.2.26.撮影
がけ下の屋根を覆ふて梅満開
横須賀水道発祥の水(ヴェルニーの水)
横須賀市走水で12.2.26.撮影
春の水掬へば甘き味したり
春北風人の汲み来る走水

[佐保姫]
伊藤豊吉画 伊藤龍涯画
佐保姫の裳裾濡らして瀬の速む
佐保姫の駆け下りて来し素足かな
佐保姫の胸乳隠せし霞かな
佐保姫の胸疼かせるものはなに
佐保姫の濡らす胸乳の香しき
佐保姫がくすりと笑ひ唇に手を


♪BGM:Buch[Goldberg aria]arranged by Mari Kumamoto♪


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