鈴童
『春耕』句会報搭載俳句の記録帳
選句者 塚本清(東村山けやき句会・春耕同人)
塚本清・小林博(立川羽衣句会・春耕同人)
下段に行くほど搭載号数があたらしくなります。 


<平成22年8月号句会報搭載>
友逝きて蛍火一つ高く飛ぶ


<平成22年9月号句会報搭載>
真昼時するすると行く蜥蜴の子


<平成22年10月号句会報搭載>
長崎忌目の穴深きマリア像


<平成22年11月号句会報搭載>
それぞれが触れずに揺れる吾亦紅


<平成22年12月号句会報搭載>
紫蘇の実を素手に集むる爪の色

<平成23年2月号句会報搭載>
山茶花の根元真白に散りにけり



<平成23年3月号句会報搭載>
吉書揚げ見つめる児らの眼に火影


<平成23年4月号句会報搭載>
南天の枝を押し曲げ涅槃雪


<平成23年6月号句会報搭載>
採りたての温みの残る胡瓜食む


<平成23年9月号句会報搭載>
いくつもの思い出の果て雲の峰


<平成23年10月号句会報搭載>
窓開けて招き入るるや処暑の風


<平成23年11月号句会報搭載>
曼珠沙華隠るるごとく咲く一輪


<平成23年12月号句会報搭載>
湯をくぐる隠元の色際立てり


<平成24年2月号句会報搭載>
つくばひに揺るる影あり浮紅葉
はよ抜けと土に浮き出す蕪かな


<平成24年3月号句会報搭載>
解けてなほ人ほほ笑ます雪達磨
裸木でなほ美しき樹もありぬ


<平成24年4月号句会報搭載>
六地蔵首なきもある余寒かな
一輪に声弾ませて探梅行


<平成24年5月号句会報搭載>
梅林の人みな梅の香を纏ひ
畑道や轍もつれる春の泥


<平成24年6月号句会報搭載>
一輪はやや控えめに二輪草
さみどりの彩も味なり嫁菜飯


<平成24年7月号句会報搭載>
馬鈴薯の花に笑みつつ土寄せる
子かまきり生まれながらに凄みけり


<平成24年8月号句会報搭載>
ギヤマンの光を添へて夏料理
八国の山裾埋む花菖蒲


<平成24年9月号句会報搭載>
素手でもぎ胡瓜にちくと刺されけり
するりと来また走りだす蜥蜴の子


<平成24年10月号句会報搭載>
へイジュード夏の五輪の幕上がる


<平成24年11月号句会報搭載>
大輪の黄花の裾に南瓜の子
秋の蚊のなほ猛々し残暑かな

♪BGM:Chopin[Nocturne20]arranged by Reinmusik♪

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