これでいいのか日本! |
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ー三十一文字で憂うー | ||
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番 | 作 品 | 詠みし月日 |
1 | 吾もまた短歌を詠まむとぞ思ふ 大震災の記憶のために |
(11.7.30.) |
2 | 挙国とは死語になり果て復興の 槌音もせぬ被災地無残 |
(11.7.30.) |
3 | 原子力安全・保安とは笑止 危険欺瞞の犯罪役所 |
(11.7.30.) |
4 | 辞任時期詰問されて泣き出す大臣(おとど) 幼稚園児の喧嘩のごとし |
(11.7.30.) |
5 | パニックを怖れるあまり隠蔽で 汚染の輪をば広げし政府 |
(11.7.30.) |
6 | 中国の列車事故処理笑へるか やらせメールの産官茶番 |
(11.7.30.) |
7 | これでもかこれでもかとの災害の 追い打ち続く被災地に手を |
(11.7.31.) |
8 | 指折れば地震津波に放射能 豪雨加わるむごさに絶句 |
(11.7.31.) |
9 | 増税をする派しない派および腰 犬の遠吠え復興阻む |
(11.7.31.) |
10 | 菅の首一つを取れず復興の 目途さえ立たぬ政治に怒り |
(11.7.31.) |
11 | 菜園の自作野菜も不安なり 汚染腐葉土回収さわぎ |
(11.7.31.) |
12 | 電力にやらせを誘う佐賀の知事 原発依存体質あわれ |
(11.7.31.) |
13 | 魂を悪魔に売りしファウストか 佐賀県知事の原発対応 |
(11.8.1.) |
14 | 金で釣り金で目眩む自治体を 責める資格が誰にありしや |
(11.8.1.) |
15 | 声上げぬ若い世代に尋ねたし 原発のツケ払うのは君ら |
(11.8.2.) |
16 | 被災地の風評被害煽りしは 後手で出てくる汚染認定 |
(11.8.2.) |
17 | 新米の旨さ諦め古米買う 汚染防衛余りに悲し |
(11.8.3.) |
18 | 国産は敬遠されて牛丼の 吉野家松屋息吹き返す |
(11.8.4.) |
19 | 福島は悲しき鳥ぞ慈悲心鳥 汚染を避けて子を他に預け <慈悲心鳥(ジヒシンチョウ)は、別名:ジュウイチ(十一)。カッコウ科カッコウ属の渡り鳥(夏鳥)。5-7月にオオルリ、コルリ、ルリビタキなどの巣に卵を産み、それらの親鳥に雛を育てさせる托卵の習性がある。> |
(11.8.4.) |
20 | 菅蹴りにうつつを抜かす与野党の だらけ政治に怒りいや増す |
(11.8.4.) |
21 | 原発の交付金ノーの自治体出でて 飴玉で釣る時代終はるか <福島県南相馬市は、原発立地計画のある自治体に国から交付される「電源立地等初期対策交付金」の今年度分約5200万円の受け取りを辞退する方針を固めた。8.4.毎日新聞夕刊> |
(11.8.4.) |
22 | 与野党の「子ども」「児童」の言葉遊び 念頭になき子らの幸せ |
(11.8.5.) |
23 | からだ張り真実語る良心の 学者官僚希望の光 <経済産業省官僚の古賀茂明さん、東大教授の児玉龍彦さんらの身を張った国会証言が永田町、霞が関、電気事業者の欺瞞、隠蔽を明らかにしている。> |
(11.8.5.) |
24 | 原爆忌われらの受けし痛恨は 平和利用の原発汚染 |
(11.8.6.) |
25 | 菅叩き罵詈雑言の政治家に 後継託せる人無き哀し |
(11.8.9.) |
26 | 被災松の割木参加を駄目と言ふ 過剰反応京の送り火 一転 被災松受け入れ拒否に声上がり 割木に加え大文字燃ゆ 二転被災松セシウムが出て大文字 参加の願い虚しくも消ゆ 風評と汚染データの挟み撃ち 送り火不可の被災松あわれ 三転成田山被災の松を焚くと言ふ はぎ取る樹皮の処分やいかに |
(11.8.9.) |
27 | 俳句では詠めぬことども短歌には 心のたけを言へる楽しさ |
(11.8.11.) |
28 | 玉音の甲高き声聞きし日も 遠きになりて我も老人 |
(11.8.11.) |
29 | 猛暑日のエアコンの音響けども 蝉時雨れ絶え索漠の夏 |
(11.8.12.) |
30 | 命果つ前の日までも歌を詠み 毅然と逝きし女流の誠 残る息使い尽くして歌人詠む <歌人、河野裕子さんは乳がんのため10.8.12.死去、64歳。夫の歌人、永田和宏さんら家族に見守られ、息を引き取る直前に夫に口述した最期の歌「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」 合掌> |
(11.8.12.) |
31 | 亡き人にそれを知りつつ携帯を 懸けたる人の心ぞ沁みる |
(11.8.12.) |
32 |
菅首相どんな悪きをしたのかと 声出始めし辞任の前に |
(11.8.13.) |
33 | ゲリラ的政治手法を嫌悪せし 体制側の菅包囲網 |
(11.8.13.) |
34 | 二種類の原爆実験するために 広島だけか長崎までも |
(11.8.14.) |
35 | 終戦日風化進めど忘れまじ 核被爆四度で国の滅ぶを |
(11.8.15.) |
36 | おーしぃつくおーしぃつくと法師蝉 気ぜわしく鳴く今日終戦日 |
(11.8.15.) |
37 | ジャスミンに芳香紛ふ舌切草(したきそう) 名前の由来分からぬ不思議 |
(11.8.15.) |
38 | 農小屋を覆いて咲ける灸花 煙り燃へ立つ熱さ想へり |
(11.8.16.) |
39 | したたかに体制守り身を守る 国を手玉の霞が関は |
(11.8.17.) |
40 | 泣きじゃくるライトヴァースな経産相 弱虫毛虫の成れの果て |
(11.8.17.) |
41 | この国の危機など頓と忘れ去り 三流どもの政権談合 |
(11.8.17.) |
42 | 被曝には無視をきめるか諦めの 先送り主義で腐臭の国に |
(11.8.17.) |
43 | 洗浄に血道上げしも拭えない 環境汚染からだの汚染 |
(11.8.17.) |
44 | 原発の撒き散らしたる放射物 エイズと同じ不治のウィルス |
(11.8.17.) |
45 | 安楽の生活のため原発に 命担保に差し出せしツケ |
(11.8.17.) |
46 | 国会は挙国復興の熱意なく 脱原発も空念仏に |
(11.8.18.) |
47 | やらせあり隠蔽ありに連絡もれ 原発事故の「事象」の正体 |
(11.8.18.) |
48 | おーしぃつくおーしぃつくつく法師蝉 嫁を求めて喉嗄らしおり |
(11.8.19.) |
49 | 原発の撒き散らしたる放射物 子づくり阻む亡国の因 |
(11.8.19.) |
50 | どんぐりの右顧左眄せし代表選 こんな輩が菅よりいいか |
(11.8.22.) |
51 | 時古りし薔薇も花芯は燃え続け その火は消えず灰になるまで |
(11.8.24.) |
52 | 里芋の大葉を埋めし油虫 ウッドストックかくやとばかり |
(11.8.24.) |
53 | 早稲の香の 広がりしとき 稲雀 喜び集ひ 叙勲言祝ぐ <早稲田大学名誉教授、伊藤順蔵さんの瑞宝中綬章受章祝いの寄せ書きに詠む。小平稲門会会長であり、楽農会の仲間。11.8.27.祝賀会> |
(11.8.27.) |
54 | たまゆらの逢瀬せつなき天の川 氷川となれば滑り行くのに |
(11.8.27.) |
55 | 生い立ちの貧しさばかり言あげて 政治哲学なきどんぐり候補 |
(11.8.27.) |
56 |
そうす菅からバトンを継ぎし野田どぜう |
(11.8.29.) |
57 | 自らを泥鰌に見立て野田政権 安来を踊り拍手取れるか |
(11.9.2.) |
58 | 放射能くっ付けたろかと記者会見 あまりに軽き経産大臣 |
(11.9.9.) |
59 | よくもまあ次から次と大臣の 失言続く政治貧国 |
(11.9.11.) |
60 | 自覚なく大臣となり舞い上がり 10日足らずで首飛ぶ選良 |
(11.9.11.) |
<変な名前の草花・花木> | ||
61 | おちょぼ口童女のごとき花姿 屁糞葛と身も蓋もなし |
(11.9.18.) |
62 | 溝蕎麦と姿形の相似るに 棘持つゆえの「継子の尻拭い」 |
(11.9.18.) |
63 | タデ科には変な名前の花多し 「秋の鰻掴み」も下向く棘で |
(11.9.18.) |
64 | 早春の野辺を飾りし可憐花 哀れその名は「大犬の陰嚢」 |
(11.9.18.) |
65 | 長寿国日本女性にそぐわずや 「姥百合」の名は花期に葉(歯)なしと |
(11.9.18.) |
66 | 小菊には醜名が多し「野襤褸菊」 「段戸襤褸菊」「掃溜め菊」と |
(11.9.18.) |
67 | 春の盛り雪被りたる如き木を 「なんじゃもんじゃ」と問いて樹名に |
(11.9.18.) |
68 | 「春蘭」と美しき名の別名が 「じじばば」なるは花姿ゆえ |
(11.9.18.) |
69 | 沖縄のお墓を飾る仏桑花 やまとんちゅうはハイビスカスと |
(11.9.18.) |
70 |
♪BGM:Chopin[Nocturne20]arranged by Reinmusik♪ |
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