鈴 童 一日一句春夏秋冬 (2011年版) |
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<そのU> |
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[夏・秋の部](5月〜7月) |
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1日 | 春風もきょうから薫る風となり | |
2日 | 八十八夜 | 茶摘みうた口に新茶を味わえり |
3日 | 憲法記念日 | 早暁に何を怒るやはたた神 |
4日 | みどりの日 | 「みどりの日」となる日を待つ被災の地 |
5日 | こどもの日 | 風受けて百花の中の鯉幟 |
6日 | 立夏 | まだ春かもう夏なのか立夏の日 |
7日 | 紫衣(しえ)めぐり沢庵流罪花あやめ | |
8日 | 母の日 | 母の日や俺にも一人母がいた |
9日 | われ弁慶児らの草矢に立ち往生 | |
10日 | 葉桜に笑顔も緑一年生 | |
11日 | 手毬花おむすびならば二個取らん | |
12日 | 「暫らく」の大見得のまま蜥蜴おり | |
13日 | 鮮緑の幹葉さやかに今年竹 | |
14日 | なんじゃもんじゃ糸花縺る青あらし | |
15日 | 三社祭・葵祭 | 浅草の元気を告げよ三社祭 |
16日 | 豆飯の色も匂ひも芳(かぐわ)しく | |
17日 | 黒い矢の飛ぶが如きに夏燕 | |
18日 | 店先の流しに泳ぐ水饅頭 | |
19日 | 茉莉花の匂ひに噎せる訪ね客 | |
20日 | 筍のかすかなえぐ味酒は冷 | |
21日 | 石楠花の山やぶ漕ぎで横切れり | |
22日 | 夏場所や技量審査で禊けり | |
23日 | 茉莉花の花散る下で揚羽逝く | |
24日 | 植田あり青田もありし車窓かな | |
25日 | 万緑の山柔らかく衛門寺 | |
26日 | 杖ノ渕名水走る梅雨の入り | |
27日 | ごとごとと坊ちゃん列車梅雨の中 | |
28日 | 梅雨空や瀬戸の島々紗を隔て | |
29日 | 瀬戸の凪鮑の寝言聞こえたり | |
30日 | 濡れ畑に影あわただし黒揚羽 | |
31日 | 太陽を背に向日葵の種蒔けり |